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人生終わってからの恋  作者: 平間 日和
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昨日襲われかけて私は幻覚を見るようになったんだ。きっと。そう言い聞かせて、なんど目を擦っても目の前にいる存在を無視した。

「名前、教えて下さい!」

無視。私には見えない。それを貫けばきっといなくなる。


私は、朝ごはんをいつものように食べ、着替えなどの準備も普段と変わりなく済ませた。不思議と着替えを始めると幽霊の姿は見えなくなった。ほら、無視したらいなくなったじゃない。作戦大成功!私はそれから少ししてからすっきりした気持ちで出勤した。


いつもの道をいつもと同じくらいの時間で歩く。日常の幸せを少し感じた、のもつかの間。

「名前聞いてなかった!名前は?」

幽霊は突然現れた。

「いなくなったんじゃないの!?」

「だって、着替えだしたから。恥ずかしいでしょ。男の前で着替えちゃダメだよー。大胆だなー。」

「塩!置いてあったでしょ?効かないわけ?」

「塩はあんまり効かないよ。美味しくって舐める幽霊だっている。」

それは知らなかった。舐めてるんだ。お清めの塩。だけど、私は幽霊事情に関心してる場合じゃない。幽霊と話し込んでたらいつもより5分も遅れている。乗るべき電車に間に合わない。

「それじゃあ!私、急いでるから!もうくっつかないで!」

「あのさー、言い忘れたけど、人前で僕と喋らない方がいいよ。」

言われて気づいた。周りには幽霊のことは見えていないんだ。視線が痛い。私は昨日の逃げ足と同じくらいの速さで駅へ駆け込んだ。そのスピードと同じくふわふわと幽霊はついてくる。こんなにも疲れる出勤は初めてだ。






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