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ルポライター
美登が吉成の心の中を看破していた。
「うん、正直に言うが、実際面と向かって話をするまではそう思っていた。けど、美登さんは違った。それは謝るよ」
「良いのよ。もうそんな事どうでも良いの。けど、貴方は未だ私に言っていない事がある」
吉成は顔をあげた。美登は鋭い感性の持ち主だ。それはやはり同じ父の血を引く者としてのものか・・隠す必要は確かにもう何も無いように思われたが・・
「つまり・・秘密結社的組織の事だね」
「そう・・貴方が私に何を求めているかも含めて、まさか竜胆を追い詰める事が目的では無い筈よ」