資料集
作中に登場した魔法を分類して整理し、解説を添えました。なおリア充魔法の詠唱に関しては、イメージが湧くように術者が勝手に付けたものであり、どのような詠唱でも良く、仮に無詠唱でも使用できます。要は魔法を使っている気分になれるかが大切なのです。
〈直接系物理魔法〉
対象へ不思議な力(F)を加える魔法を物理魔法、また効果のトリガーが術者にあるものを直接系と分類した。その力の正体が不明のため、物理マニアの夕はイメージできず使えない。
【水吸】【召霧】【凝水】(大地)
いずれも水を移動させる魔法であり、あくまでイメージ精度向上のために名前を付けて区別しているだけである。移動させるだけなので、水を得るという点において、後述の成水よりも遥かにコスパが良い。
水吸は、近くの水を手元へ移動させて水球とし、しばらく空中に保持する。仮に対象の水が不純物を含んでいても、純水のみを取り出せる。飲料水の確保、洗濯物の脱水、髪の乾燥などに使用されており、発想次第で様々なことに応用できる便利魔法。
召霧は、周囲の水蒸気を一か所に召集し、濃霧を発生させる。濃霧は術者が想定した対象に付随して移動する。目の前で脱ぎだした夕の裸を隠そうとして大地が閃いたが……思いつかなければ良かったのにネ?
凝水は、霧を集めて水に凝縮し、空中を移動させる。
【閃光】(大地)
指先から光を放つ。周辺の光子(≒光を構成する素粒子)に力を加えて進行方向を曲げ、指先から出るようにしていると思われる。
【加熱】【冷却】(大地)
対象の温度を変化させる。温度とは原子の熱振動の速さなので、いずれも対象の構成原子の熱振動を加速・減速する魔法である。ボイルドヤスを作れる。
【点火】【消灯】(大地)
ランプやロウソクなどの燃焼系の照明を対象とし、家電スイッチのように点灯・消灯させる。点火の方は、発火点まで温度を瞬間上昇させていると思われる。消灯の方は、吹くから推測されるに、空気を素早く移動させて吹き消していると思われる。
【えいっ】(ルナ)
対象同士を磁石のように引き寄せて恋人繋ぎをさせる、らぶらぶ魔法。手はかなり強固に繋がっていて、簡単には外れない。それは物理的に手が接着しているのか、精神操作で「離したくない」と思わせているのか……もしくは、そもそも手を繋がせる効果などなかったのかもしれないネ? 不思議ダネ?
【(無詠唱)】(ルナ)
浮遊および飛行する。妖精は当然飛べるものとルナがイメージしており、また彼女の質量が非常に小さいため、リア充力を常時消費してはいるものの微量である。急加速してヤスにタックルする時などは、減少が分かる程度に消費する。
【(無詠唱)】(ルナ)
音波を増幅して拡声する。ルナのサイズを考えれば、本来は大地達にほぼ聞こえない囁き声となるはずだが、(無意識に)魔法で常時拡声しているため人間レベルの声量となっている。浮遊と同じ理由で消費は微量。
〈間接物理魔法〉
魔法の効果発動のトリガーが対象にあり、術者が対象を直接的に物理操作するのではなく、対象の行動を補助する物理魔法。そのため夕にとっては、直接物理魔法よりはイメージの敷居が低いかもしれない。
【瞬速】(大地)
対象の行動速度を増加させる。反力をほぼ得られない空中にも関わらずルナの飛行速度が増加したことから、対象の筋力が増加する訳ではなく、対象の行動に連動して力が自動付与されると予想される。消費と効果は対象の質量に依存するため、ルナサイズであれば消費五分で弾丸レベルへの超加速が可能となる。
【縮歩】(大地)
対象の移動速度を増加させる。対象が足で移動する力のみを増幅しているので、瞬速の足限定版と言える。大地によれば、歩く歩道や電動機付き自転車に近い感覚とのこと。駆け足で自動車並の速度になっていたため、移動速度が五倍程度になるようである。
【鷹目】(大地)
動体視力を強化する。対象の神経伝達速度増加によって、視覚関連の脳処理能力を向上させる魔法と思われる(人体への変化魔法とも言える)。
【猫歩】(大地)
足音を消す。足周りの空気や床に伝わる音波の振動に対して、逆位相の振動を与えて消波していると思われる。
【ファット・ムービン】(ヤス)
縮歩と同じ効果……のはずだった。彼がとにかく速さを求めたためか、一瞬で効果が切れる代わりに制御不能レベルの超加速を得る仕様となり、当然ながら大転倒した。場面を選べば、強力な魔法と思われる。
〈生成・変化魔法〉
物質を生み出したり物体の形状や性質を変えたりする魔法であり、広義では物理魔法と言えるが、ここでは便宜上から前述の力を加えるタイプの物理魔法と区別した。変化魔法について、変化した状態を永続させることはできず、詠唱時に使用したリア充力に応じて継続時間が決まる。永続させるためには、リア充力を常時供給できる機構――例えば、相性の良い特級触媒を用いたリア充力の結晶化が必要となる。
【成水】(大地)
無から水を生み出せるが、三十分の消費で僅か数㏄程度しか生成できない。大気中の原子を素粒子レベルで分解・再構成することで生成しており、そのため膨大なリア充力を要する……と夕は推測している。
【防護】(大地)
対象を保護する。対象の表面に、外からの衝撃を反射させる不可視のバリアや力場を発生させていると思われるが、詳細は不明。かけられた大地の足の可動が制限されていなかったことから、対象が硬化している訳ではない。対象範囲に制限はないが、被覆範囲に比例して消費が増加する。
【防浸】(大地)
水の浸出を防ぐ。対象を不可視の不透水の膜で覆っているので、原理は防護に近いと思われる。
【写相】【写声】(大地)
顔や声(声帯)を一時的に変化させる。精確なイメージさえできれば、他人に変身することも可能。大地はゆづを騙せるほどの精度で夕に変身できており……つまり末期患者ダネ。
【おおきくなぁ~れぇ~】(夕)
本来の姿まで身体を成長させる。写相の全身版と言える。成長による肉体差分を生成したと仮定するとリア充力が全く足りず(数千時間は必要)、また魔法が解けた際に完全に元の姿へ戻ったことから、身体機能に支障が無い範囲で体組織を変化させているだけと思われる。つまり体重は元のままという、女の子にとってありがたい魔法。
【るなきえる】(ルナ)
全身が透明になる。光を透過する身体へと変化させているか、もしくは光学迷彩のように、自身に当たる光を曲げて透明に見せているのかもしれない(その場合は物理魔法)。
【えいっ】(ルナ)
自身の流体髪をイメージ通りに変形させる。お団子髪にしたり、矢印に変えたり、薄く広げて掛け布団にしたりと、極めて自由度が高い。
〈精神操作魔法〉
リア充力を共有する大地・夕(ゆづ含む)・ルナの間でしか使用できず、対象が拒否すると一切効果がない。術者と対象の絆が深いほど効果が大きい。原理は全く解らないものの、夕が物理現象の範疇にないと認識しているため、彼女も使用できる。
【誘眠】(大地)
対象を眠らせる。ゆづに使用されたが、準備段階として彼女が受け入れてくれる程度の信頼を得る必要があった。
【げんきになぁ~れぇ~♡】(夕)
対象を色々な意味で元気にする。手でハートを作って微笑むと効果は抜群と、巷でもっぱらの噂。気持ちを上向かせる精神操作魔法であると共に、身体を丈夫で健康にする変化魔法でもある。効果は筋力と骨格の強化、毒や怪我や病気の治癒などであり、最高峰の補助・回復魔法ではあるが、とにかくコスパが悪い。……仮に魔法が発動しなくても、この詠唱だけで気持ちは元気になるんじゃないカナ?
【つよきになぁ~れぇ~】(夕)
勇気を与え、グイグイ攻めさせる。要は無敵になる。
【ふぇありーばれっと】(ルナ)
体当たりが強力になる。気合いを入れる精神操作魔法、速度増加する物理魔法、身体強化する変化魔法のどれにあたるかは、もちろん本人も知らない。
〈その他〉
いずれの分類にも該当せず、原理も完全に不明なリア充魔法。
【解呪】
すでに発動している魔法の効果を打ち消す。この異世界に元々存在する従来の魔法にも効果があるかは、確認の必要がある。
〈従来の異世界の魔法〉
長年修行したエリートや、天才のみが使用できる。スクロール化されている場合は、魔素を供給すれば誰でも使用できる。他に、武具等により発動できる魔法も存在している。
【魔孔】【魔門】(カレン)
任意の空間を繋ぐ穴を生成する。数㎝サイズを魔穴、人が通れるサイズを魔門と呼んでいる。魔王様らしい規格外の魔法だが、膨大な魔素を消費するため乱用はできない。
【ブラッディスクロール】
スクロールに誓約した内容が履行されなかった時、誓約者が死に至る。使用には誓約者の直筆と血液が必要。
【トランススクロール】
魔晶石間で魔素を輸送する。
【カンデラスクロール】
描かれたイグニとブロウの魔法陣に魔素を供給すると、予めパスが繋がれた照明器具の点灯消灯ができる。
【イルミナスクロール】
照明器具を使わずに周辺を照らす事が可能だが、カンデラよりも魔素の消費量が多い。
【クリーンスクロール】
貼付した容器内の水を清浄に保つ。魔素を多めに使用すれば、中に入った人間や洗濯物も綺麗にしてくれる便利魔法。最近スクロール化された新商品。
【ヒート・コールドスクロール】
同名のリア充魔法と効果は同じで、こちらは魔素の量で調節が可能。
【刺水閃】(ホリン)
槍の先から大量の水を放出する。ホリンの所有する槍によるものか、ホリンの特技なのかは不明。
【(無詠唱?)】(弓の刺客)
毒を強化する。魔法がかけられた矢尻が緑色に発光していたため木属性魔法であると、バコスは予想している。
【縛】(黒装束の刺客)
短剣を地面に突き刺し詠唱することで、攻撃対象を無数の蔦で絡め取る。仲間の弓の刺客同様、使用時に緑色に発光したことから、木属性魔法と予想される。
【(空中に小型の魔法陣を描く)】(ルケー)
足元に魔法陣を出現させ、別の場所へ転移する。彼女の所属と黄土色の魔法陣から、土属性魔法と予想される。魔門のように任意座標へ転移可能ならば膨大な魔素を要するが、彼女は気軽に使用していたので、条件付きで低コストな転移魔法と思われる。その条件としては、予めパスを引いた座標に限る、近距離移動に限る、(土属性らしく)地続きに限る、などだろうか。
細かな設定までお読みいただきありがとうございます!
さて、魔法の解説はいかがでしたか? こうして事細かな解説をすると、魔法なのに何ともSFっぽくなりますね(笑)。きっと作中でも、SF幼女夕ちゃんが解説してくれることでしょう!




