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ルポライター
「何い!ぶっ殺してまうぞっ、おお、こらあっ!」
パンクのモヒカン頭が関西弁で怒鳴った。
美登は身震いした。本当に殺されそうな気がした。
入れ墨の少女が言った。
「あれ?こいつ・確か・・美登とか言う女じゃん」
「あ・・ああ、ル、ルポライターの美、美登だ」
視線が一斉に異様に、美登に向けられた。明らかに敵意だ。それは、美登が初めて遭遇する
異種の若者達の視線だった。
「何しにきやがった。この・*メンタが・おい、カメラ叩き壊してまえっ!」
「や、止めて!」
*関西では少し乱暴な言葉の形容で女性を指す。




