第一話 転生したら虫ですか!?
どうも、桃犬猿雉と申します。
今後ともよろしくお願いします_( _´ω`)_ペショ
週一ペースで投稿していく予定なのでよろしくお願いします(o*。_。)oペコッ
俺は気が付くと暗闇の中にいた。
体を動かそうとしてもなにか壁のようなものがあって自由に動かすことが出来ない。
いったい俺はどうなってしまったのだろうか?
俺は通勤で電車に乗っていたはずだったのだけどな。
体を動かそうと必死にもがいていたら、パキッとひびが入る音がしたのでさらに激しくもがいてみる。
すると、気持ちのいい音を立てて俺をからだの自由を奪っていたであろう壁の一部が剥がれ落ち、ぽっかりと穴ができて光が入ってくる、。
光が眩しい、なぜかその感覚がとても久しぶりのような気がした。
毎朝、いつものように出勤する際にいやと言うほどに浴びていたのに、太陽の光が懐かしく感じるとは不思議だな。
狭い空間から外に出ようと俺は剥がれ落ちた部分へ体を押し当て圧力をかけ脱出を試みる。
穴が開いた後は簡単で、空いた穴からどんどん亀裂が入り、壁は崩れ落ちていった。
そうしてできた壁の穴から俺は這い出た。
その瞬間、そいつは突然起きた。
『おめでとうございます あなたは地球から異世界へと転生しこの世界に生まれ落ちました あなたは我々の希望です 今後とも頑張ってくださいね』
耳からではなく、頭の中から直接人工的な女性の声が響いた。
俺はいきなり地球から異世界に転生したという事実に驚き、固まったが、目の前の光景を見てそれが嘘ではないと信じざるを得なくなった。
見上げるほど空高くに、空想上の生き物が飛んでいたからだ。
そいつは力強く羽ばたきながらも優雅に美しく空を飛んでいた。
俺の知識の中の空想、ドラゴンと呼ばれるその生き物は目の前で実在していた。
CGやドッキリにしては出来すぎているし、目の前の感動は作り物ではないと感じた。
転生したと言われたが自分は勇者としてこの世界に転生させられたのか?
それにしては体の自由が利かないのはおかしい。
人間の赤ん坊でさえ手足を動かすことくらいはできるしそもそもその場合は転生じゃなくて召喚がセオリーだろうな。
そうでなければ、他の生き物、、、、ドラゴン!
そう考えたが、数秒後には俺は落胆する。
先ほど見たドラゴンには手も足もしっかりとあった。
日本などの東洋の竜も足はどうだったか忘れたが、玉を掴んだ腕があったはずだ。
手も足もない、、、蛇かそれ以外の手足のないものと言えば、、、そう思って近くにあった水たまりまで張って移動すると恐る恐るのぞき込む。
信じたくなかったがそこには、縦長のぶよぶよの体に四つの小さな目が付いて、映画に出てくるエイリアンのような横開きの口が付いている、、、、芋虫がいた。
おい、まじかよ。
たしかに虫は苦手じゃないし、むしろ好きな部類に入る。
子供のころはよく虫取りに行って駆け回ったものだ。
中高と生物部に入り、動物の飼育を好んでやってたほで、家にもカブトムシやクワガタなど買っていた時期もあったが、自分が虫になるとは。
昔、虫になっていく外国の本が図書館にあって内容を軽く読んだが、まさか自分が虫になるとは。
特に悪行三昧や大罪を犯したわけでもないのに、なぜか虫になるとは。
三回も同じセリフを吐いたが現実は変わらない。
泣いた、涙は出ないようだが心で泣いた。
しばらく泣きはらす?と後ろから音が聞こえた。
音がするほうを向くと、そこには自分と同じように卵から出てこようとする同胞がいた。
俺も最初はあの丸いつるつるした卵の中にいたのか。
俺はこの孤独な世界に仲間ができたと喜び、卵の殻を壊すのを手伝ってやる。
そうして出てきた同胞はこちらをじっと見つめて動かない。
どこか気分でも悪いのか手を伸ばそうと(手なんてないが)近寄る。
すると同胞は、威嚇するようにキシャァ!と声を発すると、ガパッと口を横に開き、液状のものをこちらに向けてとばしてきた。
俺は驚きながらもゴロゴロと横に転がってそいつをよける。
なんだよ、せっかく卵から出るのを助けてやったのに、用が済んだら捨てるのかよ。
さんざん泣きはらしたと思ったがまた涙が、、、、、
よく見ると、液体は地面に生えていた草を溶かして、地面が露出している。
あの液体は酸か何かなのか、射程はそこまで長くなさそうだし少し離れておこう。
あれほど泣いていたのに(心で)、すっかりたくましくなった精神だと自分でも思う。
待てよ、同胞があの酸を吐けるんだから、俺も吐けるはずだよな。
俺が酸を吐いてみようとしている時にまた音が聞こえたので、そちらに顔を向けると、同胞がもう一つあった卵に体当たりしている。
なんだ、お前も仲間がほしかったんじゃんか、さっきのは照れ隠しか何かだったんだなきっと。
そう思ったのもつかの間、同胞は体当たりで開けた穴に酸の体液を流し込み始めた。
俺の考えが甘かったな、この世界じゃ仲良しこよしは夢なんだって、生き残るには弱肉強食の世界を行かなければいけないんだな。
こうなったら同胞だが、お前は俺の敵だ!
『称号 覚悟を決めたもの を贈ります 今後とも頑張ってください』
誰だかわかんないけど、ありがとさん。
覚悟は決まったぜ、俺はあいつを倒す。
同胞はこちらの様子に気が付いたのか、こちらに向き直りキシャァ!と鳴き声を上げ口を開く。
俺は同胞に近寄るのをやめ、その場に踏みとどまる。
同胞が吐いた体液は俺がいた場所より少し前に落ち地面を裸にする。
ぶっつけ本番だがあれだけ体液を卵に流し込んだんだ、連射は出来まい。
俺は口を開き、喉の奥に力を入れる。
何かが奥から上がってくるのが分かり同胞との距離を詰める。
さらに近づき口から液体を発射する。
俺は体液が出たことにほっとするが、気を抜かず狙い通りに液体が飛んだか見守る。
俺の体液は少し横によれたが同胞の体にかかりジュウジュウと音を立て溶かす。
同胞は口をこちらに向けたが、それよりも早く俺は第二射を放った。
今度は狙い通り、同胞の顔面部分に直撃し、同胞は悶絶し荒ぶるが、俺は止めに第三射目を放つ。
第三射も同胞の体に命中し、同胞は力なく地面へと横たわり動かなくなった。
勝因は単純に知能の差だろう。
俺は転生したおかげで人間並みの頭脳で向こうは虫の知能。
同じ個体でもそれが勝敗を分けた。
『レベルが上がりました レベル2になりました おめでとうございます 最大値5Lvまで頑張ってください』
『スキル 溶解液Lv1 のスキルレベルが2に上がりました おめでとうございます』
『称号 仇討ち を贈ります 今後とも頑張ってください』
『称号 同族殺し を贈ります 今後とも頑張ってください』
おいおいなんだ今のは? ゲームでもレベルが上がったりするけどまさかここはゲームの世界なのか?
それに、最大値5Lv? 5までしか上がらないのか、それともその先にポ○モンのように進化先があるのか気になる点が多い。
というか、同胞の仇を取って称号もらって 同胞を討って称号もらうとかなんだか複雑だな。
そんなこんなでこの後どうするか考えていると、突然あたりが暗くなる。
その正体はすぐに分かった、危機感を感じ近くの木の下まで転がり非難すると、同胞の死骸の上にそれは降り立った。
そいつは見たこともない鳥と獣の中間のような見た目をしていた。
狼の口の部分が嘴で鳥と同様に翼があるが、蝙蝠のように皮膜があり、羽毛はない。
体は毛でおおわれていて、足は鳥と同じで毛がなく、四つの趾がある。
全体的に灰色だが、顔の部分だけは黒い毛でおおわれている。
そいつは、死骸に嘴を突き刺し、死肉を漁っている。
まるでハゲタカのようだと俺は思った(見た目は全然違うが)。
もともとアイツは俺を狙ってではなく死骸のほうへと狙いを定めていたようだ。
俺の中で何かの警告が発せられる。
腹が減った。
そう言えば生まれてから何も食べていない。
アイツが死肉をむさぼるのを見て、余計に食欲がそそられる。
人間だったころはさすがにあの光景を見ても食欲なんてわかなかったが、今は虫だ。
体のつくりが違うのだろう、食欲が掻き立てられるのだ。
幸い狼鳥は食事に夢中でこちらに気が付いていない。
それに奴は皮膜の翼だ。
俺はこっそりと音を立てないよううに忍び足で近づく(足なんてないが)。
そして背後から溶解液を発射する。
溶解液はスキルレベルとやらが上がったせいか狙い通りに狼鳥の片方の翼に命中する。
よし! これで奴は移動を制限されるはずだ。
そう喜んだのもつかの間で、狼鳥はこちらに向かって口を大きく開けて、向かってきた。
走る速度は俺以上で素早い。
しかし、こちらには溶解液がある。
観察した限り、死肉を漁る狼鳥は戦闘能力はそこまで高くないだろう。
空を飛ばれるとまずかったが、それを阻止するために翼をつぶした。
となれば、あいつが口からビームでも吐かない限りはこちらが有利だ。
まぁ、死肉を漁っている時点でそれはないと思うが。
まっすぐにこちらに向かってきた狼鳥の足元に溶解液を発射する。
そのまま奴は、溶解液を踏み痛みからひるみ、勢いそのままに転倒する。
俺はその隙に溶解液を連発する。
溶解液は連続で五回まで吐くことが出来た。
それ以降は溶解液がすぐに出てこなかった。
やはり同胞と同じように何回か溶解液を発射すると、しばらくの間は弾切れになるみたいだな。
狼鳥も力尽きたようだ。
これ、口つけて大丈夫かな?
俺が吐いた溶解液がたんまりついてるし、溶けたりしないかね?
でも、口から溶解液出しても平気だし、体内は酸に対する耐性があるはずだ。
ええい、男は度胸。
俺は口を開いて、溶けかけの狼鳥に食らいついた。
やはり、口の中は酸に対する耐性があったようで、痛みは感じない(痛覚があるのかはわからないが触覚はある)。
味のほうは、、、何もしなかったというか、かなり薄かった。
虫だからか、味覚が弱いのだろうか?
全くないというほどではなく、うっすらと苦みがあったぐらいか。
そうこう考えているうちに狼鳥を完食。
『レベルが上がりました レベル3になりました おめでとうございます 最大値Lv5まで頑張ってください』
『スキル 溶解液Lv2 のスキルレベルが3に上がりました おめでとうございます』
どうやらレベルが上がったようだ、心なしか体が軽くなった気がする。
それに溶解液のスキルレベルも上がったようだ。
なんやかんやでお世話になっている溶解液のスキルだが、俺の生命線ともいえる。
これがなければ、こんな芋虫の俺は生き残れなかっただろう。
とりあえずは、身を隠しつつ、この体で今後も生き抜いていかねば、芋虫に転生したとはいえ、死にたくはないもんな。
その後俺は、生き残るためにいろいろ試した。
溶解液のスキルレベルが上がったことでどう変化したかを試したところ、連射数が6に上がっていて、なおかつ命中精度もよくなり、飛距離が伸びていた。
これはとても喜ばしい事実だ。
次に身体能力で、ためしに俺が入っていた卵の殻に体当たりしたところ一発では無理だったが、三回目には破壊出来た。
少しは強くなったのだろうか? 今後も検証が必要のようだ。
このまま、ここにいたらまた狼鳥のような死骸を食うやつが来るかもしれない。
はやいとこ、移動しなければ。
俺は生まれた場所に別れを告げ、移動を開始する。
その間も俺は、木々の下を選んで進み、空から狙われないように注意を払いつつ、拠点にできそうな場所を探す。
しかし、いくら歩き(足はないので張って移動する)回ってもよさそうな場所は見つからなかった。
仕方がないので大きめの木の幹を溶解液で俺が入れるくらいの穴をあけ、その中をかみ砕いてくり抜き、俺の体を入れても大丈夫なスペースを作る。
『スキル かみ砕くLv1 のスキルを獲得しました おめでとうございます』
どうやら、戦闘で使うだけでなくてもスキルを得ることが出来るようだ。
木は硬かったが、かみ砕くのスキルを得てからは、作業が早くなり、何とか日が沈む前までには完成した。
どうやらかみ砕くは常時発動スキルのようだ。
スキルにもいろいろあるようだが、今のところ俺が持っているスキルは溶解液Lv2とかみ砕くLv1の二つだけなので、それも今後、検証が必要のようだ。
日が沈み、あたりが暗くなった頃、俺は人間だったころを思い出そうとした。
俺は会社勤めのサラリーマンで、いつものように通勤していたはず。
それがどうして、こんな状況にあるのかは覚えていないし、どうしても思い出せない。
もしかしたら、鬱になり自殺でもしたのかもしれないがどう頑張っても思い出すことは叶わなかった。
俺はいつの間にか眠っていたようだ、目を覚ますころには外は明るくなっていた。
俺は外へ出ようとしたが、問題が発生した。
体がつっかえてしまい、外へ出ることが出来なかった。
俺の体が昨日よりも成長したのか大きくなっていたのか、ぎりぎり通れるくらいにあけた穴が通れなくなってしまったのだ。
たしかに、昨日俺は生まれたばかりだった。
レベルも上がったも上がったし、肉を食った。
しかし、体はレベルに関係なく成長するようだ。
俺は穴をかみ砕いて広げ、外に出た。
そして、腹が減ったので食べ物を探して這い回る。
しばらく行くと、地面にキノコが生えていた。
これは食べても大丈夫なのだろうか?
ええい、ままよと一口かじってみる。
味は相変わらずかなり薄かったが、苦みはなくうっすらと渋みが口の中に広がった。
しばらくしても、体に何の異常も見られなかったので、残りを丸かじりして腹に収めていく。
一個だけでは、足りなかったので他に生えて居たキノコを数十個ほど食べる。
腹もいっぱいになり、拠点へと戻ると急に体に痺れが出てきた。
まずい、毒がないと思って食べまくってしまったが、遅効性だったようだ。
拠点まで戻れてよかった。
これが道中だったと思うと目も当てられない。
痺れ始めた体に鞭をうち、穴へと何とか入ることが出来た。
危なかった。
今度からは気を付けなければ。
そうこうしてるうちに日が高く昇るころには、痺れも引き、動けるようになった。
『スキル 麻痺耐性Lv1 のスキルレベルが2に上がりました おめでとうございます』
麻痺が治ると、スキルを得られたようだ、おそらく常時発動スキルだと思う。
それより、もともと麻痺耐性を持っていたのか、だから麻痺が回るのが遅かったのか。
麻痺に耐性があるのなら、毒にも耐性があるのだろうか?
試す気にはならないけどな。
昼を過ぎたが、動いてなかったせいかあまり腹はすいてなかった。
しかし、いざとなったときにばててしまっては困るので食料を探しに行く。
しかし、やはり、見つからない。
困った俺はあの痺れキノコを思い出す。
食べてから痺れるので、その場で食べずに安全な拠点で食べれば大丈夫なのではないかと考え、キノコを一か所に集め横に口を開き加え、拠点へと戻る。
これで緊急の保存食にはなるだろう。
拠点の中へキノコをいれ、自分も中へと入る。
そして、キノコの一つをほおばる。
その後もとってきたキノコの半分を食べるも麻痺耐性もレベルが2に上がったおかげか、体が動かせないほどの麻痺に陥ることもなく少し体がだるくなっただけだった。
麻痺耐性様様である。
『レベルが上がりました レベル4になりました おめでとうございます 最大値5Lvまで頑張ってください』
えっ!? なんかレベルが上がったんだが?
どうやら、キノコは経験値をくれるようだ。
最大値までのこり1となり、最大値になるのももう少し。
それにしても腹も満たせて、経験値ももらえるとはこのキノコは二重の意味でうまみがある、また取ってこなくては。
そう思っていた俺だが、その甘い考えが大変なことになるとは知らずにのんきに昼寝を楽しんでいた。
お読みいただきありがとうございました。
来週の水曜日の夜10時をお楽しみに。




