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ルポライター
え・?と美登は思った。吉成と二人きりで話をするために今宵は会っているのでは無いか?身勝手な予想外の成り行き、吉成のペースに再び引きずられている自分が、少し再び腹立たしくなった彼女だった。だが・・その表情を吉成は読んでいた。
「怒らないでくれ。でも、もう来てるんだよ。ここへ」
「え?じゃあ・・」
確かにカウンターで、中年の男が一人マスターと話をしながら飲んでいた。つまり、美登が自分がOKを出したのだ。否やを言う段階では無かった。
すぐ、美登達のテーブルにその男が移動し、そして座った。