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あるパブの中で  作者: 白木克之
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とうとう発動

 こんな会話が、まるで冗談のように聞こえていた。

 指示を出したのが、有村・仙波博士であった。

 一方こんな最中?と言うが、優は美登と英一を連れて、広島に来て休暇を満喫していた。又、漁港で例の鍋パーティーをしていたのであった。また、今村もそこに呼ばれて来ていた。

 楽しそうな会話が弾んでいる。瀬戸内の海は最近ではとても綺麗になり、魚も沢山採れるようになったのだと言う。

 西条は相変わらず、日本酒をがんがんやりながら、今村にこんな事を言った。


「ゆうた君と呼んで欲しいと言う事じゃから、ゆう君とゆうた君・・はは。なかなか使い分けも難しい。ところでのう、この海が数年で見違えるようになった。潮の流れもそうじゃけど、今まで見んかった魚種が多いように思う。これには、何か理由があるじゃろかいねえ?」


 今村はにこりと頷き、


「ええ、ありますよ。つまり、日本近海で違法操業を繰り返していた外国の船が居なくなったからです。今では、日本は国内需要が主ですから多くを捕る必要も無くなったでしょう?しかし、以前のように市場の相場がころころ変わる事も無いので、一定の額で引き取られる。一時はそんな事をやれば、猟師は生活が出来なくなる。死活問題だと言っていましたが、いかがですか?」

「いや・・今ほど安定した生活では無かった。以前とは違うよ、確かに」


 漁師達は一斉に頷いた。


「これは、流通システムが大きく変わった事と、冷凍技術の向上で鮮度が保てるお陰でより遠くへ迅速に送れるようになった事や、里山再生プロジェクトもあって、色んな料理の開発や、山間への産直にも送れるようになった事もあります。加工品も様々に開発されて、より消費期限も長く保てるようになった事。そして、国内の経済状況が良くなった事にあると思います。あ・・カタイ話でごめんなさい。どうぞ、飲んで下さい。僕もこれ、雑魚鍋めちゃくちゃ美味しくて堪能していますので」


 ははは・・今村の生真面目で几帳面な性格は分かったし、柔和で人柄の良い事は誰でも分かるから、こうして打ち解けているのだ。美登もフォローを入れている。


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