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出会い
「貴方は父親の心境で彼女を送り出したんじゃなかったの?」
「そうできたら・もし、そうであったのなら・・俺にとっては幸福なことであっただろうなあ・」
「・・・・・・」
加藤は、残りのジンを飲み干すと、又ジンをグラスに注ぐ。
「そんな飲み方をしちゃ、体に悪いわ・」
優しく言う由利子に、加藤も、
「済みません、こんな話ばかり・・気を悪くされたでしょう?」
「いいえ、今宵の出会いと、ここの雰囲気そうさせているのでしょう。誰にも閉じこめておくことが我慢できなくてお酒を飲む事もある、大声で叫びたいこともある。今の私もそういう気分なの・・」