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あるパブの中で  作者: 白木克之
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出会い

「改めて先程からの無礼をお詫びします。どうもかなり酔っている様だ」


 幾分女の機嫌は収まった様で、微笑むと、


「由利子です。あ・・」


 言いかけて女は口を噤んだ。それが彼女の本名か、或いは偽名なのか、それを詮索する気はなかったが、男は微笑み、


 「加藤です。ところで?由利子さん、ジャズはお好きですか?」

 「え・・ええ。学生時代からジャズ喫茶に入り浸りだったわ。ここのお店もセンスがいいわね。ビル・エヴァンスは私も大好きよ」


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