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ルポライター
美登の眼はもう先刻の怒りからは、表情が変化していた。
「長い話になる・・聞いてくれる事を感謝し、後は美登さんに任せる。拒否される事は最初から承知の上だから」
「ええ・・」
吉成がこの流れを訥々と喋り始めた。長い夜になりそうだ。美登は何度もジンを口に運ぶ。しかし、なかなか酔う事は出来ない。
「俺と、美登さんの関係・・言った筈だ。俺がその事を知ったのは、大学2年生の時だった。親父も政治をやっていたから、色んな人が家に出入りもしていた。その中で、影のドンと呼ばれたX氏の繋がりもあったんだ」