冒険者ギルド
「…やってみないとわからないよね…!」
震える声でそう呟くのは、ブルーム・チェイス。
この国の学校を卒業したばかりの少女だ。
彼女は今日、この世界の人々の成人年齢である、15歳の誕生日を迎える。この世界では基本的に15歳から成人とみなされ、親の同意無しで働くことができるようになる。
「スゥ〜〜…。ハァ〜〜…。」
ブルームは大きく深呼吸。
彼女が居るのはギルドと呼ばれる、事務所ような建物の前。ブルームがいるこのギルドは『冒険者ギルド』と呼ばれていてそこそこの人数が出入りしている。
「よし!」
ブルームは覚悟を決めて、ギルドの大きくて重い扉を開けた。
「す、すごい……」
ギルドの中に入ったブルームは目をキョロキョロ。
手前には、椅子と机がいくつか並んだ休憩場所。休憩場所の右奥にはもくもくと煙が立ち上る食事処、左奥にはアイテムショップ…。
なかでも特に目立つのは、正面にある受付。数人のスタッフ、その隣にはたくさんの紙が貼られた掲示板…。どれも孤児院育ちのブルームにとっては初めて目にするものだった。
「ギルド登録希望の方はこちらです!」
受付では手が空いていそうな一人の青年が呼び込みを行っている。
「ギルド登録お願いできますか!」
「分かりました!! では、こちらの書類を…」
ブルームが声を掛けると、青年は笑顔で1枚の書類と黒ペンを渡した。書類には、名前欄、登録職業欄と冒険者ギルドのルールや決まり事などが書いてある。
ブルームは一文一文読んでいき、名前を書いた。
「えっと…、職業って……」
「職業はあなたが登録する職業です!
あとから変更できるので、無い場合は戦士にすることをお勧めします」
「ありがとうございます!」
ブルームはお礼を言うと、ペンを走らせる。
「じゃあ、これでお願いします!」
「はい、承りました。手帳を作成するので、少々お待ちください」
青年は紙を持って受付の奥の部屋へ行った。
ブルームは改めてギルドの中を見回す。ギルドにはたくさんの人がいる。それぞれ掲示板を眺めたり、休憩場所で談笑していたり…。魔法使いのような格好の女性、ガタイのいい男性、小柄で不思議な武器を持った人もいる。
「お待たせしました! こちらが冒険者手帳です。」
帰ってきた青年はブルームに手のひらサイズの手帳を渡す。
「こちらにはあなたの職業、ギルドランクなどが書いてあります。モンスターを倒した場合の討伐証明書もそちらに保存するので、紛失しないでくださいね。」
「ありがとうございます!」
ブルームは手帳を受け取りお礼を言う。
「それでは、これにて登録完了なのですが、質問はありますか?」
「えっと…ギルドランクってどういうものですか?」
ブルームは先ほどの手帳についての説明で気になっていたことを聞く。
「ギルドランクですね! ギルドランクは、冒険者ギルドにおけるランクで、依頼をこなすと少しつづ上がっていきます。また、ランクによって同時に受けられる依頼の数が増え、高ランクの依頼が受けられるようになったりします。」
青年は、ギルドランクについて丁寧に説明した。
「ありがとうございます!!」
ブルームは青年へ深々と頭を下げた。
「早速ですが…。何か依頼を受けてみませんか?」




