表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【豪華挿絵】月と金星とステラマジカ ~ヒミツの愛情魔法~  作者: 餅餅餅
第7章 月と金星と家族風呂
61/89

冒険録60 妖精さんは自爆するぞ!

 俺しか中に居ないと勘違(かんちが)いしたヤスが、有無を言わさず風呂場に入ってきてしまった。なので、(はだか)の夕を見られる前に一撃(いちげき)でヤスを仕留(しと)める方法を考えていたところ……


「おまえはだめなのー!」


 なんとルナが(たる)から飛び出して、ヤスの目の前に立ちはだかった。――よしっ、ナイスだ守護妖精さん! 不埒者(ふらちもの)を追い返せ!


「あ、ルナっこもいたのか。……でもダメってのは?」

「はいるとこないのー!」


 悪いなヤス、この風呂は三人用(妖精(ふく)む)なんだ。


「……(となり)、空いてるんじゃ?」

「みていいのは、るなとぱぱだけなのー!」


 ……ん? 守護妖精さん?


「ええと……何を?」

「ままのはd――」

「だぁらっしゃぁ!!!」


 自陣(じじん)に投下されそうになった爆弾(ばくだん)発言を、大声を上げて拾い上げる。

 ぜんっぜん守護妖精じゃねぇ、自爆(じばく)妖精だった!


「大地、急にどうし――」

「ルナ! ちょっとこっちでパパと遊ぼうな!?」

「え〜? しょーがないなー! るながあそんであげるのー!」


 これ以上事態をややこしくされては(たま)らないので、自爆妖精殿(どの)にはご帰還(きかん)願う。


「……なんだかよく分かんないけど、とりあえずこっち入るよ――って何この(きり)? なんか面白いことになってね?」


 局所的に発生している霧に興味を()かれた様子のヤスは、夕の居る樽へと真っ直ぐに近付いて行く。


「ちょぉ待った!」


 俺は慌てて樽から出ると、ヤスの前に立って両手を突き出す。


「おいおい、大地までどしたっての? んでその霧は、なに?」


 ヤスは身体を横に倒して霧を見ようとするので、合わせて俺も動いてガード。中が見えてはいなくても、何かイヤだ!


「これは……そう! さっきスクロールの調整ミスって、熱くなりすぎたんだ!」

「あー、なるほど。ハハッ、慎重(しんちょう)な大地にしては迂闊(うかつ)だなぁ?」

「うっせぇよ、慣れてねぇんだから……んで俺はちょうどアツアツのに入りたくなったから、すまんけどヤスは向こうの樽に、な?」

「ま、そういうことなら」


 ヤスはこのデマカセで納得してくれたようで、俺が入っていた樽の方へと向かい、かけ湯をして湯に()かった。――ふぅ、危機一髪(ききいっぱつ)だった…………ヤスのだがな。


「……うーむ」


 それで俺は、成り行きで夕の居る樽の前に立ったものの……到底(とうてい)入る勇気などなく、ただただ霧を見つめるばかり。


「どしたん、入らんの? ――ってかその霧、よく見たら奥の方だけ出てね? んなことあるぅ~?」


 ヤスがまた霧を(いぶか)しげに凝視(ぎょうし)し始めたので、射線(しゃせん)を切るよう樽の間に立つ。


「あー、スクロールの位置が向こうだしな?」

「なーる」


 問答でギリギリ乗り切ってはいるが、ずっとこのままで居る訳にもいかないので……もはや覚悟(かくご)を決めて入るしかないようだ。

 霧に目を向けると、立って浸かっている夕の後頭部の先がかろうじて見えるので、おおよその位置は分かる。あとは、絶対に(さわ)らないよう気を付けて入るだけ…………ええい、ままよ!


「(夕、すまん、入るぞ)」

「(ひゃぃっ! どぉじょっ!)」


 夕は背を向けたまま、緊張(きんちょう)した小声で答える。あれほど一緒(いっしょ)の樽に入りたがってはいたが、いざそうなると物凄(ものすご)()ずかしいというやつなのだろう。

 俺が後ろ向きで足を湯にそっと差し入れ、できるだけ樽の縁に身体を寄せながら全身を(しず)めていくと……無事に背中合わせかつギリギリ触れない状態になった。一応はミッション成功――とは言えだ……裸の夕と超至近距離(きょり)で同じ湯に浸かっていると考えるだけで……くぅっ、めちゃくちゃドキドキするぞっ!


「大地、何か辛そうだな? そっちそんな熱いのか?」

「おっ、おうよ。これは効くなぁ! ハハハ」


 湯は全く熱くないが、別口で頭が()で上がりそうな件。


「ふーん、大地って結構あつ湯好きだったんだな。せっかくだし僕も入ってみよ――」

「やめとけ! これはあつ湯素人(しろうと)にはオススメできん! 気を失うことになるぞ!」


 俺がお前を昏倒させるからな。


「そ、そっか。僕は別に得意って訳じゃないし、そこまで言うならやめとくよ」

賢明(けんめい)だな」


 危ないところだったが、これでヤスの襲撃(しゅうげき)は全て乗り切った。後はヤスが出て行くまで()えるのみ……絶対に夕を守りきってみせるぞ!




【326/326 (+12)】


災い転じて福とヤス。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ