表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あるパブの中で  作者: 白木克之
670/803

第五部 登壇の巻

「説く・・それが宗教的活動の意義ですか?今、私がお聞きした社会情勢をどう思われるか?のお答えにはなっていませんわ。貴女の宗教家としての活動を聞く場ではありませんけど、今のお言葉こそ、それって、一つの狭義のものになりませんか?一方的にご自身の信条を伝えるだけのものにならないでしょうか」

「あの!とても心外な言葉に聞こえますが?私の宗教はそんな安っぽいものでは決してありません。そもそも・・」


 美登は反論させず、切り捨てた。


「重ねて申し上げますが、貴女の宗教観を聞く場ではありませんよ?その場で今聞こえて来る様々な不満、不安、抱える問題等。どう考えているかと言う事を聞いているのです。では、貴女はその聞く場を提供していると言う事なのですか?」

「だから、そう言う活動を通して、心の病を取り除こうとしているのです」

「いえいえ・・聞くと言う事をされておられますか?と言う問いです」

「勿論聞くと言う事と、それが悩みなり、解決出来ない事を相談する場ですから」

「聞く・・と言う事を主体としておられるのですね?」

「それは、主体では無く、まず間違った考えを正しい方向に導いてあげる為にです」

「正しい?それは、貴女の御信条である宗教感によるものとして?」

「今申し上げた宗教活動こそが、その場ですが」

「いえ、違います。そのテーマを主題にした場では無いですよね?貴女の宗教観を説法する場と、今の議論は違うと言う事を申し上げているのです」


 美登は、どんどんと切り込んでいく。こう言う手法なのだ。


「良し、これでは討論会にならないな。美登さんに3人とも隙間なく攻め込まれて行くし、彼らでは役不足だよ。反論する事も出来ていない。よし、俺も参加する」


 良治は近くに居たようだ。このやりとりを聞き、腰を上げるのだった。


「だから、重ねて、布教活動が今の実践内容とお答えしているんです」

「あの・・本日のテーマに沿って私は第一の問題提起をしております。秋山さんは、法改正をするべきだと仰った。憲法学者でもあられるのならば、どう言う具体的な法整備や、ご方便をお持ちか、或いは執筆活動をなさっておられるか、学識者の会議であるとか、TV、ラジオ等の媒体、著作、講演等・・この事についてご自身の言葉が著作にあるのかをお聞きしました。会場の皆様、いかがですか?登壇者様達にその答えがありますか?今の会話の中で」


 美登が会場に質問をぶつけた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ