第二十六話 転生したら中二病ですか!?
どうも皆さん、最近ほんと暑くなってきましたね。
なのにもかかわらず、私は風邪をひいてしまいました。
季節の変わり目は体調を崩しやすいので、お気を付けください。
そこを注視するとそこには今しがた横倒しとなったがしゃどくろの眼孔がこちらを向き、その額から血の様に紅い光を放った半身を出す貴族のようなスケルトンの姿をしたものが杖を握っていた。
そいつはこちらを目玉のない眼底で睨み、ケタケタと笑った。
『お前が俺の邪魔をしていた奴か!』
俺はその聞きなれた言語に固まってしまった。
やはりというか、こいつは転生者だった。
それも話し合いでどうにかなるとか思えないほどの敵意をはらんだ視線をこちらへと向けている。
がしゃどくろ本体は未だ動く気配はないが、というよりがしゃどくろの内部から出てきたこいつが本体の方か。
こいつはいまだ、動いてないが何を考えているのだろう。
すると突然の違和感が体を襲った。
これは、、、、鑑定か!?
これでこいつは転生者であり、神から選ばれた候補者、または使途なのだろう。
ダメもとで俺も鑑定はしたが鑑定スキルのステータス閲覧の効果は弾かれてしまった。
わかったのは種族の鑑定結果だけ。
『「嘆きの骸王」骸王は力のある独裁者が革命によって命を失った骸が復讐心から不死族と身を落としたもの 特に魔力の高い魔導国家の独裁者がモンスター化しやすい 生前の高い魔力が怨念や負の魔力のたまり場を吸収することにより、より膨大な魔力を持つ 特に負の魔法、闇、精神、洗脳、死霊魔法の威力は高い 同族の眷属を生み出し指揮をし、立ちふさがる障害を破壊する』
二回目となる俺以外の転生者との邂逅は、圧倒的な敵意によって失敗に終わった。
転生者の骸王は再びケタケタと笑いながら口を開いた。
『わかっただろう? お前と俺との実力の差がな! 俺もお前も神に選ばれた存在! だが俺は、吸血鬼の真祖の神に選ばれた骸の王だ! 同じ転生者でもお前のような妖虫族なんて雑魚種族! 糞虫と王である俺との差は歴然だなぁ?』
『まぁ、そう悲観することはないぞ 俺がお前みたいな雑魚を従えるつもりはないが 安心しろよ お前の加護を俺が奪い、俺の覇道の糧としてやる なーに、俺は選ばれた存在だからな! 選ばれた俺はこの世界を支配するんだ』
、、、何こいつ、さっきまですごい殺気で俺もたじたじだったが口を開けば開くほど、痛々しい雰囲気が出てきて中二病全開になったではないか。
まぁ、たしかにこいつの言っていることは正しい。
俺は個の力では他種族に劣る妖虫族だ。
だが、加護スキルの恩恵で、スキルの数だけは他の転生者には負けていない。
それに奴は自分によって完全に俺を弱者であるとして下に見ていて油断している。
状況確認は高速思考のおかげで一瞬で終わった。
そこまではいい、問題はこいつが言っていた奇妙なことだ。
従えるつもりはないとは、俺とカヨとの関係のことで他の神の候補者、使途を従えると従者となる。
こいつの言った、奪うというワード。
加護を奪うと、こいつは言った。
つまり、こいつの言った加護を奪うとは、従えずに他の神の候補者、使途を殺すかすると、そいつの持っている加護スキルを自分のものに出来るということか。
あの神様、そんなこと一言も言ってなかったぞ!
説明不足じゃないか!
まぁ、今更そんなこと言っていても仕方ないし、今の状況をどうするかが目下の問題だ。
こいつは下半身をがしゃどくろに埋めている。
だが、がしゃどくろの負のエネルギー吸収によるものとは関係はないだろう。
とするとこいつ自身のスキルか。
奴は余裕からか、がしゃどくろの骨から城で王様が座っているような王座を作り出し、そこに座った。
生者への無差別攻撃を行うはずのがしゃどくろが何もせずおとなしくし、構成している体の骨を操って完全に制御しているようだ。
俺は念話でルクレと俺と同じく驚いていたカヨに連絡を取り、考えた策を話した。
こいつはまだなんかぶつぶつと世界を支配するものーだとか、不死のカリスマだとかぶつぶつ言って自分によっている。
俺の合図でルクレとカヨが動いた。
まずは、俺が先方として奴の前に飛び出しブレスを吐き目くらましを食らわせる。
そしてそこに向けてルクレが咆哮砲を放つ。
空気を裂く強烈な咆哮砲が地面をえぐりながら、骸王に向けて射出された。
耳の痛くなるような音を出しながら目くらましのブレスをはねのけ咆哮砲は骸王にぶちあたる。
と思われた瞬間、ガリガリガリと何かが削れるような音を立てながら、ブレスの余波が消えた。
そこには別にこちらの攻撃を気にしないかのように腕を組み余裕の笑みを浮かべるやつの姿があった。
『いい連携だな? 練習でもしていたのか? だが、その攻撃は、さっきがしゃどくろの内部から見せてもらったよ まったくワンパターンな思考しか持ち合わせていないのか? やっぱり雑魚は雑魚だな』
奴が咆哮砲の直撃まえにせり上がってきたがしゃどくろの骨製の壁で壊れるそばから壁が再生し、ルクレの咆哮砲は勢いを殺され続け、奴の骨の壁に完全に防がれてしまったようだ。
奴が壁を解除すると同時にカヨの作り出していた分体が周囲から飛びかかり、同時に水魔法を放つ。
先ほどと同じように、がしゃどくろの骨製の巨大な突撃槍で、魔法を防ぐとともに分体たちを貫き、吹き飛ばした。
『だからわかってるんだって! 頭だけじゃなくて、耳まで悪いみたいだな』
『お見通しだ!』
そう言って手にした杖を逆手に取ると真上に掲げて上から振ってきたカヨの腹部を貫いた。
そう思ったとたんカヨの体は煙が霧散していくように消え去り、奴は杖を真上に掲げたポーズとなった。
奴が霧散した分体に気を取られている隙にカヨが手に持ったロープを奴の体に引っ掛ける。
『こいつまでが囮か!? だがそんなロープすぐにでも引きちぎって、、、、ぐぉおおお!!』
俺らは念話でつながっているため、タイムラグなしに連携が取れる。
こいつは俺を鑑定した際に、転生者のカヨもいたにもかかわらず、俺に対してだけ転生者なんちゃらと講釈を垂れていた。
だから、鑑定でステータスを見ただけでルクレやカヨ、俺のスキルの欄まで見ていないのではないかと考えた。
見ていたら、ブレス攻撃での目つぶし以外に、モンスターテイマーの念話の欄から連携をとって攻撃してくると予測しただろうからな。
俺が奴だったならばスキル欄から読み取れる内容を全て把握して、接近の油断すらしないだろう。
鑑定も、絶対に細かいところまでしっかりと確認する。
こいつの鑑定を怠るような傲慢な性格がこの多重囮作戦の成功へとつながった。
奴はルクレの剛力によって引っ張られ、咆哮砲の余波によって削り取られ脆くなったがしゃどくろの額周りの骨の塊が、奴の体ごと宙を舞い、地面へと叩きつけられる。
俺がブレスを吐いたあとに、糸を重ね合わせて出来た瞬間衝撃に強いロープをカヨが持ち、咆哮砲、分体の水魔法、上からの攻撃、ときて、がしゃどくろの陰から現れたカヨからルクレの怪力による寸分たがわぬ連携でがしゃどくろ引き離すというわけだ。
奴すぐに、冷静さを取り戻し多様だったが、もう遅い。
奴の前には口を開けたルクレの姿が映っていた。
容赦なく咆哮砲が奴に向けて放たれる。
そこにはもうお前の自己陶酔の塊である骨の王座も、お前を守る壁も、敵を貫く槍もないぞ!
咆哮砲は奴の体に直撃し、派手にに弾き飛ばしながら、木々を巻き込んで吹き飛ばしていく。
周囲を更地にしながら咆哮砲は邪魔するものなく奴を粉砕した。
だが、奴はしぶとく上半身のみの身になって生き残っていた。
こいつもしぶといな。
おそろく、俺も持っている魔力障壁のような、魔力を使用し防御を行うスキルだろう。
不死族だから、スタミナ依存の防御スキルは持っていないだろうしな。
魔力の障壁で咆哮砲の勢いに身を任せ、少しでも咆哮砲の衝撃を和らげたようだ。
奴はもう瀕死も同然だが、俺は奴がまだ奥の手を持っているかもしれないと考え、止めを刺すために慎重に近付く。
その時だった、奴が叫んだのは。
『畜生! アーディス! どっかで見てるんだろ? 俺を助けろ!』
まずい、油断せずに奴を注視していたが、ここに来て援軍か!?
俺は急いで奴から距離を取ろうしたが、すでに遅かった。
俺は奴とともに、何もない黒い空間へと飛ばされてしまった。
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