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ルポライター
美登の憤慨がそのまま言葉に出ていた。
初対面の、それもこれ程無礼極まり無い男を、信用しろと言うほうが無理だ。自信過剰か、或いは気を曵くための演出か、どちらにしてもすんなり聞けることでは無かった。
「信用出来ないか・・まあ、俺だって普通の方法で、理解してもらえるとは思っていないよ。けどさ、所詮は、それだけの薄っぺらな記事しか書けない貴女はレポーターなんだろうよ。見栄えの良い典型的な今風の若者を捕まえて、俺に聞いたようにファッションや、音楽、行動範囲など、表面的なものしか見ないと俺は思っているから。でも、それじゃあ、俺はレポートに対して、同じ視点しか見る事が出来無い。じゃあもう、いいよ。帰ってくれ」




