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ルポライター
美登が口に運んでいたコップをテーブルの上に置いた。
「まさかこんな話になるとも、またするつもりも無かったんだ。実は」
「まあ、言いたくない事は聞かない。私にとって所詮関係の無い話ではあるから」
勿論そうだった。美登が聞きたい事はもっともっとあるのだろう。吉成は少し考えるそぶりをしながら、こう切り出した。ただし、いきなり吉成は、その接点が加藤と言う人物と美登がある事を知っているような口調で話をし出したのだ。何かピンと彼女は来ていた。
「ある夜・・このパブで、その加藤さんと女性が出会ったんだ」




