美登が結婚!
「ところでね?良治君とここは呼ばせて頂こう。どうです?先ほどの金田瑞枝さんは」
「え!どうって・・」
柳社長はにやりとし、
「良治君が見抜いた通りなんですよ。少なくても二人の娘さんは共に才媛であり、語学も堪能。また、本当にこれは女性蔑視ともとれる発言になるが、とても姿態的に見ても非の打ち所の無いお嬢さん達です。ですが、良治君は金田さんを特に見ておられましたよね?」「え・・あの」
「失礼・・こう言う事もここでは、分かってしまうもので。しかし、実は金田瑞枝さんは、本日自分からこの場を申し出て来られたんですよ。つまり、安永良治君と言う男性として対する為にです。いえ・・綺麗ごとは止めましょう。もう貴方にとって伴侶となる方は、これからの自分の地位にとってふさわしい女性が必要でしょう。でもね、好意を持つ事も少なくても重要なんです。私は貴方を観察していたのではなく、そこを見ておりました。つまり、これは政略的でもありますけど・・はは。金田建設㈱は関西における中堅のゼネコンです。これからも大きく伸びるでしょう。そして、この私とも深い繋がりもあります」
「驚いた・・柳社長は、そこまで計略を?」
「何の何の・・違いますよ。男女の事は、傍からどう言っても簡単にくっつけるものではありませんよ。たまたまですので」
「たまたま・・ふ・・でも、彼女とは話をして見たいな・・今は失恋した直後なので、冷静な判断が出来ないかも知れないけど・・」
こうして、パーティーは、一志の横に三村、良治の横に金田が同席する事で、まるで夫婦のように周囲は見えた事だった。その席上には三木 優も、既に三木姓になった美登も居なかった。しかし、西条がすぐ二人の近くで色んな事を話してくれた。
間もなく、安永良治は、金田瑞枝と結婚する事になる。また、一志こそ、恋愛感情はこちらこそ無縁だが、優秀な秘書として三村京子を雇用する事になる。そして三村興産は山井グループに加入する事になって行くのだった。
美登がどうしているかは、次章にて
*ここから現実から遊離して行きます 『あるパブの中では』から『ルポライター』編を経て、SF的な展開に移行して行きます