第四十話 虫だけど、リベンジですか?
どうも皆さん、今回は前回に引き続きサバンナでの戦闘から入ります。
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そいつは岩のような巨体を、、、というより岩だった。
岩の正体は、ヤドカリ?のような虫型モンスターだった。
『「ハーミットロッククラブ」 岩を背負い自らの本体を地中に隠し獲物を待つモンスター 本体の移動速度は遅いが岩をも背負う強靭な筋力から繰り出される一撃は岩そのものも砕く からだの成長に合わせて岩を大きいものへと取り替えていく』
ヤドカリなんて言ったものの実際は背中に岩を背負ったフォートクラブジャックのようなものだ。
岩を背負ているおかげか速度はあちらの方が遅いが地面に振り下される鋏というより岩のような一撃は一つでも食らえばタダでは済まないだろう。
だが、鑑定した結果、筋力以外のステータスはフォートクラブジャックとほとんど変わらないようだったので、今の自分があの時とどこまで違うかを確認することにした。
ステータスでは総合的に勝てそうにはないが、こちらには豊富なスキルがある。
進化先の選択は、レベリングも兼ねて速度重視の病魔の相だ。
スピードで岩ヤドカリの一撃をかわしていき、その度にカウンターとして、奴の間接部分に硬化した脚をツルハシの様に当て続ける。
ビリビリとした感覚が俺の足を襲うが、痛覚無効lv1の俺にはそんな痛みなんて目じゃない。
その攻防を何度か続けるとようやく奴の岩のような外皮を貫き蟹のような赤い甲皮が見えた。
そのまま硬化した脚に、急加速、疾走、スプリントキックで勢いよく飛び出した勢いをつけて赤く見える部分にぶち当てる。
すると、パキリといい音を上げて貫通した。
すかさずそこからさまざまな状態異常エンチャントでデバフをかけていく。
おまけに激痛を伴う毒も注入だ。
これでこいつも終わりだなと、俺が勝利を確信したとき、鈍い音を立てて吹き飛んでいく。
吹き飛んでいったのは俺と今しがた様々な毒を注入した、岩ヤドカリの腕だった。
ちきしょう! そういや、蟹って自切が出来るとか聞いたことがあったな。
甲殻類には自分で腕を切り落としたりすることが出来るらしい。
吹き飛ばされながらもそんなことを考えつつ、空中で体勢を整え着地する。
大分吹き飛ばされたが、奴の攻撃方法は鋏による打撃と本体による体当たりで、泡ブレスなんてスキルは持っていない。
その代わりにサンドブレスという、砂をブレスの様に放出する攻撃方法がある。
今の不意の一撃で足が数本いかれてしまったが既に四肢再生で移動する分には大丈夫となった。
岩ヤドカリは、そのまま息を吸い込むような体制を取ると砂をビームの様に吐いてきた。
嘘だろ!砂ブレスってこう放射状に広がるもんだと思ってたぞ。
ありゃもう、砂の槍だな。
ブレスが当たった自説した奴の足がみるみる砂で削れて抉れた。
当たったら、紙やすりで削られただけじゃすまなそうだな。
だが、当たらなければどうということもないのだ。
そう、赤い不審者がいっていたし。
常時疾走を発動させ、スタミナの減りをしっかりと認識しつつ、砂ブレスをよけていく。
狙うは自切したやつの間接部分だ。
砂ブレスが当たらず、岩ヤドカリも焦れてきたのか砂ブレスの間隔が短く、狙い雑になってきている。
ようやく、奴の目の前までたどり着くと、奴は残った腕を振り上げて地面へと叩きつけた。
目くらましのつもりのようだが、俺には奴の影がしっかりと見えている。
そこだー!!
俺は渾身の一撃を奴に振り下した、だが振り下した脚の痺れ以外に何も手ごたえがないことを不審に思う。
それもそのはず、俺が足を振り下したのは奴の外皮ではなく背負っていた岩そのものだったからだ。
とくると、奴の本体は何処へ!?
と疑問を頭にしたが、後ろからの衝撃を受けて再び吹き飛ばされる。
吹き飛ばされた地点を見るとそこには、真っ赤な甲羅をした蟹の姿があった。
まさか、岩を脱ぎ捨てるとはな。
今ので体力がごっそり持っていたかれてしまった。
最初に一撃を受けて200程あった体力も100ほどに減ってしまった。
だが、二度は同じ手は食らわない。
いくら赤くなったところで速度が3倍になったわけではない。
よくて2倍程だ。
しかもアーマーパージしたせいか、奴の防御力は落ちている。
これならどこを狙っても貫通させることが出来そうだ。
千切れ飛んだ手足を再生させて、地面へと降り立った俺は、再び走り出す。
再生したばかりの足では、急加速や疾走のスキルには長時間耐えられない。
だが、そんなことは考えなくてもいい。
俺は動く必要はない、奴の方から来てもらうだけだ。
奴が二度目の体当たりを仕掛けにこちらへとやってくる。
それを見越して、俺は横っ飛びで回避する。
奴もそのままの勢いで旋回しようとするが、何かにつまずき転倒する。
奴が通った場所、つまりさっきまで俺がいたところには粘着性の糸が張り巡らせてあった。
そのまま糸を踏みつければそのまま絡まり、勢いよく転倒する。
甲殻類は複眼で360度見通すことが出来ると聞いたことがある。
だが、いくら目がよくても自分の体で見えない部分はあるし、意識は俺の方へと集中していた。
そのせいで足元がお留守となった。
水の中と違って、陸上ではひっくり返るとなかなか起き上がることが出来ない。
虫と同じで蟹もそうだ。
重心が少し上にあるので起き上がるのが大変だからだ。
昔電車の中で虫がひっくり返って足をばたつかせているのを見たことがある。
そんな風にひっくり返った奴の腹に向かって、大きく跳躍し硬化させた牙で噛みつき、スキル剛力を発動、そのまま貫通するまでかぶりつく。
甲皮を貫通した牙から状態異常満載の毒液が流し込まれる。
蟹の体は麻痺し、意識が朦朧とする。
だが、激痛にたたき起こされ、毒でじわじわと衰弱していく。
最終的に、体内から溶けていき、息絶えた。
経験値が入る感覚を得ると俺は離れて見守っていたルクレたちに合流した。
あっ!? せっかくの蟹だったのに、俺の毒でドロドロになってしまったら食べるところないなぁ。
フォートクラジャックのときは、味覚が弱かったから仕方なかったにしても今回は、、、まぁしかたないかぁ。
脚は無事みたいだしな。
あー蟹みそ食べたかったなぁ、でもでかいからアイランドクラーケンのときみたいに大味かもしれないけどね。
俺は背負っていた岩以外の甲殻と残った足を集めて無限吸収で回収していく。
日も沈んできたし今日はここらへんで野宿をすることにした。
ここいらはこいつの縄張りだったらしくそのせいで他のモンスターが少なかったようだ。
蟹の足は、結果的に言うとうまかった。
ちゃんと身がしまってたし、味も前世で食べた蟹のような味だった。
それも高級な蟹のな。
ちょっと固めだったけどうまいのには変わりない。
ちび達にはゆでた後ほぐして柔らかくしたものをあげた。
皆顔をリスの様にして蟹の身をほおばっていたので和んだ。
一息ついたところでやっと、クルールレッサーインセクトの進化先を確認することが出来る。
ちび達は既に、寝静まっている。
称号で極悪の影響で進化先に不吉な進化先が増えているが、この進化先はもともと称号から出た進化先なので更に濃く極悪の影響が出そうだからだ。
進化先の選択肢はステータスだけじゃなくスキルや称号からも影響は出るようなので、寝る前にちび達に見せて悪夢でも見られてはあれなのでこの時間にとなった。
クルールレッサ―インセクトの進化先はこのようになった。
『「クルールインセクト」悪魔の使いと呼ばれ出会ったら逃げるようにと言われている妖虫族 残虐性はより増し、獲物をいたぶりつつも逃げることが出来ると希望を持たせ最後にその命を刈り取ることを悦に浸っている 形状もより禍々しく頭部からは悪魔を連想させるねじくれた角が生えている』
『「デスサイズマンティス」死神のような禍々しい鎌を一振り持ち、逆にはかえしのついた鋏が付いている 闇に紛れて獲物の体を鋏で掴み右の死神の鎌で首を刈り取る姿は死神だ 全体的に黒く翅の部分が黒いローブの様にはためくが意外と丈夫』
『「パニックシケイド」羽根をこすり合わせて特殊音波を発生させその音を聞いた対象を恐慌状態にする蝉型のモンスター 飛行能力を備えているが同時に音を出すことはできない 恐慌状態にある対象に取り付き生きたまま体液を啜る』
『「センチピードキャスター」見た目は人型の鎧からムカデの下半身が生えたような形状をした妖虫族モンスター 一見するとラミアやケンタウロスのような亜人のようにも見えるがれっきとした妖虫族で鎧の頭部に紅い六対の複眼を持ち背中にも一対の大きな複眼がある普段は蛇が鎌首を上げたような状態でいるが、ムカデの様に節足を自在に使い移動することもできる 頭部の鎧は魔法を唱えることが出来、対象を感電死させる雷属性魔法と対象を氷漬けにつる氷属性魔法を扱う』
『「腐蝕百足」体のいたるところに触れると腐食する毒棘を持ち、歩くだけで草木を腐らせる歩く災害のようなムカデ型モンスター 腐食したものを食べるためこの妖虫族自体には理にかなった特性である 走る速度は鈍重そうに見えるが体が常に腐食液で保護されているので触れようとする外敵はいない』
こんな感じだ。
最初の二つはうん、まぁわかってたよ。
三番目の蝉は相手の聴覚から精神に作用する音を作り出して、恐慌状態という状態異常を起こすというものだ。
四番目は人型の下半身から蛇の代わりに大ムカデが生えた感じのモンスターで雷と氷の魔法を使う。
んで、どう考えても最後の奴はダメだ。
俺はよくても他の皆がダメージを受けるだろう。
常に周囲への環境ダメージが伴うのはまずい。
ということで今回選んだ進化先はセンチピードキャスターだ。
それぞれ得られたスキルは順に、影魔法Lv3、気配遮断Lv1、パニックサウンドLv1、雷魔法と氷魔法それぞれLv1、保護腐食液(オンオフ可能)と腐食耐性Lv3悪食Lv1を得ることが出来た。
影魔法のレベルが3に上がったことで、1のときに使用で来た影縛りに加えて、影玉、剣の影を使用可能になった。
影玉は圧縮した影の塊を射出する魔法だ。
対象に当たるときに実体化するため打ち落とそうとしてもすり抜ける。
剣の影は、そのまんま剣の形をした影を操る魔法だ。
剣の数も複数同時に操ることが出来る。
数が多くなるほど操作も難しいらしい。
俺には並列思考があるから管理はそう難しくない。
気配遮断は、文字通り気配を薄くするスキルだ。
擬態と組み合わせるとより隠密効果が高くなりそうだ。
パニックサウンドは精神系のスキルで、恐慌状態を相手に付与するもので自分の精神力が相手の忍耐力を上回るとかけることが出来、その差の数値が大きいほど長く恐慌状態が続く。
雷と氷魔法はそれぞれ、雷撃と氷結で雷撃は電撃を前方へ飛ばす。
速度は速いが射程が短い近距離向けだ。
氷結は空気中の水分を凍らせて足止めや、水場など水分が多い場所ではそのまま氷の槍となる。
カヨが水魔法を取得しているので感電や凍らせて連携を生かすことが出来そうだ。
最後に腐食液は酸と違い、溶かす速度が遅い。
だが、腐食させることが出来るものが多く酸で溶かすことが出来ない特殊な金属をダメにすることが出来る。
腐食耐性はおいといて、悪食は腐食したものでも食べることが出来るという性質で多少毒や酸で溶けていたとしても食すことが出来る強靭な口腔と胃を得るというスキルだ。
味覚が強化された今、あまり使いたくないスキルではあるな。
以上が今回得られたスキルだ。
結構豊作でウハウハ気分で床に就いた。
翌朝センチピードキャスターのままの姿で寝ていたせいでちび達をビビらせてしまい、カヨにびんたされた。
ひどい、グスン。
野宿の後片付けもおわり、俺たちは巨人の街ギガントヘイムに向けて出発した。
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