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出会い
「彼はカメラマンを目指し、私はデザイナーを夢見ていたの。そして、卒業・・。私達は同棲。貧乏な生活が始まった・でも、私達の夢なんか、厳しい現実の前では、遥かに遠くて。・・それでも、何もかもが楽しかった。月末になってお米を買うお金も無いときもあったわ・・私は少しでも収入の多い働き口を転々としたの。彼の収入は殆ど写真の器材に化けて、その度に喧嘩なんかもしょっちゅうしたっけ。学生時代の延長見たいな生活だったのね、・そして私は妊娠。その頃から何かが変わり始めていたの。そう・・恋人なんかじゃなく、生活と言うその重い現実が目の前に立ちはだかる事になる訳。・・・」




