次のステップ
「あ・・いや、私には判断が出来ない事案だと言う事を申し上げました」
「じゃあ、僕から総理に相談するよ」
さて、ここからが超天才 三木 優の本領発揮だった。もう既に幾つかのシミュレーションは出来ていたのである。優は、正直滝沢は民間に居るべき人間だと思った。このチーム内では、彼は自分の能力を発揮出来ないだろうし、サヴァン症候群の天才型能力は、この奇想天外なプログラムの発想にあると思ったし、これを10名全員が認める所に、やはり優が求める天才達が集結していると言う事だ。又、妻鳥麗華率いる女性が大半であるが、こちらのAI開発チームも優が殆ど主体の特別部門なのだ。
竜胆総理は、優に一任をした。しかし、表立ってこのチームと接触を避けてくれと言う事で、専用回線で妻鳥麗華と優は話をする事に。勿論、プログラムも電送している。
「分析には3日くれる?優兄ちゃん」
「たった3日で良いのかい?麗華」
優は笑いながら言う。
「だって、もう優兄ちゃんの中では、ある程度組み上がっているんでしょ?その無線LAN形式は、遠くに伝達出来ない。だから、傍受の危険性が無い代わりに、膨大な設置量が必要。その先には、やはり巨大な記憶媒体が必要な筈でしょ?分析するのは現在あるAIなのよね。そこは繋がっている話なんだから」
「やっぱり麗華・・話が早いよ」
優は満足そうに頷いた。
麗華は、
「もう少し他の部署の助けも必要なのでは?」
「おっとっと。俺の頭でも追いきれないが、どう言う事?」
「物質である以上、製造したものはいずれ壊れるわ。そして外敵にもやられる。この場合の外敵とは、勿論人為的なものも差すけど、要するにその記憶媒体とは、情報のみを取り入れ、伝達するものでしょう?だから単純で良い訳よね。受信して送信する役目だけなんだから」
「ああ・・そうだけど?」