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あるパブの中で  作者: 白木克之
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出会い

 加藤のその笑顔に、由利子は彼自身に心許せる何かを感じ始めていた。


「・・何か理由がありそうね」


 由利子の問いに加藤は答えなかった。

 曲はオスカーピーターソンのアクション、更にレッド・ガーランドのグルーピー、トミー・フラナガントリオのオーバーシーズと、ピアノ中心の名曲が続いた。ほろ苦いジンの匂いと酔い、言葉はいらなかった。

 そして、加藤が聞いた。


「ところで・・?貴女はモデルですか?」

「え、ええ・・まあ、そんなところね。原宿でハウスマヌカンをやっているの」




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