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ルポライター
パンクの少女が同調した。
「何のつもりかどうか、とにかくこの人の言う事を聞いてからにしてやれよ。」
静かな口調で吉成は言ったが、この狂気の集団の中にあって、彼が更に特異な男である様に
見受けられた。
一体?・・美登は、完全にこの空気の中で自分を見失っていた。モヒカン男は眼をつり上げ、
「命令け?俺に命令すんのけ?カズ!」
「ああ、そうだよ源太。それに文句があるのか?」
場の空気が凍り付いた。二人を中心に視線が集中した。源太と言うモヒカン頭の迫力と、吉
成の威圧する眼光・・美登もただこの時一人の傍観者でしか無かった。




