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第四話 お部屋の紹介

 それからトントン拍子に話は進み、しばらくあたしは魔王城に滞在することになった。

 部屋を一室与えてくれると言うので、グレイスとその部屋に向かう。魔王も後ろからブツブツ文句を言いながら着いてきた。


「さぁ、ここがあなたの部屋です」


 案内された部屋は、とても豪華な部屋だった。

 大きなベッドにおしゃれな家具。部屋の隅には大きな本棚があり、たくさんの本が収納されていた。窓から外を眺めると、青々とした山が遠くまで見渡せ、最高の景色だった。

 あたしはキャアキャアはしゃぎながらベッドに寝転がると、ニコニコ微笑むグレイスを見つめた。


「本当にここがあたしの部屋? こんなお姫様が使うような部屋をあたしが使ってもいいの?」

「もちろんですよ。なるべく快適に過ごせるよう、一番良い部屋をご用意しました」

「やったー! ありがとう、グレイス!」


 あたしたちの会話を聞いていた魔王が、ふんっと鼻を鳴らした。


「こんな小僧っ子にはもったいない部屋だ。地下の牢屋にでも入れておけ!」


 小僧っ子じゃないもん!

 あたし、女の子だって何回も言ってるのに!

 ムッとして頬を膨らませると、グレイスがまぁまぁと言って魔王を宥めた。


「フウ様。これからあなたにはここで暮らしていただきます。城の中は好きに出歩いて結構ですよ。食事は朝昼晩の三回。一階にある食堂に来てください。それ以外は自由にしていただいて結構です。ただし、魔王様が呼んだらすぐに行ってあげてください。あなたの仕事は魔王様と触れ合うことですので」

「ふんっ! 私はこんな小僧っ子と触れ合う気などないい!」

「まぁまぁ、魔王様」


 魔王……。あたしのこと嫌いなのかなぁ?

 まぁ、あたしも別に好きじゃないけど。でも、これからは一緒に生活するんだから、ちょっとは歩み寄ってくれても良いのに。

 よし。ここはあたしが下手(したて)に出てあげるか!

 魔王の方が歳上っぽいけど、精神年齢はあたしの方が上っぽいし!

 などと思いながらベッドを降りて魔王の前まで歩いて行った。

 ギョッとする魔王を見ながら、ニコニコと手を握る。


「これからよろしくねー。魔王」


 友好のつもりで握手したのだが、魔王は嫌そうな顔をしたあと、ブンブンと手を振りほどいた。


「気安く触るな! このガキ!」


 もー! 本当失礼しちゃう。小僧っ子の次はガキ?

 本当魔王って口悪いなぁ。

 あたしはムーっと頬を膨らませたのだった。

お読み頂きありがとうございます。


この小説を読んで、「面白そう」「続きが気になる」と少しでも感じましたら、

ブクマと評価頂けましたら幸いです。


読者様の応援が作者の何よりのモチベーションとなります。よろしくお願いいたします。

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