【初】依頼受注!
「早速ですが…。何か依頼を受けてみませんか?」
青年は机の下から、紙がたくさん挟まったファイルのようなものを取り出して言った。
「…受けてみます…!」
「了解です!」
ブルームが少し考えてから答えると、青年はファイルをペラペラとめくっていく。
「初心者におすすめなのはこの辺の依頼ですかね…。」
青年は目当てのページを見つけると、ファイルをブルームの方へ向ける。
そのページには、薬草採取、下級モンスターの討伐などの依頼が挟まれていた。どれも冒険者なら一度は経験するような王道の依頼で、高ランクになっていっても似たような依頼がたくさんある。
「この依頼を受けさせてください」
ブルームは『薬草採取✕10』と書かれた紙を指さして言った。
実はブルームは孤児院にいたときに仲間たちと薬草採取をしたことがあった。そのため、ブルームは薬草の特徴や生息地を知っている。
「薬草採取✕10ですね!
それではこちらにサインをお願いします」
青年はファイルから依頼のページを切り取り、再びブルームにペンを渡す。
ブルームは受け取ったペンで名前を書いていく。
ギルドでは、受注者が依頼用紙にサインを書き、サイン部分を切り取り、ギルドで保存することになっている。
この紙は、誰がいつどんな依頼を受けたかを記録し、ギルドランクをつけるときに使う。
また、依頼を受注してから一定期間以上経つと、その依頼は失敗扱いになる。ちなみに、時間は依頼によって変わる。
「はい。これにて受注完了です!
いってらっしゃいませ!」
「えっと…、確かこれだったよね!」
ブルームは手袋をはめ、街の外の草原で一本の緑色の草を手に取る。
草の中には毒素の含まれる草もあり、薬草採取に手袋は必須。この街の近くにはあまり毒のある草は生えていないが、稀に突然変異で生えてくることもあるため、注意する必要がある。
「この形…。うん、あってるはず!」
ブルームはあらかじめ持ってきていた、30✕30cmほどの巾着に薬草を入れる。
「あとは…。これもかな!」
さらに近くにあった小さめな薬草や、一回り大きな薬草も巾着にどんどん詰めていく。
「これは、もしかして聖薬草じゃない…?」
ブルームは目を輝かせながら1枚の葉を見つめ、手に取った。ブルームが手に取った草は薬草よりも二回りほど大きく、葉先が丸くなっている。
聖薬草は少し珍しい植物で、薬草よりも強い回復効果があり、一部の病気も治せるという代物。しかし、生息本数が少なめで、普通の薬草にも似ているため見つけにくい。
「ラッキー!
薬草の方も順調だし、早めに帰って…、薬草納品して…、お金もらって…、何か食べ物買おっと。」
ブルームはそういいながらルンルンで草原を駆け回った。




