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ルポライター
「ご、御免なさい。」
気丈な筈の美登の眼から、涙がこぼれた。
「もう、いいよ。帰れ。でも、安心したよ。君は少なくとも良心を持ったレポーターだった。真摯に若者に対していた事が判ったから。」
「・・人は孤独だわ、でも一つだけ聞かせて?今日分かっただけの事で言うけど、貴方程の人物だったら、孤高を気取らずとも、充分世間に通用する筈。何故表に出ないの?」
「俺の根幹に少し触れたか。流石に鋭い。伊達に貴女は多くの人と対して無いな。その答えは・・今度出会う時まで。君が、違う側面からレポートを続けられたら・そう言う事にしよう、じゃあ、今日はパブの誘いを断るよ。だが、3週間後の木曜日の晩、俺はここへ一人で居る。今日のような連中は誰も居ない。町はずれのパブだから、来ても来なくても君の勿論自由さ」




