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あるパブの中で  作者: 白木克之
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ルポライター

 吉成は一度も振り返らず、何時もそう歩いている様に大股な、男の足で歩いて行く。・・この、暑いコンクリートだらけの街を・。無駄かも知れない・・滴り落ちる汗を何度も拭いながら、彼女は思った。吉成は裏街に入った。昼間でも薄暗く、黴のすえた匂いのする裏通りだ。スラム?それがその本質?美登は否定した。やがて、古ぼけた廃屋のビルの前で吉成は立ちどまった。 5分、10分・・吉成は立ち止まったまま動かない。美登の額からは汗が滴り落ちていた。


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