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知らない方が幸せだったってこういうことか。
今、私の目の前にあるこの光景が嘘であってほしい。ただそれだけを考えていた。
会社からの帰り道。大翔を見つけて声をかけようとついて歩いた。少し距離があってなかなか声の届く距離に行けない。そんな時、大翔がカフェに入っていった。大翔はあまり1人でカフェに行かないタイプなので驚いた。私は中に入らず外からそのカフェを見つめていた。すると、彼は窓際の席に座った。だから、この光景を見てしまうことになる。間もなくして、女の人が現れた。しばらく頼んだ飲み物…コーヒーなのか紅茶なのかを飲んで2人は過ごしていた。時折、楽しそうに話す2人の姿があった。それだけでも辛いのに。
大翔がそっとティーカップを置く。
すると、バッグから何かを取り出している。
それは、指輪の入った箱のようなもの。大翔がそれを開く。もう涙でよく見えなかった。ただその箱の中身が輝きを放っているのだけは分かった。
これ以上は見ていらなれない。




