表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あるパブの中で  作者: 白木克之
708/803

新章 西条との再会から・・

「妻鳥 環さんは、永井さんが研究されたのが先。しかし、その論文を盗用した形で修正して新に論文を書いたのが島先生と断言したわ。そこに三木未優さんも丁度、四国に大きなロボット製造工場建造の事で来ていたので、今度は一緒に夜食を取ろうと言われて、びっくりするやら、何やらで・・だって、お二人共貴女も知ったでしょうけど、とんでもない才女達ですものね。今は65歳、63歳となられて、息子さんや娘さんがあらゆる事業の指揮を取られているけど、凄い女傑で何度もTVや雑誌で取り上げられていて、著作も多い方達なのだから。私なんて博士号こそ取得していても、名も無き助教授だった頃ですもんね」

「いえ・・永井さんに初めて会った時、私は信念があって、自分と言うものをお持ちの方だと思いました。貴女こそ学者であると思うの。初めて私もこんな話になったから言いますが、島先生の知識は素晴らしいけれど、どこか教序的・・人間味の感じない部分がずっと心にあったの。しかし、永井さんはジェイ夫人との鉱物談義や、逸見さんの曲にも心から自然的な評価もしたし、好きなものは好きと素直に感情表現も出来る。私ね、三木未優さんにもそのポーカーフェイスで、無表情ながら端正なお顔の中でも、特に澄み切った眼を見て思ったの。ああ・・この方は心底信用出来る女性だと。そこに邪念等一切無いのよね」

「あ・・そこが同感部分。それは、美登さん、貴女からも感じるものでもある」


 永井は、にこっと笑った。もう二人には確かな信頼関係が出来ていたのだ。


「美登さん、でもね、島先生は怖い方でもある。これからどうするの?」


 永井はその会食の話をする前に、こう聞いた。美登はにこりとして、


「うふふ・・その事なんだけど、三木未優さんが主催するシンポジウムで、島先生の経済学の講座があるの、三木未優さんが飛び入りでその講座の討論会に参加するそうよ、永井さん」

「もう・・そんな動きになっているの。実はね、先ごろ竜胆総理が学術会議で島グループと称される6人を不認定したの。前代未聞の事と大騒ぎをしているけど、あのリークをしたのも島グループなのよ。島ネットワークと言っても、はっきり言うわ。敵対する派閥の非を徹底につき排除するの。そして、学内にその自分の息のかかった者を配置する。そんなネットワークでもある訳よ」

「知っていたわ」

「え・・」


 美登があっさり肯定したので、永井は少し驚いたようだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ