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人生終わってからの恋  作者: 平間 日和
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「どうしたの?!顔色悪いけど。」

出社をし、エントランスで同僚にかけられた第一声がこれだ。

「そうかな?」

「うん。なんか憑いてるみたい。」

そう、憑いているのだ。私に。幽霊は今、私の真横にいる。

「本当に憑いてたら怖いから、お祓いしてきなよ!」

「じゃあ、週末してくるよ。」


同僚に電話が入ったので、先に行くことにする。エレベーターに乗ると、彼がやってきた。

「おはよう。」

「おはよう。大翔。」

「昨日は本当に大丈夫だったの?」

「大丈夫だよ。心配症だなー!大翔は。」

「なんか、疲れた顔してるよ?」

「ほら!木曜日って一番疲れ溜まるから!」

「そっか。体調には、気を付けて。」

そう言って私の頭を撫でると、彼は自分の課のある階で、エレベーターから降りた。


「さっきの人、誰?」

大翔に気を取られてすっかり幽霊のことを忘れていた。

「彼氏。」

「彼氏いるんだ?でも、好きだよ。あなたのこと。」

「私は好きじゃない。彼氏いるし、そもそも幽霊なんてありえない。」

エレベーターは、私の所属する課の階に止まった。扉が開いて、私と幽霊はエレベーターを降りた。


「仕事に支障が出るから出ていって!と少しキツめに言ったら幽霊は「昼休みまた来るよ。」と言ってどこかへ消えた。案外、簡単に追い払えた。昼休みになった。大翔も仲良しの同僚もいない昼休み。先程、上司に怒られて傷心気味の私はなんだか寂しくて仕方ない。

「彼氏と食べないの?」

本当に幽霊は昼休みに戻ってきた。

「大翔は忙しいの。」

「今朝、話してた子は?」

「あの電話が、彼女のお婆ちゃんの訃報だったらしくて。そのまま、帰っちゃったの。」

「そうなんだ。悲しいね。」

「幽霊に言われてもねぇ。」

幽霊がいなかったら今日はあのまま、一人でお昼を食べていたんだと思う。今日は、幽霊がいてくれて良かったかもしれない。寂しさは完全になくなっていた。私は持参したお弁当を、少し幽霊に分けてみた。パクッと口を開いて卵焼きを噛むけれど卵焼きは減ることは無い。それでも幽霊は「美味しい!」と笑った。良い奴なんだな。世にも不思議な昼休みが終わった。







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