私たちバカにしてんのか?
【本なんて死ぬよ?】
本なんてね、一冊書いても死ぬよ?
何冊も書いてもね食いつなげない。
いったい何冊売れるつもりでいるの?違うよ?
時間がなくても小説を書こう
今すぐに書こう、読むな、自信が無くてもやめるな。
逃げるなかけ、ペンの先が三つに見える前に食べて休め
君がね創作できないと嘆くのは自由
でもそれで人を決めるな
後それね、祟っていようが書け
手に取る人は面白いから
そうやって同じ意味の違う言葉を選ぶな、考えるな
書け!
誰かがグループで、そう君外れていようが
みんなで作り上げられるものなんだ本当は
だけどお前は一人で書くつった高慢だね
これが高慢。
わかる?君高慢、高慢だからね
そのせいでね、ここを出られない。
バカなの君は?
それと読者には関係ないけど、最後に出会うのはこの僕だね。
だってねこいつ、本だけを手放さなかった。
【ぽん】
私は災いの話を書きポルターガイストにあった
相談をしてみた。
知るか、書けと言われた。
泣きながらでも仕上げるべきとは
ご飯を食べずに倒れた、喰って書け生きろ。
逆じゃないのか?書けより生きろが先だ。
それと身近な人の名前を書くのはやめましょう
どこまでが本当のその人だったかわからず
その人に会えなくなるから。
そう書いたら怒られた、会ってネタにしろ!
それと体調不良は全部メモしておいた方がいい
考えすぎて自分の不調を恐ろしい祟りだと思うようになる。
どうでもいいんだこっちは忙しいんだ、くたばれ!
隣で寝ていた人の呼吸が苦しそうで跳ね起きた
目に見えない何かが起こったと思って怯えて電話を掛けた。
怯えるな何が起きているか見て書け!と言われた。
隣で寝てた人、死ぬぞ!と思ったが死ぬときは死ぬと電話を切られた。
友が多いのは結構だけどいつかは縁が切れる
そういうものだと理解できず執着する人にも向いていない
誰が何言ったか覚えている暇なんて無いから
会話がトンチンカンになってある日嫌われていないと書いた。
お前のせいだバカ野郎!トンチンカンなのはお前だけだ。
この忙しい時にと箒を持って追いかけられた。
色々あるけど書く人は変人。
【食事はとりましょう】
私は本当は資格が欲しかった
渡り歩いてふらふらと出来る~、そんな時代が来る。
給料は生活できる分だけ欲しいそういう人。
未来なんて考えてんじゃねぇ、今すぐ食うぞ!!
鬼だってなんだってなー、書けば仕事になるんだ。
撮って喰らえ、こんちくしょー
怖い。
誕生日というものに何か欲しいものはないのか聞く
私の部屋は小さいころからの物で溢れてごみ屋敷だが
片付ける気がないだけで、何にも要らない。
と書いた。
書くんじゃねえ、貰うな!何がゴミだ、いらん物を先に置くな!
一着の外に出られる服さえあればあとはヨレヨレでいいし
思い出なんてのは考え事してると思い出せなくなるから
旅行一回につき一枚でも本当にいい
色んな香りがして美味しいものを食べて、歩いたし寝た。
友は背景の建物や風景が違うじゃないという
だって見た時覚えてたか?写真で見たから知っただけだ。
考えるな、行け。で、忘れて寝る?
バカ野郎!書くんだよ、何がてめえ書くに決まってんだろう!死ね
頭がおかしいとかお前と話していると頭痛がするという
だってやる気ないから、自分にすら興味がなくてよく倒れる
と相談した。
ふーん。待ってやらねえぞ?
【叩かれろ】
尋常ではない迷惑をかけて今ここにいるけれど
反省はしている、取り返しはつかない。
そういえば、泣きながら土下座するようになってしまった。
土下座なんているか、金にならない文章を持ってくるな
誰が構成してやってんと思ってんだあほ―!!
普段は言わないけどな、お前の為思って言っといてやってんだよ。
何が作家だ。誰が構成してやっていると思ってるんだ!
何が事業だ。ずっと文章とにらめっこしてんのこっちだけだ
ただあいつは当てずっぽうの文章だけをおばあちゃんのところに持って来て
ポンと置いていくだけだい。
ほらもう解けたろう。そいつあ読書会っていうよりよ
出版社の会合だ。出版社の会合にお前連れてったらお前消えちまったんだ家から
こっちでお世話になりますじゃねえ。それはパパだけだ
お前には早かったんだ。
あ―、頭が痛いのはこっちだ。どうでもいい話持ってくんな
多々でさえ疲れてるのに
心労?
あ―あ―、心労はこっちだ。ふざけんな!!!
幽霊だって祟りだって持って来ていいつってんだろうが、
早く書け。お釈迦様だか何だか知らないが、お前の人生も終わっちまうよ。
おいてを出せ貸し一つだ。目を見て話すのは付け上がることだからな
下向いて話せ、話してろ。
んでな、ボコボコに箒でボコボコにしてやるからよう!!
おら、立て、おら!!
ぶっ殺すぞこんにゃろう!!!
にゃろうってなんですか?って何だっつうんだお前!!
あんな、聞きたくても聞くな。
文字書きになりたいんならな、ボコボコにされる用意が無いなら書くな。
門をたたくな、見るだけだっていけねえ!!
【三冊分の原稿】
俺、ただの放蕩もんだと思ってたけどもしかして小説家かな?
違うだろうがよ!!
お前書いて売れてから小説家名乗れよ、もう知らねえからな!!!
ここでボッコボコにしてやるぞ!
売れようが売れまいがな、はよ
一小節でも?
誰が一小節もってこいつった!!誰がだ!!おら!
三冊分の原稿を持って来るまで帰ってくるな!
わかったか、いいか三冊分の原稿だよ!!!
お、お、鬼のような人だ―
そりゃ当たり前だろ、こっちは小さいガキ抱えてんのに
やれ書いている途中だの、こっち連れてくんなだの
追っ払ってさあ
挙げ句が気が頭打って
トンチンカンなっちまった?
違うよそれはてめえだ!!何ガキまで作家にしようとしてんだ。
死ぬぞって?
死のうが活きようが知らねえんだよ!!ほら、間違えてんだろ
生きるだ。
【誰が頭がいいだ、ふざけんな】
お前、またふざけた題名つけたろ、なあ!!!
なんだこのぽんって、やつは!
狸のぽん
じゃねぇ、そりゃあのクソジジイの腹だろうが!
お前のばあちゃんな、いんや、おばあさまだよ
お前な、あたし舐めてんのかい!
おっしゃい!舐めてんのかい!!!
あ―あ、腹が立つ腹が立つ
何が一枚程度原稿をいただけませんでしょうか、だ!おい!
紙ってのはな、たった一枚でもな
一円?
いんや、違うね。
ぜ、ぜろ?
そんなわけねえだろうが!死ね!!
お前の原稿をこうやって指ごと喰ってやろうか!?ああ?
何が腸だ、天使様だ、参考文献はどちらにありますでしょうか?だ。
そんなんじゃ、ねーんだよ。
いいか、祟りが怖くてな。なんか書けると思うな!!
知ってっか?もうな
お前の同輩で開花してねえ奴はいねえんだよ。
お前そんなんでな―、作家になんてなれると思ってるのかい!
いい加減諦めろ!
痛い、おばあさま止めてください
い―や、やめるわけがないだろうが!こ―の、ろくでなし!!
痛いです―、おばあさま―
【あの家なんだ?】
あんた、またあのじじいんとこ行くのか?
呆れたね。
パパやめる?
俺思うね、この辺ね、見られてるの。
お前さ、そんな子じゃなかったと思う。
あのうちに行くまで
お前、元に戻る保証は?
私は人生を無駄にした。捕まった家から逃れられずに
うん、私これダメ……
きっとずっと遠いと思う。
パパお家のお金大丈夫かな~
私働かなくても食べていかれる?
何かしようとするのはいいけど
いつかは働いて欲しいと思う。
人間はね、動いて仕事するのがいいからね。
【もっと厳しく】
コンテストなんてね、受けるんじゃないわよ!
あんたみたいのはね、原稿もって出版社に駆け込んでみなさい!
落としてやるから!
でね、その原稿の内容はね。使えるから、ドラマや映画にしておいてやるわよ
金をとって、それと恨まないでね。
金を持っていない家の子が受かるようなコンテストうちは置いていないから
それかあんたたちみんな家族全員うちの下働きとして使ってやるから
死ぬまで働きなさいよ!
だってうち、ここだけじゃないからあんた殺せるのよ
うはははははは
ちょっと、なんであんなこと言ったのよ
私が悪いみたいじゃない。
出版社主催のコンテストから始まる女児が自力で脱出する誘拐軟禁事件です。
なんだっていいけどな、お前これ明るすぎて出せない。
現実はねもっと暗いし、あと主人公が強すぎる。
人はもっと繊細でね、鬱々としてるから
自分からかけはなれていると売れませんね?
それはそれでいいんだけど、人間を書く時は今までのことをよく見て書いて
いい編集さんに当たった、でもいつものババアがいい。
【あれ?今日は優しい】
君は一体何を考えてこれを書いて怯えていたのかなって
長い間書いたでしょこれと思ったら、短時間で仕上げたのね。
それはいいけど発表をしないとさ、何にもならないんだよね。
お金もそうだけど、読みたい人たちバカにするのやめて。
朗らかに帰ろうと振り返るといつものババアが帰社してきた。
物陰に隠れたがもう遅かった。
見たぞ、お前また仕事もぜずにあんなのとくっちゃべっていたんだろう!
見せてみろ。
お前は今まで何を考えていた!よこせ。
こんなんかけるならな、出せ!
ちがう、書いたら持って来るの当たり前だろうが!
へったくそな文章いつまでも暗い部屋で一人で書いていて何になると思ってんだい!
電気だって水だって止まって冷蔵庫のものまで腐ってるから
ついにやっちまったかと思ったのに?
やるわけねえだろお前がよ!!ビビりのお前はとんずらしか出来ねえ!
損で帰ってきたらこんなところで何してる!!
お前骨と皮だろう、立って服をめくれ、めくってみろ!!
ほら言わんこっちゃない。何にも出来ないんだったらな
人に頼め?
頼むのも結構だけどよ、うち電話かけろ
どうにかはなるからよ。
飯代とるから
何?飯代と家賃だ?
おめえよ、目の前で餓死しそうな人がいんのに飯代取るかい?
ん?お前持ってるな?
殺すぞこの野郎!
飯代持ってるならちゃんと食って寝ろ、寝たらかけ!
何やってんだよこのトンチンカンは
おめえ仏様になっちまったらかけねえだろうが。
あほ、おい誰かこいつんち行くぞ。手伝え
押し込み強盗?
違うだろうが!あほが!!どう見たって違うだろう!!
それとお前雑巾踏んでる!
いたーい、殴ることないじゃないですか。
【掃除】
お前外を見てこい、黒山だよ
黒山さんって人がいるんですか?
いや、ついに僕の本がベスト……
なるわけないだろ!!なるわけないだろうが!!!
カラスだよ。箒持って追い払ってこい
で、出来ない。カラス怖い
カラスが怖いんじゃねえんだよ!!
何言ってる、もっぺん叩いてやろうか!
カラスはな、私より怖いもんか?怖いもんか?え?
い、いや
それだったら!なぜこの箒貰って外へ行かない、何考えてるんだ!!
わ、わかりました。箒下さい。
くださいつったな今、くださいじゃねえんだ。
貸してくださいだろ?か し て くださいだろ。
行ってみろ、な。
もういっぺん。
それとな、あたしいなくなったら
はっきり言うぞ。あたしがいなくなったら
ここ、ごみ屋敷だから
何故ってここ掃除しているの私。誰もやってないから
またここ来たいならさ、掃除くらい覚えてこい!
それでも出来ないようだったら
もっぺん言ってみろ!出来ないじゃない、やるんだ!やるんだ!
地を這ってでもやれ!それがな
生きるっていうこと
ま、それでもいいか
【編集者のおじさん】
祟っていようが何だろうがな
この文章書く時お前のそばに立って見てるからな。
これ何のためにやっているかというと
お前の為じゃないよ
あたしらがその文章を読むためだったんだ
ショックなのはさ
こっちだつってんだろ!!
きっと生きているうちに出来ないとか死んでも言うんじゃねー
書いていればな
誰か拾ってくれますか?
拾う?誰が拾うよ、お前なんか。
拾われるんじゃなくてよ、しがみついて書いてりゃ生きていけるだろうが!
一日三本だよ、三本書きゃおめえそれなりになる。
どれかが当たればだ?寝ぼけたこと言ってんな
うちはチームだって言ってんだろうが!
ごめん、そろそろさ。自分の足でたたない?
まだだめか、俺ら疲れてるんだ。俺はまだよう還暦だろう。
だからこうしていられるけど、お前ね。ここどこだと思ってるの?
お前よりはるかに歳だよ俺たち、そういなくなるって言われたのね。
俺さ旅行に行くわ、いや旅行にさ
そしたらお前忘れてるだろう、俺のこと。
んで若くなってさ帰ってくるから、また教えてやれると思う
いるんだ、1人いるんだ。編集者じゃないけど俺によく似た人が
編纂者じゃなかったですか?
いや、俺は編集者だったんけどよ。そいつ怖い、怖いから
大丈夫かなーっておじさん思ってる。
お前さそうやって未来を予測するだろう?それさ、やめろ。
世の中いい人たちだけじゃねーからよ。
何使われるかわかったもんじゃねえ。
特にここは、な。
【にげろ】
俺は嫌だと思ってるよ。
それまでに何があったのか覚えているのかよ。
明るい話をするってえ何も、変えることはないのによ
お前変えてる。
だから言うけど俺は、お前みんなに嫌われてるぞ。
どこかの時点で何かしただろお前。
鞍替えじゃなくてよ、ひとりでさ。とんずらしろ
必要なもの置いて。
なーんも持たずによ。で、生きろ。
人はよー変わるっていうかさ
うん、それじゃ俺お暇するわ
ここの家ダメだと思う、まだこっちだけだけど
あの人な、最初からだと思う。
時々読んでくれませんかって俺たちに渡してたんだ。
内容は言わないけど。
【奪われた作品】
髪を一本貰おうかな―って
私小説家を目指そうと思って書いたのを渡したのね。
ダメだって。だからお前を呪ってやろうと思ってるの。
人の呪いってさ―どういうものかな―って
嫉妬に狂った女になる?ふーん、じゃあそうしておくか
売ったんだって、お前の作品をな全部奪い取ってな
使ってやろうと思って
ここにいちゃダメなんだよお前!
お前の作品世に出てるならあいつのになってるぞ。
わかるか、あいつらグルでお前のことを嵌めて売った。
お前な才能があるってことはばらせ
いいんだって中途半端でも中途半端でもそれはお前な
みんなでやるから。
で、周りを見ろ。お前それどこだ?
お前の話の通りに環境をな作り変え始めたぞ
思うにお前、聞くな、あと見るなよ。
そうか、出るべきだと思う。
見つかってるだろうその家さ、幽霊じゃなくて
お前がお話を書くって決めた時からこうしてやろうと思ってたんだ。
全部奪い取ってね、一銭も持たせずに死なせてやろうって。
それは全部私ってことにしてもらう。
【これ生きてるって言えるの?】
君ね、夫婦と編集者に弄ばれて捨てられたの
わかるのかな―って、この気持ちわかるのかな―って
君の作品何作かとられたでしょ
その時君はなんて思うのかなってさ
ありがとうって言ったからこうしてやったの
わ か る ?嫉妬ってこういうものだよ?
嫉妬して追いかけてね、付け回すってね。
僕たちのことだから、書けるもんなら詳細に書け。
私ね、これから離婚するのだからあげようかと思って
そしたらさ、貰うって言ったじゃない?
俺殺人犯だよ?わかる?俺たち殺人犯だからね。
いや、君を殺人鬼にして壊してあげる
これが暴力と飢餓によるマインドコントロール。
物書きは次々発表しているように見えて、実際は同じ人はいない。
1人で何作も書ける人なんていないよと編集さんは言った。
いないんだよ本当にさ、君チーム作れる?今から
俺は絶対ダメだと思うね、だから最後に顔を出して
お前に恐怖させてやろうと思う。
人間はね、1人では生きられないと、こんなところに住めないとね。
【生きているとは】
これ生きてるっていえないよね、俺たちの方はさ
なんの被害もなくね、こうやって生きて
楽しんで生きてきたわけだよ。
でもお前はさ、思い出の写真一枚ないだろ
無いんだよ本当に。
何にも持ってない、部屋は据えたニオイがしていて
住めないよねこんなもん。
ここへ住めないよね!
何の為にやってるのかと思うね、ほんと俺は
だってここにいるのパパとママの為でしょ
何にもなってないよね。それ!
祟るからなんなの?撮影現場祟るからって取りやめないでしょ。
お祓いはするけど。
だから全部持ってってやろうと思って俺こういうことしてるの
持ち逃げだよ?わかる持ち逃げなんだよ!
持ち逃げつったら、会社潰しちゃったおじさんの話ですか?!
そうなのか。お人よし、お人よしね
じゃあ死ね、お人よしなんかしているからね、君そんなことになってるんだよ。
わかってるの?ねえわかってるの?
裁判だって!
起訴状なんてね、君の家のお母さんかお父さんが受け取れば済む。
俺告訴するから、これもってって。
で、これをどうするか見ものだね。
だってこれ、これさ、お前ほんと使えないわ!
何がさ文章になってない散文だよ。
【生還した】
バレたんだ、あの作家の家はどこにあると噂になっていたらしい。
だから俺、君を捨てようと思う。
俺たち逃走だよ!?
君さ、俺の家潰して逃走してどんな気持ち?
俺の家をさ、名義書き換えて持って行ってさ
気が付いたらってギリギリ飯食って寝泊まりして書き続けてるんじゃない!!
もうそんな制限ないよ、無いんだよ!!!
俺が誰だと思ってるの?編集だよ
ほんとなんだつっておじさん探したよ、君がある日突然消えたから
あんらほんとに消えちまったよつってな
で、探してみたら変死体と生活してるじゃない、何やってんだよ!!
通報はって聞いたら、え?って聞くし、ニオウだろって言ったら
自分の服のニオイをかぐし、信じらんねえ。
お前呪われるつってたろ確かな、呪われてろ!!
今だって気が狂ったように書いて笑っているしもうダメだな言うよ
君変じゃなくてヤバい。
人が亡くなっているのにね、本の方が大事って何?
君もう人間じゃないと思うよ。
だから最後に会ってやるけど、お前もう一生俺に顔を見せるな。
首吊りの変死体だ、変死体の顔に見える!!
何が生還しただ、くそくらえ!!
あとそこの服、捨てるから俺なら。俺なら捨てる!!
その部屋にあったもの全てる。
【ポンコツ】
で、お風呂に入ってご飯を食べた。
記憶が戻ってから私は生還する前にとんでもない事をやらかしていたこと知る。
津波だ。
葬儀社の知り合いから電話がかかってきた。
気が遠くなった、預かってくれってそんなもの預かれないと言ったが
他に宛てもなく来たらしい。
一部は冷凍、昼間寝ている間に宅配便として近隣にばらまかれ
それを誰かが収集しに来たけど私は出ない。
気が付けば電気の止まった真っ暗な部屋で何故か電機が付かないと格闘して
文字を書いて寝る生活をしていたところを発見される。
鶏肉なんて食べるな、その包丁どの包丁だ!?
それは鶏肉じゃない、鶏肉じゃない。誰かの何かだ!
そもそも腐ってる。電気が止まってるだろうが!!
お前電気どう払ってるの?
え?ブレイカーが落ちてた?上げないと
違うつってんだろ!!ここはどこの家だ?誰の家だこの野郎!
私の家じゃない。居候だ。
家主どこ行った?
老人ホーム
津波の時お前どこにいた。この家
で、津波の後から騒がしくなって……あれみんないないね?
違うつってんだろポンコツ!!
お前がもっとちゃんとしていれば、何も起こらなかったんだ?
電気も落ちてる食事もない、ジュースと水と缶詰?お前人間か?!
この話すると嘘だ―みたいに言うけど
【明日を生きる】
もう四月だね菖蒲湯の用意しないとってあれは前日に用意するものか。
殺気だった人たちに取り囲まれる。
これは何事か?
あのな、この家の冷凍庫にも入っていたし、誰も食べていないとは言えないよ。
お前肉を最後に食べたのいつだ?
まさか!もはや死ぬしかない。
な、表に出るな。勝手に帰れ!
ショックを受けてそのまま記憶なくそこに引きこもった。
家主が亡くなるまで放置された、また事件だ。
今度は問い詰められなかった、誰も来ないから
私は早朝に逃走した。
前日誰かが捨てておけと言ったゴミを持って
そのゴミが本当にゴミだったのかどうか、私は知らない。
だって前日に台所で誰か調理していた、私に肉料理をふるまった。
それも事実だったか判然としない。
でもゴミは自分で捨ててと言われた、何が起こっているかわからない。
どしようもこうしようもない、私たちは明日を生きるんだ。
【祟られろ】
お前に最後にっておきたいことがある
お前俺の心を殺した!
わかるか、心を殺した!
誰が処理したと思ってるんだ!何にもしない君に変わって!
わかったか、全部俺だぞ!
今回のことは全部俺の仕業だぞ!!
な、わかったか。
もう映画見るな!他の作品見るな!
書け。
これをこのまま書けというんですか?じゃないよ!
書くしかないだろうこんなもの!
何やってんだよ書けよ早く!!
だって私人を食ったかもしれなくて、ここの集落立ち入り禁止で
家にはいれなくて荷物もないんですよ。
着物から死臭がする、らしいです……はい。
いいね!おまえいいね!そのままを書け!!
死んじゃう死んじゃう、心死ぬの俺だと思いますけど!
じゃあ死ぬかい?書かずに何喰ってくんだい?霞かい?え?
これは書くべきだね。
書いてね、供養をしろ早く。早く書いてさ、ご供養に出さないと。
お前祟り殺されるぞ!
おーら、早くしろ。時間との勝負だ!!
お前今いつだ?こういうのは早い方がいいんだぞ。
おーら、さっさと書いてこっちへ回せ。運出来栄えなんていいから
どっか回すから、お前使えなかったらどっか回すからいい。
お前が祟り殺されるのもそれからにしろ。
どうせ死ぬなら、そのくらい気概見せろ。
情けないったらないね―、こんな奴が作家だなんてね。
【酒か】
今回はずいぶんいいだろう~、なあ。
電話を切った編集がこちらを向く
ほらよ、そいつで着物買って着ろ臭え、とりあえず手付だ。
俺らこれで食っていくから食っていくからもっと紙よこせ。お前
無理じゃねえ、書くんだ。
家の契約にはついていってやるけど、他の事は全部てめぇでしろ!
俺この仕事についてよ、こんな苦労するとは思わなっかったね。
お前使えないの。
わかる?使えないのよ本当に、人間としてダメ!
でもこっちの紙使えるかつったら、ちった見れる
見れるだけだ。な。
だから書いてこいつってんだよ、ほんともうどうしようもねえ奴!
何年だ。10年だろうがお前!凡そ待ってやって10年の月日が過ぎている。
お前顎髭なんか触ってんじゃねぇよ~
これなおじさんが持ってくから、またおじさんが持って行くから
な、どんどん貸して。
お前用済み。帰っていいよ、ああ今の忘れて。
今度酒を飲みに行くかね―と電話をしている編集を見て外に出た。
空が青い、雲がある、風と空気が美味しい。
【手紙】
いいか、このおじさんが今からこれの使い方を教える。
そうだこのおじさんもう亡くなってる。
んでなあ、てめえ一人で作ろうとすんじゃねえ
俺はな、昔小説を書いてたんだ。小説を書いて持ち込んだ。
幾ら書いても同じだった。
俺の話すげえって思うんなら、なんていうのはどうやら間違いだった。
お前の書いているこれな
すごい。
ほらボッコボコにされろ、祟られろ、もう三本もってこい。
いったい何人の編集にあっただろうか?
今生きながらえているのは、居候置いてくれた家の人たちの気持ち。
だから書こうと思ってこうやってとっておいたんだけどよ。
くしゃくしゃだからお前にこの紙譲るわ。
な。元気出せ。
どんどん書け。これは呪いだ。