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あるパブの中で  作者: 白木克之
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そして、美登は・・

「あはは・・全くです。その通りで動いております。でも、美登さんには更に第三のネットワークにあるし、三人会の奥様方とも交流も続いているのでしょう?先日浜田夫人と会いました。欧州に製造拠点を3つ持つようです。そこのシステムの一部を受注しました」

「流石に浜田さんの企業は、先見性もあり、行動も素早いですね。安永さんの所も、政府筋に相当なネットワークを構築しているようです。特にフランス政府とイギリス政府には強力なコネクションもあるようですし」

「ふ・・考える事は同じだ。このバカげた侵略戦争なるものは、あと数年続くでしょう。しかし、その時に、西側、東側と言う思想的な敵対関係は、実は経済を切り離しては成り行かないのが、現実の世界ですから、どこでどう折り合いをつけるかと言う事は、もう既に始まっていますからね」

「柳社長は、何年続くと思われますか?日本は、それまでドイツにも抜かれてGNPが第4位に落ちております。インドにも抜かれるでしょうし、現政権も転覆するかも知れません。いえ、むしろもう少し再編した方が、良いと私も思っております」

「美登さん・・それは、貴女が言ってはなりませんよ?」



 柳社長の眼が少し厳しくなった。


「その先に言われる事は理解します。しかし、表面的な政治、政府の奥にはこの侵略戦争の名を借りた武器商人や、裏のネットワークの存在があります。竜胆は、そこにメスを入れようとしております。しかし、それは簡単には行きませんよね」

「そこまで言われた貴女ですから・・もう少し久しぶりにお会いしたので、もう少し場所を変えてご案内する所、者がおります。構いませんか?お時間はありますか?」

「はい・・」


 美登は、その言葉に従う事にした。

 美登は、もはやこの流れには逆らえない事を分かっていた。どんどん深みに入って行く。柳も恐らく、美登にはもっと表に出て今のルポライターとしての彼女を応援もしたかったし、側面援助もして来た。何より、柳と美登は男女、年齢差を超えて特別な繋がりが構築されていた。これ程逆に見れば、危険な男は居ないだろう。しかし、世の中には凄い者達が居る。島を筆頭にとんでもない才能を持ち、かつ元老制度や旧華族的仕組みが現存する日本の歴史的背景を見つめている者が居る。中には極端な革命主義者も居る中で、経済と政治は切り離す事が出来ないと柳は断言しているし、美登もそれは十二分に分かっている。しかし、その奥へは踏み込むべきでは無いと、良治も柳も止めているのだ。今度は、柳社長が今や秘書的役目を担っている玲奈を同行したので、少し驚いた。彼女は多く語る事は無かったが、現彼女を見てもその精巧なマスクは、顔認証でも分かるまい。そして、美登には彼女のある特徴が分かるので、判断出来たが・・一発で美登に指摘された事に驚いた様子であった。


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