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あるパブの中で  作者: 白木克之
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第五部 その1動く・・

「知らないみたいね。まあ、良治さんが今では河原崎陣営に関わっていない事を承知で私も言うのだけれど、政治資金パーティーの資金還流があるのよ。勿論これは、一つの還流方式ではあるけれど、丁度今は確定申告の時期、とんでも無い事になると思わない?戦争は勿論対岸の火事では無いわ。でも、私が現地に飛ぶ事は無い。安心して。でも、派閥の争いと言うよりもこの国が大きく揺れるわ。これが、貴方への友情に答える返答」

「わ・・分かった・・美登さん、礼を言う。しかし、これは政権党の膿でもあるよなあ。あ・・そうか。美登さんの狙いは・・元老の目論見を潰す事」


 良治は電話を切った。これは一志にも言っていない。美登の身辺を心配する良治に対する、美登のこれは返礼だった。

 そして、国民の怒りが爆発した。勿論竜胆がその火を浴びない事は無い。だが、一番叩かれたのは前総理を出した、河原崎の派閥であった。殆どがこの派閥による政治資金パーティーの所謂裏金である。河原崎陣営は幹部が悉く叩かれる事になる。しかも、今戦争が始まっており、日本も日米同盟と聞こえは良いが、戦争を維持せんがための国費を投入せざるを得ないのだ。加えて政権党の金券体質は何も変わっていないじゃないかと言う、物価高、賃金が上がらぬ国民の怒りが爆発しようとしている。しかし、それは分かっていた事では無いのか?選挙には金が掛かる。政治資金パーティーは地方に金を配る合理的なシステムと位置づけ、自分達の至福を肥やし、派閥メンバーを増やす。数の論理こそ全てとこれまでの慣行を継続しただけでは無いか。革新党に一時は変わった。しかし、無知で何も出来ない理論だけの美辞麗句だけを論じる、政権を担う能力など全く無かった。故にこの政権党に戻り、少しは間違っては居るがインフレに向かわす事で、一時的に経済を救った。つまり、公共事業と言う箱物を増やす為に、一部の元老達に利益を与える為でもある。美登達は、もう良治等と比肩するべきも無い情報を各分野で掴んでいたのである。

 もう少しやり取りした中での会話を紹介する。


「今回は逆に俺が情報を貰ったようで感謝する。その上で俺は全力で竜胆総理の支援をする。安心して、美登さん」

「有難う。心強いわ。私の活動とは政治とは無関係とは言え、この国内において政治を抜きには語れないし、結局評論家の道を行くしかなくなる。どんな美辞麗句を並べても、どんな完璧とも思える理想を並べ立てても、実践が無い方策は小説と同じ。理想論なのよ、先に宗教家に指摘した言葉がそのまま戻って来る」


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