第六話 転生したら旅に出た!?
どうも、桃犬猿雉です。_( _´ω`)_ペショ
ユニークが400を越えて500までもう少しというところまで来ました。
皆様のご愛読感謝です。
転生したら虫ですか!?の第六話となります。
ようやく主人公が拠点を離れ、移動する話です( ・∇・)
致命的な誤字脱字、矛盾等ありましたらご報告ください(*´・ω・)
俺が決めた候補の進化先の結果はこうなった。
万能戦闘型候補「病魔虫」
攻撃重視型候補「ソードレッサーインセクト」
速度特化型兼逃走用候補「インセクトイーター」
防御特化型候補「メタルスタッグ」
ネタ枠候補「クルールレッサ―インセクト」
仮にだが、今のところはこの進化先でいくことにする。
よし! これで、準備は整ったな。
それじゃ、俺は今日よりこの拠点を捨てて移動をする。
ここでこのゲームのような世界に生まれおちて1か月と2週間となったが、このあたりではあの優雅に空を飛んでいたドラゴンを除いては敵なしとなるまでスキル獲得や進化を遂げることが出来た。
最初は、外れと思ったこの自由退化のスキルもかなり便利だったしな。
もうこの地でやることはなくなった。
それに、下準備は完璧だ。
旅の食料もストックはしといたし餓死の心配はない。
これでここを出てすぐに敵にやられてしまいましたとはならないと思うほどの力はついたしな。
さすがに、いきなりあのドラゴンとかに遭遇しなければの話だがな。
あのドラゴン見るからに強そうだったしな。
見た目は飛竜系の見た目で(ストライダーをつけないように)腕と翼が一体になっていたな。
思い出に浸るのをやめた俺は筋力値が最も高いメタルスタッグに進化すると、あらかじめ作っておいた、そり型の荷台を引き拠点から東、、、この世界の方角が地球と同じなのかわからないんだが太陽の沈み方から東と思われるだろう方角に進み始めた。
この一歩から俺の未知の土地への旅が始まる。
ワクワク半分、ヒヤヒヤ半分って感じで期待と心配が混ざりあった心持ちだ。
その心配を少しでも小さくするために途中、経験値を積んでいき、簡単にやられないように武者修行の道中にするつもりだ。
ここも安全っちゃ安全だったが周りが緩くなってきたので自分も気がゆるくなってしまうのだ。
この先生き残るにはそんなことではだめだ。
俺はどこかのスポ根漫画のように、四つの目に火をつけて決意の旅を開始した。
ところが、その決意で旅に出てまもなく俺はトラブルに遭遇してしまった。
生まれた森林を抜けて開けた平原を無事に渡り切り、新たな森に入ってすぐに木の陰から現れた獣型のモンスターに目をつけられて待ち伏せされ、囲まれてしまったのだ。
いつかはモンスターに出会うとはおもったけどいきなり多対一かよ!
そいつらは顔は平たい犬のような顔で長い犬歯をもっていたが体は地球の猫のようにしなやかなスタイルをしている。
くそ!前も後ろも完全に囲まれていやがる!
こいつら俺を捕食対象としてみているのか? いや、どう見ても今の俺はゴツいメタルスタッグだ。
金属でできたクワガタ戦車みたいで絶対おいしそうには見えないからな。
俺なら食べたいとは思わない。
となると、多分後ろの荷台の中にある保存食が目当てか。
こいつは、俺の旅路に必要なものだ簡単には渡せない。
そう高速思考の恩恵でちゃっちゃと結論を出し、奴らが襲い掛かってくるのを待ち構える。
いざとなったら、隙を見てインセクトイーターに進化して食料をおいて、すたこらサッサと逃走するつもりだ。
やつらを鑑定してもいいが、今は隙を見せるわけにはいかないか慎重に動かなければな。
しばらく膠着状態が続いて、もう鑑定しようかなと考え始めたころに、前にいただらしなくヨダレを垂らした一匹が痺れを切らして飛びかかってきた。
荷台ではなく俺の方にね。
俺を倒さない限り、餌にありつけないと考えたのだろう。
牙をむいて飛びかかってくる犬猫だったが、さすがに牙と鋏では得物のリーチが違う。
お前は牙でなく、その鋭い爪のほうを使うべきだったな。
俺は冷静に犬猫をそのまま鋏でキャッチし、スキル「剛力」の瞬間筋力増加を使用し、さながらギロチンのように首と胴体を泣き別れにしてやった。
仲間の一匹がやられたので激昂して一斉に飛びかかってくるかと思いきや、なかなか奴らは冷静で、じっくりとこちらの様子をうかがっている。
先ほどの一ぴきは空腹に耐えかねて思考がお粗末になったのだろう。
あの平たい顔たが、意外にも知能は高いらしい。
まぁ、待ち伏せするくらいだからな。
『レベルが上がりました レベル2になりました おめでとうございます 最大値Lv15まで頑張ってください』
レベルが上がったか。
いまいち、レベルの上がるタイミングがつかめないな。
だいたいは戦闘が落ち着いてから上がっていたからな。
奴らは俺が自分たちを倒しうる能力を持っているとわかったからだろう攻めあぐねているようだ。
この状況も落ち着いてるといえなくもないか。
敵に囲まれてるんですけどね(笑)。
それにしても、こいつらなかなか頭がいいなみんなこっちの挙動をうかがってやがる。
失敗を学習して飛びかかるようなことはしないようだ。
その厄介さはキノコ並みいやそれ以上だろうか? こちらが油断したら隙をついてくるほどの知能はありそうだな。
この、硬直状態を打破しようと先に動いたのは俺だ。
奴らが様子をみて動かなかったことにより俺は退化からのスムーズな進化を三秒とかからずに終え、攻撃態勢に入った。
俺が進化したのは攻撃特化のソードレッサーインセクトだ。
今回は逃げないので、インセクトイーターには進化しない。
ソードレッサーインセクトとなった俺は、急な進化の光呆気に取られていた奴らの数匹に刃状の両前足から飛斬を放つ。
この飛斬のスキルは発動が早く魔力依存であるので回数制限がなく魔力がある限り連続で使用できるためなかなか便利だ。
回数式も利点はあるのだが今はまだ使わない。
ジョ○ョのようにオラオラオラと飛斬を放ちまくり、前方にいた数匹に斬撃の雨を降らせる。
飛斬の欠点と言えばスキルレベルが低いので威力が低いという点である。
当たってもナイフで切り付けた程度の威力なので数を放たなければ首筋などの急所でない限りは致命傷になりにくい。
たが、この進化先は器用さが高いので斬撃の狙いは正確だし、素早さもなかなか早いので飛斬のグミ撃ち(負けフラグじゃないよ)に適している。
斬撃の雨は狙いをたがえることなく前方の数匹に降り注ぎ、四体のうち三体を仕留めることが出来た。
その様子に動きを止める犬猫たち。
『レベルが上がりました レベル5になりました おめでとうございます 最大値Lv15まで頑張ってください』
おおっ!? 一気に4つもレベルが上がったぞ こいつはおいしいな。
仕留めそこなった一匹も虫の息だし、飛斬を放ち止めを刺す。
『スキル 飛斬Lv2 のスキルレベルが3に上がりました おめでとうございます』
いい感じに飛斬もスキルレベルが1から3までに上がった。
『称号 介錯人 を贈ります 今後とも頑張ってください』
なんか変な称号をもらってしまった。
介錯ってあの介錯だよな、切腹のときに首を切る、、、、
『スキル 介錯Ex のスキルを獲得しました おめでとうございます』
ん? なんかスキル貰ったっぽい。
称号からスキル貰えることもあんのね。
スキルの確認は後で行うとして、背後の奴らは、先ほどの惨状を見て一目散に逃げだしていた。
俺は一番後ろを走って逃げていた奴に飛斬を放ち、転倒させ逃げられないようにして鑑定を行う。
鑑定はカーソル指定のようなもので、素早く動き回る相手には使いづらいのだ。
動けなくして、鑑定は出来たので第一進化後の7レベル以下のようだ。
『「レッサ―レオファン」平たい顔をし、しなやかな体を持つ獣魔種 基本群れで行動し自分たちよりも弱い相手を狙い前方で陽動し、後方から不意を打ち獲物をしとめる狡猾な性格 しかし、相手が格上だとわかると一目散に逃げるという臆病な面も持つ』
『ステータス』
「レッサ―レオファン」
レベル 6/10
体力 57/125
魔力 30/30
スタミナ 34/60
筋力 44
器用さ 32
硬さ 32
素早さ 85
精神力 32
忍耐力 34
『スキル 鑑定Lv12 のスキルレベルが13に上がりました おめでとうございます』
いい感じに鑑定も上がっていくな。
こいつらなかなかのステータスの持ち主だな。
レベルの最大値が10だから一段階目の進化も終えているみたいだしな。
さすがに準備を重ねた俺でもこのステータスの9匹で一斉にかかってこられたら危なかった。
でも、最終的に耐久差で勝てたとは思うがな。
臆病な性格のお陰で途中で俺が脅威とわかって逃げて行った。
現時点ではロールプレイングゲームのように少しずつレベルを上げて強くなっていく俺の計画には狂いはないがそれがいつ狂うかわからない。
この調子で今のうちにガンガンレベルを上げていこうと思う。
ガンガン行こうぜ、、、いやなんでもないよ。
まぁ、来たばかりだから地理がわからないし、簡単にはレベリングできないんだけどな。
俺はそう独り言を言いながら(声なんて出ないがな)、捕らえたレッサ―レオファンに止めを刺すと、荷ぞりのそばに戻る。
移動してきてかなりの時間が過ぎ、日も傾き始めていたので、俺は手ごろな木を数本切り倒し、それを荷ぞりの周りを囲むように並べ、糸を使って防壁を作り上げる。
さっきの連中では破壊は不可能だろうが、もし単体で劇強な奴が現れた時のために少しでも糸で要所の補強を行い、安全性を確保する。
野宿するときのために、そりは中で休むこともできるように作ってあるので、仮拠点としても機能する。
内側から防壁の隙間を石で埋めると、俺は今後の明日の計画をたてる。
まずは、仮ではない拠点を置く場所の探索。
次にこの地域一帯の地理の調査とモンスターの生息状況の調査。
その次にレベリングと、優先順位を設けた。
明日になったら、仮拠点を厳重に防護した後に、計画通り周辺の調査を行うことにして、眠りについた。
朝起きると防壁の入り口の石をどけ、出てからまた入り口に石を詰めて閉じる。
よし、天気は晴れ、絶好の探索日和ではないか。
俺は、病魔虫へと進化すると、仮拠点を離れ、あたりを探索する。
とりあえず水場を探さないとな。
俺は聴覚を頼りに、周囲の地理を頭に叩き込んでいく。
しばらく歩くうちに川のせせらぎのような音が聞こえてきた。
俺はその音を頼りに音がする方へと行く。
木々が開けたその場所には確かに音がした通りに確かに川があった。
どでかいカニと一緒にな。
俺はそのただならぬ雰囲気のカニを鑑定する。
『「フォートクラブジャック」巨大な鋏を用いて水場に近寄る生物を狩る肉食性の蟹 その巨大な砦のような姿から砦蟹とも呼ばれ人々から恐れられる カニだからと横走りしかしてこないと思いきや、前にも進める しかし、後ろには歩けない 口から圧縮した水を発射するので遠距離でも気を抜くことなかれ 若い個体は深紅の体表がむき出しだが、古い個体になると苔が体を覆い、緑色に変化する』
『ステータス取得に失敗しました』
やはり、こいつは格上だ。
ステータスが鑑定できないだけじゃない。
野生の感というか、虫の知らせというか、あいつはやばいって感じが伝わってきたのだ。
急いで俺はその場を離れようとしたが、お決まりのというか運がないというか、俺は足元の枝を踏んでパキッと音を立ててしまった。
まずい! そう思ったときにはすでに遅かった。
砦蟹はこちらの方をばっちりとみていた。
というか目が合った。
その地球の蟹とは違いぶっといトングのような布団ばさみのような物が縦に三つ並んだ口からだらだらとよだれのように泡まみれの液体が流れ出している。
俺は、進化を完了させインセクトイーターに進化し、一目散に逃げだす。
俺がいた場所には、高圧縮された水の塊が叩き込まれていた。
あともう少し逃げるのが遅ければつぶされていたところだ。
水の弾丸などと生易しいものではなく水の砲弾が地面をえぐってその場に水たまりを作っていた。
やばいやばいやばい!
俺が、全速力で逃げているにもかかわらず、あの蟹は横歩きでものすごい速度で追いかけてくる。
あいつ、あの巨体でなんていう速度で走ってるんだよ!?
このままでは追いつかれてしまう。
俺はアシッドブレスを吐いて牽制しようとしたが、そのブレスをものともせず、俺が小回りを利かせて木々の間を縫うように通っているのにも関わらず、蟹は何でもないかのようにその木々をなぎ倒しながら、追いかけてくる。
もうだめかと思ったが、俺はまだ運命に見放されていなかった。
正面に初日に襲ってきたレッサ―レオファンの群れがいた。
同じ群れだったかはどうでもいい。
俺はそのうちの数匹を飛斬で切り付けスラッシュディバイドで通り抜けざまに切りかかる。
残りは俺の後ろの蟹を見て一目散に逃げて行ったがそれでも十分だ。
俺は恐る恐る後ろを振り返ると、蟹の追撃は止まり、数匹の動けなくしたレッサ―レオファンに巨大な鋏で止めを刺し、食らい始めた。
『称号 卑怯 を贈ります 今後とも頑張ってください』
『称号 外道、鬼畜、卑怯 がそろったことにより 統合され称号 極悪 を贈ります 今後とも頑張ってください』
この際、貰った称号についてどうこう言うのは後だ。
今はこの危険地帯を抜けることに意識を集中させる。
しばらく逃げ続けたが蟹は追ってくる気配はなかった。
ああ、やばかった。
今回はキノコ時のように死の危険を感じた。
あの蟹め、ものすごくしつこかったが運よくレッサ―レオファンたちがいてよかった。
なんとかあいつらをスケープゴートとして身代わりにできた。
その結果、また不名誉な称号をもらってしまったが命には代えられない。
生き残るためにはほかの生物を蹴落とさなければ生きていけないのはこの世界の常識だ。
人間であったならば少しは情なんてものがあったと思うが、今の俺は虫だ。
少しでも情にほだされたら、命を落とす。
仲間でもいたら気を緩める暇ができるだろうが今は孤独な虫だ。
この先仲間なんてできるかはわからないし、まだまだ気は抜けない。
いいさ、俺はボッチでも強く生きてやるんだ、寂しくなんてないんだかんね!
俺は新たに決意し直して、仮拠点へと戻る。
拠点に帰ってきて、一息ついて今回の出来事について考える。
今日、蟹に追われている時に得た称号、「卑怯」と「極悪」について。
卑怯はレッサ―レオファンを身代わりにしたときに得た称号だ。
そしてさらに、スキル統合のように称号が統合されて新しい称号「極悪」を得た。
これは、酷い称号になったもんだ。
生きるために仕方なくやったことなのに極悪とはな。
これで後の進化先の選択肢にも影響が出そうだな。
あれ?そう考えると少し楽しみにも思えてきた不思議だな、あははは!
現実逃避は置いといて、称号に関しては終わりだ。
次に考えるのは、水場をどうするかだ。
持ってきた水にも限りがある。
水場を確保しないと、この先生き残るのは難しい、かといって近くの水場にはあの砦蟹がいる。
どうしたものか。
あの蟹はあそこをなわばりにしてるみたいだが、あそこは川の中流のようだったな。
上流というには川幅は広いし、下流というには水の勢いが強い。
あいつがいる中流を避けて、下流または上流へと行けば何とかなりそうだな。
下流はあの蟹を避けた他のモンスターが水場として使っていそうだし遭遇すると面倒だ最悪蟹が騒ぎを聞きつけてきそうだ、そうなると上流か。
上流を確認するために今日は早めに寝て明日に備えるか。
あの蟹のせいでスタミナを零にする勢いで逃げてきたからな、正直かなり疲れた。
そうして、俺はその後眠りについた。
お読みいただきありがとうございました。
次は番外話を投稿したいと思います。