第二十八話 虫だけど、宴する?
どうも、この話から新章突入となっております。
ではでは、今後ともよろしくお願いいたします。(o*。_。)oペコッ
『第二章あらすじ』
目が覚めたら、異世界!?
そんな小説でありがちな設定。
誰もが夢見る空想。
勇者、ドラゴン、魔王。
異世界に転生しちゃった、でも無双しちゃいます!
普通はそうだろう。
俺が異世界に転生しちゃった、そこまではいい。
いや、別に転生したかったわけじゃないがしてしまったものは仕方がない。
だが、転生した先が問題だった。
虫だ。
それも足もなく、地を這って進む白い芋虫だ。
普通なら絶望してしまうところだが、諦めが悪い俺は冷静に今できることを考えて最善を尽くすことにした。
そんなこんなで、進化までこぎつけたわけだけどそこから何もかもがまた変わった。
変なところに飛ばされたかと思うと、神様に生き残れとか言い渡されて、変なスキルを渡された。
自由退化。
その名の通り、好きな時に好きなだけ退化できるというものだ。
最初はなんだその変なスキルと、嘆いていたが、意外なところですごい副産物があることに気が付いた。
通常一度進化したらそのままその進化先のみで次の進化を目指す。
そして、進化した先で何らかの特有の新スキルを得られるわけだ。
進化先は、条件によって複数あるわけだが、自由退化の恩恵で俺は進化先のスキルを入手して、退化し、他の進化先へとといったように通常よりも多くのスキルを得られるというわけだ。
そのおかげで、俺は個での能力に劣ると言われる妖虫族で、今まで生き残ることが出来てきた。
今では俺以外に仲間も出来た。
ルクレ、いまはドラゴンへと進化している。
最初の出会いは衝撃的だったが、吊り橋効果で俺に好意を抱いているらしい。
悪い思いはしないが、たまに視線が怖いときがある。
次にカヨ、カヨは俺と同じ転生者だ。
水妖族に転生し、サハギンから今はドルフィノイドへと進化した。
カヨは俺と違い、きちんとした加護スキルを与えられている。
分体創造、一日に十体まで、自分と全く同じ能力を持った分体を作り出すことが出来るスキルだ。
分体はカヨの意思通りに動き、一定時間がたつ、または意図的に消すことが出来る。
水中でのスピードはなかなかのもので同進化帯で水中で彼女に追い付けるモンスターはなかなかいないだろう。
色々あって、俺たちは今ゴブリンたちの村に来ている。
この村でも問題が発生していたが、仲間との連携と第三者の干渉によって問題は解決した。
その帰還途中、ルクレに絞め殺されそうになって気絶してしまったがな。
[主人公視点]
ゴブリン長老である、アイネンの家で俺は目を覚ました。
窓から覗いていたルクレと目が合う。
周囲を見るとカヨが寝床近くの椅子に座りこちらを窺っていた。
最初に口を開いたのはアイネンだ。
魔道具を使い片言ながらにこちらに話しかけてきた。
「コノタビハ、ワレワレノ、キキヲ、オスクイ、イタダキ、アリガトウゴザイマス ヤハリ、アナタサマハ、カミノミツカイ ワレワレハ、アナタサマヘノ、チュウセイヲ、チカイマス」
ニャルラトホテプの御使いという設定はやっぱり崩れないのね。
まぁいいけどな。
そうそう、報酬として言語理解のスキルの込められた魔道具を譲ってもらうことも忘れてないぞ。
込められたスキルのレベルは低いが有るのと無いので天地の差ほどだからな。
「ワレワレイチドウ、スベテヲ、アナタサマヘ、ササゲマス」
なんか、もうアイネンの目が信仰者それとなってしまっている。
別にすべてささげられても困るだけだから!
魔道具さえもらえればそれで満足だから!
それにあの骸の王が持っていた加護スキルアイテムボ、、、、じゃなくて無限吸収。
それを手に入れたおかげで、食料保存、荷物の持ち運びには事欠かなくなった。
実験してみたら、手のひらからにょきにょきっと魔武器を生やすことができた。
これで使いたいときに魔道具を安全に取り出すこともできるようになった。
アイネンとの会話も終わり、報酬として自移動通訳機を手に入れたわけだ。
スケルトン事件を終わらせた報酬としては十分だろう。
一番気になるのは、俺が強くなってからまた現れそうなアーディスってもふもふ虎ちゃんだ。
あいつ、俺が強くなったら戦いなんて、戦闘狂が過ぎるわ。
俺は青い果実かなんかかよ。
次にあいつが現れる前に少しでも対抗できるようになっておかないとな。
まぁ、俺の周りをがっちりと固めたところで、あいつのチートスキルの別空間に飛ばされてしまったら否が応でも決闘する羽目になりそうだし、俺一人の力でどうにかしなければな。
それも今後のこととして考えておかなければ。
そう考えつつアイネンお家を出ると、そこには進化したホブゴブリンたちの集団がいた。
戦闘ではブルスルがこちらが出てくるのを確認すると、片膝をついてこちらを見上げてきた。
俺が何事かと、聞くと俺についていきたいそうだ。
後ろを振り返りアイネンに聞くと、今回の戦闘でホブゴブリンへと至った独身の若いゴブリンの半数が俺についていくと話をつけていたそうだ。
ホブゴブリンへと進化した連中であればスケルトン問題が解決した今、ただのスケルトンやゾンビでは経験を積んだホブゴブリンにはかなわないだろうし、ゴブリンたちも顔出しボーナスによるパワーレベリングのやり方も覚えた。
今までの様に追い返すので精一杯という状況はもうないだろうとのことだ。
付いてきたいというホブゴブリンたちの中でももともとホブゴブリンへと至ってリーダー格のブルスラは、一つ上の進化帯であるハイゴブリンへと進化していた。
『「ハイゴブリン」 戦闘経験を積んだ歴戦のホブゴブリンがいたる存在 すべての武器に通ずる 肉体的にも優れゴブリンを率いての集団指揮を執る 生息地域特徴が出やすいため地域によって名称が異なり、寒冷地、砂漠と体色や特徴も異なる』
つまりはゴブリン部隊長ってところか、リーダーにはもってこいだな。
付いてくる分には大丈夫だろうが、別にお前らの言う加護なんて与えられないからな?そこんとこ勘違いするなよ?
気が付くともうすでに太陽が沈みかけているにもかかわらず、村中が騒がしい。
どうやら、宴のようなものが開かれるらしい。
木でできた笛のようなもの、動物の皮を使った太鼓のようなもので演奏が始まっている。
音色もよく、前世で言うところの、アンデス音楽のフォルクローレに近い感じだ。
しばらくその音色に酔いしれていると、宴の賑わいは、村中に広まっていき、俺らは広場に通された。
その真ん中に座ると、ゴブリンたちが次々に料理を運んできた。
色とりどりの穀物に薄くスライスされた肉が載せられている。
正直うれしいが、味覚の弱い俺にとっては食感を楽しむぐらいしか楽しみがない。
誠に残念だ。
俺よりも味覚が優れている二人は料理を楽しんでいるようだ。
うらやましい。
カヨなんか、グルメリポートの様に実況してやがる。
前世でグルメだったのか?
そういうわけで宴は盛り上がり夜明け近くまで盛り上がった。
翌日となり、宴の余韻に浸った雰囲気が漂っていたが、俺には村を発つ前にやることがある。
骸の王に止めを刺したときにレベルが最大になった、魔騎蟲とインセクトイーターの進化だ。
酒精の匂いがする通りを抜け、少し開けた場所へと来た。
そこで俺は進化を念じる。
最初はインセクトイーターの進化先からだ。
この進化先はちょっとワクワクしている。
インセクトイーターの進化先はこうだ、
『「プレデターインセクト」優れた脚力とグライダーのような翅の構造により瞬間的な速度の滑空ができ、素早く捕食対象へと襲い掛かる 食いついたら離さないよう、細かい返しがが付いた歯が口に生えている』
こいつは、凶悪な顔をしたバッタって感じの姿だな。
口にある二対の鋏の内側に小さな返しが獲物に食い込んで逃れにくいようになっている。
口はまんまプレ〇ターだな。
こいつからは、スキル「スプリントキック」を得た。
スプリントキックは蹴りの威力を上げるスキルで、地面をけるときなどに使用されるスキルだ。
逆にライダーキックの様にキック力を上げることにも応用できそうだな。
よし次だ。
『「ジャイアントポイズンモス」巨大な羽から振り撒かれる猛毒の鱗粉は一呼吸で致死量となる 空中へ滞空し地面へと鱗粉を振りまき力尽きた獲物の生き血を啜る 翅は柔軟性に優れているが強度に欠くため常に空中で敵の攻撃が届きにくい場所取りを行う』
こいつは、巨大な蛾だ。
紫色でいかにも毒を持ってますよと言った姿だ。
巨大な翅と比べて体の方は小さく縦に細長い。
滑空には向いていないが空中で自由に飛び回ることが出来る。
俺はしばらく空中での散歩を楽しもうかとも思ったが、オートで毒鱗粉をばらまくらしく、残念ながら空中散歩は断念した。
こいつらは「飛行」「毒鱗粉」のスキルを得られた。
『「スピアモスキート」 音が発生しにくい翅で獲物の後ろへと回り込み、鋭く槍の様に先端がとがった口器を捕食対象に突き刺す 突き刺した口器から細かく鋭い管を複数、対象の内側に突き刺す そこから体液を啜る 感覚認識に優れ、対象が毒を持っていた場合、管の段階で知覚し、自切して切り離し毒牙体内に回るのを防ぐ』
こいつもデカい蚊といった姿をしている。
だがこいつから得られたスキルは二つ。
「無音滞空」「感覚強化」だ。
無音滞空はおいといて、感覚強化!?
こいつは、感覚における認識を強化するスキルで常時発動系スキルだ。
、、、畜生、こんな便利スキルが手に入るんなら、先に進化を済ませてから宴に参加するんだった。
まぁ、今ぐだぐだ言ってても仕方ないし、今後の食事を楽しむことにするかな。
楽しみだなぁ、なんて言ったって数か月ぶりの味を楽しめる食事だぞ!
宴での食事が、、、、、おっと、今言っても仕方ない仕方ない、切り替えるんだ俺!
次だ次!
『「ホークワスプ」 高速で飛行し、空中で獲物を捕食する攻撃的な性格の妖虫族 風を切り、触れただけで薄く切れるほど硬く鋭い二対の翅を操る 臀部にある鋭い針は突き刺すだけでなく麻痺毒、神経毒を注射する』
こいつは蜂だな、それもスズメバチをスマートにしてとげとげさせた感じ。
所々鎧の様に固そうな部分があるが、動きにくいといった印象はない。
手足も長く、かっこいい!
かっこいいのは大事だよ!うん
かぶっていたものを除き、インセクトイーターの進化先は以上だ。
進化先としては、ホークワスプがいいだろう。
かっこいいしな!
ホークワスプからは、スキル回数制限スキル「風切り」と常時発動系スキル「高速飛行」を入手した。
今回分かったことなのだが、飛行できるのは翅があるモンスターだけで、翅がないものは飛行があっても関係ない、同じようにスピアモスキートのように挟むような口がない場合は麻痺牙は発動できない。
スキルを大量に持っているからと言って、現状の進化帯で使用できるスキルと出来ないものをきちんと把握しておく必要があるようだ。
俺がそう考えていると、後ろから誰かが近付いてきた。
カヨだ。
カヨも今回のスケルトン問題でレベルが最大に上がったようで、俺と同じく進化をしに俺の後を追ってきたようだ。
カヨは俺と違い単に利便性だけでなく、形状を気にするようだ。
より人間らしい形状が好みのようだ。
たしかに、この世界に生まれ落ちた当初はそんなことを考えたりしていたが、今ではどうやって生き残るかの方が優先事項となっていたせいで考えてもみなかった。
だが、今後色々な種族とかかわることも多くなるだろう。
言語自体は魔道具で何とかなるが、姿はどうにもならない。
そういや、あのスキルがあったな。
「擬態」まだレベル1で体色を変えて周囲に溶け込みやすくするというものだが、何とか練度を挙げれば、何とかなるかもしれないなぁ。
そう考えていると、カヨが肩に乗せてきた。
そうだった、カヨの進化につきそうという話だったな。
俺がカヨに向き直ると、カヨの進化が始まった。
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