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【豪華挿絵】月と金星とステラマジカ ~ヒミツの愛情魔法~  作者: 餅餅餅
第8章 月と金星と夜間補講
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冒険録69 主人公達がついに願いの力の正体に気付いてしまった!

 突然(とつぜん)の魔王様のオンライン訪問となったのは良いが、どういうことか夕との混浴が一瞬にしてバレてしまった。もちろんカレンの人並み外れた洞察(どうさつ)力あってこそだとは思うが、その風呂と願いの力に(つな)がりがあっての推理と見るべきだろうか。……もしや、ヤッス風呂の効能の一環(いっかん)――な訳ないか。単純に湯へ()かると増える……うーん、それもシックリこない話だ。


「……風呂が願いの力に関係してるんだよな?」

『いや、風呂そのものは関係ない』


 おっと、前提から外してたか……つまりどゆこと?


『くくく、キミは本当に()()()()だねえ』


 俺が首を捻っていると、カレンはクスクス笑いながら意味ありげに言葉をかけてきた。


「――あ、やっぱりぃ!」

流石(さすが)ゆーちゃん、よろしですし~♪』


 それを聞いた夕が(さけ)ぶと、カレンが満足気に(うなず)いて拍手(はくしゅ)した。先ほど夕は何かに気付いた様子だったが、それが確信に変わったのだろうか。


「あーんもぉ、なんてことよ……こんな簡単な条件、なんですぐ気付かなかったのかしら……地味にしょっくだわぁ」


 さらに夕はヤレヤレと首を()って、自嘲(じちょう)気味にそう(つぶや)いた。……むむむ、そんなに簡単な答えと……確かにカレンは、キミ達ならばすぐに気付くと最初に言っていた。


『さて、キミはどうだい?』

「うーん……」


 何かヒントはないかと見回せば、お団子の上でうとうとしているルナが視界に入る。――そう言えば、ルナが()ていても力が増えていたんだったな……あと不思議だったのが、この力を三人だけが使えること……となると、もしかして俺や夕も力を増やす要因になっているのか? だがそれは何をしたら……えーと、さっき(ばく)上がりした時、俺らは混浴で終始ドキドキ――ってぇ、そういうこと!? いや確かに簡単な答えだけど……だけどさ!? マジデ!?


『ふふ。普段(ふだん)のキミは知恵(ちえ)が回るのに、()()()()()()には数テンポ(おく)れるねえ?』


 俺が答えに思い至ったことを察したカレンが、(あき)れ顔でそう言って続けた。


『それでご明察の通り、そのゲージはルナ嬢だけでなく、二人の満足度もカウントされている。つまり、キミらが幸せを感じても増えるのさ! それが取り立ててどのような時になのかは……言うのは野暮(やぼ)というものだね?』

「「……」」


 横を向いて夕と目が合うと、夕が(ほお)を染めてツイと目を(そら)したので、俺も目を逸してしまう。面映(おもは)ゆさの極み。


『いやあ、()いね、()いねえ! キミ達のその顔が見たかったのさ! それでこそ、(だま)っていた甲斐(かい)があるというものだね! くっくっく』


 ちっきしょう、悪魔か! ――っ魔王だったなぁ!


『――そっれでそれでぇ~? さっきぃ~、何時間って言った~、かなかなぁ~?』

「「っ!」」


 さらにカレンは画面上でこちらへ身を乗り出すと、陽キャモードになって先ほどと同じ問いかけをしてきた。魔王の無情な追撃(ついげき)である。……もうやめて、俺たちのライフはもうゼロよ!


『ねぇねぇ~、おっしえてぇ~?』

「なな……じかん……」「です……」

『へぇ~! へぇ~! そんっなに~()めたんだね~! わあ~、すっごぉ~い! ――――くくくっ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!』

「ぐはっ」「あうぅ……」


 先ほどと全く同じ台詞(せりふ)を告げる魔王様だが、力の正体を知った今となれば、その意味は全然違って聞こえる。――だあもう、急増して大喜びしていたことが、()ずかしくてしかたねぇな!


『はあ~たのし♪』

「ハイハイ良かったな……」「カレンさんのいじわるぅ……」


 俺たちをからかい()くして、カレンはむふぅと満足気に鼻を鳴らす。本当に良い趣味(しゅみ)をしている。魔王マジ魔王。

 ――っよし! どのような力であれ、現状の俺たちの最大の武器には違いないので、ここは気持ちを切り()えて真面目(まじめ)な話をしよう。


「んでその願いの力は――」

『待ちたまえ』


 そう思って切り出したのだが、途中(とちゅう)でカレンに(さえぎ)られてしまった。


『今となれば、その名は少々味気ないと思わないかね?』

「いや、別にこのままでいいが?」

『よしよしそうだろう、わたしに任せたまえ!』

「話、聞こうな?」


 夕と見合わせて、ヤレヤレと首を()る。どうせ名付けたくてしょうがないのだろう……聞くだけ聞いてあげるか。


「……で?」

『ヨロシイ、良く聞くのだよ? 願いの力、名付けるならば……』


 そこでカレンは大きく息を吸うと、


『リア充力!!!』

「「!?」」


 高らかにキラキラニューネームを発表し、その音声が部屋に(ひび)(わた)った。


『その計器は、リア充ゲージ!!!』

「「!?!?」」

『そして発現する魔法は、リア充魔法!!!』

「だあぁぁ、なんっだそのクッソ恥ずかしいネーミングは!?」


 スクリーンに映るドヤ顔の魔王様に、ツッコミせざるを得ない。こんなリア充から程遠い俺が使っていい名称(めいしょう)ではないぞ。全日本リア充協会から不正使用で(うった)えられたらどうしてくれるんだ。まぁ許可されても使わんけどな!


『なんだい、わたしの命名に不満でもあるのかね? ではそのまま、()()()()()()にするかい? ――あ、言っちゃったぁ~、野暮魔婆(やーぼまーぼ)~(てへぺろ)』

「ヤメロォォ! リア充力のがまだマシだ!」

「――はっ! らぶらぶー!?」


 気になる単語が耳に入ったのか、船を()いでいたルナまで参戦してきた。


「るなも、ままぱぱとらぶらぶするのー!」

「だぁもう!」


 どんどん話がややこしくなっていくので、どうか今は寝てて欲しい!

 それで夕ママへ助けを求めるべく、お(となり)を見れば……。


「……あたしとパパの想い……リア充力……らぶぱわぁ……フフフフフ」


 あの、夕さん? それ悪くないかも、みたいな顔しないで欲しいかな? このままじゃ本当にこの名前になっちまうぞ!




【リア充力:433/433 (+6)】


あーあ、ついにバレてしまいましたね。

ラブラブして増えているとも知らず大喜びする二人を、ニヤニヤと眺め続けていた魔王様、本当にワルイ子です。

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