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出会い
由利子の持つ心の内面と、加藤が苦しむその何かがが共通しているかのように思えた。
ふうーっ・・と加藤は息をついてから言い出した。
「言いかけた事だ。聞いて下さい。つまり、妹の結婚は世間で言う不倫と言うやつです。・その結果だ。」
「まあ・・」
加藤の苦悩が由利子にも理解出来た。
「相手の男は妹の会社の部長。重役コースにもうすぐ手の届くエリートだった」
「・・つまり、妹さんは弄ばれたのだ、と?」
「それなら・・それならば諦めもついただろう。そんなんじゃないから、俺は。・・」