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あるパブの中で  作者: 白木克之
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ルポライター

 そして・吉成は突然そのビルに消えた。距離を置いた所で見ていた美登は、小走りに近づく。廃屋のビルは赤錆びたシャッターに閉ざされ、完全に人を拒絶していたが、地下に通じる鉄の扉がそこにあった。美登は迷った。女の身一つでそこへ飛び込む勇気は流石に無かったのだ。 その時、美登の腕が突然捕まれた。


「きゃあーっ・」


 美登は思わず声をあげた。


「あ・・貴方なの・」


 吉成であった。震える声で彼女は言った。心臓が止まりそうな驚きだった。


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