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第1章 プロローグ

 ◇




 血の海に沈むとは、まさしくこの事だろう。


 そう言い切ってしまえるような状況に、少年は陥っていた。


 ペンキをぶちまけたような赤の中に寝転がり、手足を力なく投げ出している。


 身体がピクリとも動かない。


 痛みなどとっくに感じない。


 今、呼吸が出来ているのかも分からないし、鼓動の音も聞こえない。


 混濁していく意識。


 寒いのか? 暑いのか? 明るいのか? 暗いのか?


 もはやそれすらも理解出来ない。


 分かるのは、全身から失われていく血と熱と、その後に訪れるであろう結末だけだ。


 死ぬ。おそらく、もう間もなく。

 それは、既に避けようのない段階まできている。


 ここまできて、奇跡の一つでも起きて生き残れるなどとは思っていない。

 少年は、ここで死ぬだろう。


 少年自身も、それは理解できていた。


「――!!」


 ふいに、声が聞こえた。


 誰の声かは、すぐに分かった。


 視界に映る、声の主。


 少年は――。




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