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人生終わってからの恋  作者: 平間 日和
8/12


大翔は2時に迎えに来た。いつの間にかゆうもいなくなっていた。準備に夢中になっていたから気づかなかったけど。

「お待たせ!」

車から降りて、助手席まで開けてくれる。絵に描いたようなジェントルマン。

付き合って何年もたってもいつもこうしてくれる。


デートは水族館。付き合いたての時、2人で行ったなぁと思い出していた。

「昔、二人できたよね。」

大翔も私と同じことを考えていたみたい。

「うん。イルカショーで大翔に水がいっぱいかかっちゃったんだよね。あれは大笑いしたなー。」

「かっこ悪いとこ思い出さなくていいから!」

「懐かしいね。」

懐かしい、そう思うくらい大翔と付き合って長いんだな。5年ってあっという間のようで長い時間だったんだ。


「はい、コレ。プレゼント!」

イルカのショーも見て、そろそろ帰ろうかという時。

私は、イルカのぬいぐるみストラップが手渡された。

「ありがとう!」

嬉しくて、可愛くてぎゅっとストラップを握った。

「潰れちゃうよ?」

「じゃあ、やめる。その代わり!大翔をぎゅっとしたいよ。」

言うのに多少の勇気が必要な素直な気持ちを伝えてみる。いつもこう言うと、大翔は自分の家へ車を走らせる。

「ごめん、今日はこのあと用事があるんだ。」

「そっかー。最近、忙しいの?」

「うん。ちょっとね。」

この間も帰っちゃったし。大翔、寂しい。その言葉を言っても一緒にいてくれなかったらと考えると言うのが怖い。だから、私は言えない。

「ごめんね。送るよ。」

「うん。ありがとう。」

用事なんだから仕方ない。大翔にも大翔の生活がある。誘ってくれただけ喜ばなきゃ。大翔だって私のことが好き。ポジティブに考えても考えても、私だけが好きなんじゃないかと思ってしまう。その思いが急に溢れて、車からの景色が涙で滲んだ。


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