第三十五話 虫だけど、おっさんくる!?
どうも、皆さん今回はおっさんを加えての砂漠渡の回から始まります。
ではでは、誤字等ございましたらお知らせください。
そこに満面の笑みで手を振るおっさんの姿があった。
いやいやおっさん、あんた俺になんかようじでもあるのか? でも用が無かったらあんなめちゃくちゃ手を振りながら、笑顔で来たりしないよな。
俺はおっさんが俺たちに追い付くと、何の用事か聞いた。
するとおっさんは、俺たちと一緒に行動を共にしたいと言ってきた。
うーん、別におっさんが付いてくるのはいいが、おっさんを護衛しながら動くのにはこちらんメリットがないしなぁ。
そんなことを考えていたが、おっさんは、
「まぁ、自分の身は自分で守れるし なんかあったらあんたらを護衛に雇ってという形で報酬を払うぞ」
とのこと。
そこまでして俺らとこう行動を共にするのかを聞くと、
「わしのかんが言っているんだよぉ お前たちと一緒にいればいい素材に巡り合えるとなぁ わしの勘はよく当たるんじゃ そりゃもうわしの長年の相棒じゃからな」
ああ、そうですか。
まぁ、なんかあったときの臨時護衛として俺たちと行動を共にする契約だ。
護衛以外にも作った魔道具を試して欲しいとも言われた。
そっちの方は試す代わりに使った魔道具の方はくれるそうだ。
魔道具を作っては実験するのも趣味であるらしい。
それゆえの素材収集癖らしい。
珍しい素材を見つけては触って、色々と検証した後に、その素材を使った魔道具などを作っているらしい。
たいそうなご趣味ですな。
まぁ、護衛の報酬よりそっちの方が俺には魅力的に感じたので、おっさんを俺らの旅路に加えることを了承した。
行先の確認だが、俺たちは砂漠を超えた先にあるエルドレアという街に行く予定だ。
エルドレアは俺たちが前にいたテント街とは違い正真正銘の街だ。
石造りの家が並ぶ街で、流通が盛んであるところは同じだ。
流通だけでなく、とある商売が盛んであると聞く。
それは、“奴隷”だ。
もちろん奴隷と言って、いいイメージはない。
かと言って、奴隷を死ぬまで働かせたり、肉壁にしたりといったことはできない。
奴隷となるのは借金等で返金が出来なくなったもの。
働き口を見つけられなかったもの。
身寄りがないもの。
などで、敵国の捕虜だったりとか、攫ってきた子供であったりとかはない。
そもそも、モンスターと呼ばれるものは二種類いる。
本能型と知能型だ。
本能型は動物的行動原理。
んで、知能型は一緒にいるホブゴブやテント街のモンスターたちだ。
本能型は群れをつくる者もいるが、基本は同種同士で作る。
知能型は、種族は関係なく、話が通じればそれでコミュニティが出来る。
元々色々な種族がいるため、対立が起きず、起きたとしても喧嘩程度だ。
姿がかけ離れていると、どちらが優れているかなどの集団闘争は起きにくいらしい。
そういうわけで国同士の争いというものが知能型モンスターの間では全くと言っていいほどない。
ちなみに、この情報もアブドラから教えてもらった。
アブドラからは一通りの知識は聞いてきている。
エルドレアは奴隷という名の働き手を紹介する商売の街。
だが、奴隷とは別にもう一つの商売がある。
それは、、、人だ。
人、つまりは人間族だ。
このエルドレア街では、奴隷とは別に人を“売買”する。
人の売買、奴隷とは違い、物として売買される。
売買されるほとんどの人間族が強制的に魔道具の力で働かされる。
奴隷のつける契約の腕輪という魔道具と違い、人間族の魔道具は盟約の首輪と呼ばれる魔道具だ。
前者は逃げ出したり仕事をさぼるなど行動の制限がかかるのみに対し、後者は逃げる、命令を拒否する、歯向かう、自害するなどより多くの制限が付く。
奴隷は命にかかわるような無理なことは拒否できるの対し、人、つまり物人と呼ばれるものはそう言ったことが出来ない。
なにしろ、物として扱われるからだ。
物は、逆らわない。
それが物人の特徴だ。
物人となるのは基本は盗賊や冒険者だ。
街から出た商隊を狙った盗賊や返り討ちにあった冒険者、街に入れない犯罪者などがほとんどだ。
人狩りのような、奴隷にするために捕まえるといったことはモンスターたちの間にはないのでほとんどが自業自得である。
それ以外は運悪く、巻き込まれたものだ。
そう言った街がエルドレアだ。
エルドレアの入り口はきれいなアーチ状の石が積まれた門があり、その大きな門の横に小さな門がある。
商隊が出ていくときにでかいほうの門が開くそうだが、通常はその横の小さい門を使う。
特に厳しい通行許可とかはないが、街の中で武器や商品の持ち込みには申請をしなくてはならない。
その点に関しての準備は大丈夫だ。
アブドラから保証書をもらっているので、俺たちはすんなりエルドレアの街に入ることが出来た。
ほんとにアブドラ様様状態だな。
おっさんもなぜか普通に通ってこれた。
おっさんあんた何もんだよ。
おっさんの素性も気になるところだが、今は街の様子を知ることが大事だ。
街のつくりは門と同じ白い石を積んだ家が多く、窓が小さい。
これは砂があまり入ってこないようにするための工夫らしい。
その分窓自体の数は多く風通しが良いようになっている。
街の雰囲気も活気があって、にぎやかだ。
雰囲気としてはテント街の商業区と似ている。
商業区も見て回りたいが、それよりもまずは宿だ。
宿場区に向かうと、そこでもにぎやかな雰囲気で出迎えられた。
客引きのラミアのような姿のモンスターや、ハーピーのような姿のモンスター、中には全身毛むくじゃらの毛玉がいるなんか遊〇王で見たことがあるぞ。
あつくないのかあれ?
そんな感じで客引きされつつも、俺はデカい獣舎のある宿を選んだ。
今回はルクレだけじゃなく、パルパ達も預ける必要があったからな。
宿も決めたところで、街へと出かける。
相変わらず、ルクレはお留守番だけど。
ルクレは不機嫌そうな顔をして寝てしまった。
ふて寝というやつだなあれは。
可愛そうなのでかえりに何か美味しそうなものをお土産に買ってきてあげることにする。
おっさんはおっさんで俺たちとは別に珍しい素材が売ってないか見て回るそうだ。
相変わらずの素材収集家だな。
俺たちは俺たちで行くところがある。
それは何処かというと、物人の販売所だ。
俺たちは商業区の奥、奴隷紹介所のさらに奥の人通りが少ない物人販売所へと足を運んだ。
別に珍しいものみたさというわけではない。
ちゃんとわけあって行く。
前は人間族と出会ったときには話が通じず結局戦闘になってしまったが、今回は言語理解の魔道具のおかげで話が通じる。
だから今回は人間族と話すチャンスというわけだ。
別に解放するために行くわけではない。
俺は別に無償でそこまでしてやるほどお人よしじゃないしな。
そもそも、自業自得なわけだし。
奴隷紹介所の前は自分をアピールするためか、上半身の筋肉を見せびらかしたり、剣の技を披露したりと一緒の見世物のような状況だった。
その前を通り過ぎ、物人販売所へとたどり着いた。
そこは先ほどの奴隷紹介所と違い静かだ。
物人と呼ぶ人間族は、檻の中に入れられていた。
どの物人も世紀末の物語に出てくるような凶悪な顔で、屈強な連中ぞろいだ。
だが、ひときわ場違いな光景が俺の目に入ってきた。
それは“子供”だ。
年で言うと、十歳はいっているであろう子供たちが同じ檻に入れられていた。
なぜこんなところに!?
まさか、盗賊や冒険者というわけでもあるまいしな。
その中で一番の年長であろう子供と目があった。
その子供は静かにこっちの六つある目を睨むように見て立っていた。
子供たちは怯えた目をしてその年長の子の後ろに隠れるように座っている。
俺達は販売所の扉を開きその奥へと入っていった。
お読みいただきありがとうございました。
次回は、販売所の場面からの続きとなっております。




