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私の能力は『以心伝心』全部丸聞こえですわ。【第1章100話完結済】  作者: 黒砂 無糖
初めての学園生活

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これからどうする? 

久しぶりの更新です。


「せっかくだから、3人でサロンでお茶でもしていきましょうか?」


 アズ兄様とリリお姉様を見送った後、先に戻っていたヘルグ兄様とサロンで落ち合った。


「なんか、凄い事になってたな?」


 アズ兄様は、疲れてぐったりしたヘルグ兄様を見ながら、さっきまでのドタバタを思い出してソファで脱力しながら私に質問した。


「ティト、結局リリは、なんで最近王子を避けていたんだ?」


 二人には説明する間もなかったから、部屋に来るなり急に巻き込まれて、混乱していた。


「リリお姉様、ただ恥ずかしかったみたい」


 二人は意味がわからず、更に困惑顔になった。


「恥ずかしいって……今更なんで?」


 アズ兄様は、意味がわからず理解不能なのか、助けを求めてヘルグ兄様を見た。


「乙女心ってやつか?」


 ヘルグ兄様は、私に確認してきた。


「まあ、そんなところです」


 本来なら、他人の気持ちなど周りに言うべきではないけど……


 ——ただ、リリお姉様の場合は別だ。


 思い合っている王子とリリお姉様が一緒になれば、いずれこの国の中心となる存在だわ。


 ユング王子の臣下である二人には、きちんとリリお姉様を理解してもらった方がいい。



 私はリリお姉様の心を、二人に話した。



「なんだ、あの二人お互いに思い合っていたのか……ユングの片想いじゃなかったんだな」


 アズ兄様、なんでちょっと面白くない顔をしているのでしょうか?


「ほらやっぱり、心配しなくて良かった」


 ヘルグ兄様は、気付いていたようだけど、


「ヘルグ兄様、心配は必要でしたよ。あのままだとリリお姉様、全くおかしな方向に向かっていたので」


 今日、捕まえられて良かったわ。


「おかしな方向って?」


 アズ兄様が、どうおかしいのかに興味を持ったようだ。


「あのまま放置したら、リリお姉様は完全に嫌われるための行動をしたか、王子の前から存在を消した事でしょうね」


 ——極端すぎてこちらが驚くわ。


「リリ様は、そんなに拗らせていたのか」


 ヘルグ兄様は、想像して頭を抱えた。


「でも、今日の王子は正解を引いたと思いますよ? 婚約するのが可能なら、さっさとリリお姉様を射止めて欲しいです」


 そうすれば、ちょっとはリリお姉様も楽になるはずよね。


「リリの気持ちがユングに向いてると知れば、ユングはすぐ動くだろう。今まで片想いだと思ってたから、ユングは遠慮していたんだ」


 リリお姉様があの態度だし、仕方がないか。


 アズ兄様は王子が動くと言うけれど……


「でも、ユング王子も慌てていたから、リリお姉様の気持ちは伝わってないのでは?」


 このままだと、二人は余計に拗れそう。


「いや、それなら大丈夫だ。ティトがリリ様の気持ちを聞いてくれたから、後は俺とアズールでなんとかなる」


 ヘルグ兄様は、何か考えがあるのだろうか?


「そうだな、今日の状態を見て、ヘルグの勘と言っておけば、ユングは動くだろう」


 アズ兄様が言うのだから、そうなのかな?


「できれば、王子にはリリお姉様を揶揄ったりせず、優しく接して欲しいです。本来可愛らしい方よ。令嬢として接すれば優しいはずです」


 無駄に絡むから、ややこしかったのよ。


「ユングは教育しておく。まあ、今までリリ様に構われたかっただけだから、気持ちが伝われば、ユングはちゃんと王子らしくなるはずだ」


 アズ兄様の言葉に、ヘルグ兄様が深く頷いている。二人が同じ考えなら、リリお姉様の事はもう安心ね?


「ティト、あの二人は心配しなくても、もう大丈夫だよ。それより、明日休みだろ、一緒に勇者資料館に色々調べにいかないか?」


 ヘルグ兄様は、試験期間が終わったら勇者資料館へ一緒に行こうと言っていた。


 ——明日?急ですわね。


 ヘルグ兄様が明日だと言うのだから、急だけど……誰かに会えるんだろうな。


「いいですね。丁度明日は、一日中予定が空いてるし、前から気になっていたの」


 貴族令嬢の約束の仕方だと、本来ならずいぶん先になってしまうけど、ソフィアがなんとかしてくれるでしょう。


「それ、俺も参加したいんだが?」


 アズ兄様が、横から参加をしてきた。


「何いってるんだよ? お前は行くだろ」


 ヘルグ兄様は、最初からアズ兄様も一緒に行くつもりだったようだ。


「アズ兄様、お時間は大丈夫ですか?」


 余りにも急な予定だけど、アズ兄様は何か都合があったのではないかしら?


 二人から畳み掛けるように言葉が出てきて、アズ兄様は少し引いていた。


「……そうか、いや、予定は大丈夫だ」


 アズ兄様も、一緒に行けるらしい。


「一緒にお出かけなんて、お買い物以外には初めてですね」


 内容はともあれ、楽しみになって来たわ。


「そうだね、ティトてなアズールと行くのは、今までは、ツァオバライ商会だったし」


 お買い物も楽しいけど、違う場所に行くのは新鮮だわ。


「ヘルグ、気をつけろよ。王子にバレたらついてくるぞ」


 アズ兄様がヘルグ兄様に注意を促すも、


「アズール、そっくりそのままその言葉、お前に返すよ」


 ヘルグ兄様は笑いながら、アズ兄様の返しに対して気にもしてない。


 ——この二人も、いつも仲良しだね。


 そんな事を思いながら、もしかしたら明日出会うかもしれない見ず知らずの相手の事を思い、二人のやり取りを見ていた。

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