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【豪華挿絵】月と金星とステラマジカ ~ヒミツの愛情魔法~  作者: 餅餅餅
第7章 月と金星と家族風呂
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冒険録58 ヒロインはやわらかいらしいぞ!

 暴走して一緒に風呂へ入ると言い出した夕は、目の前で()いだ(くつ)とタイツに続いて、襟元(えりもと)のリボンをしゅるりと外す。そこで夕は顔をより一層赤らめながら、制服の肩掛(かたか)けスカートを脱ごうと肩紐(かたひも)に手をかけ、ゆっくりと横へずらし始めた。

 マズイマズイ! とりあえず後ろを向いて――いや、根本的な解決にはならない。まずは何とかして夕の身体を(かく)す……何か良い魔法は……そうだ、ここは水場(みずば)

 そして、重力に従って無慈悲(むじひ)にも肩紐と共にスカートが落ちようとした瞬間――


「【召霧(フォグ)!】」


 俺は夕に手をかざして、濃霧(のうむ)を発生させるイメージで詠唱(えいしょう)した。すると(たる)から水蒸気が夕へ吸い込まれるように移動し、夕の足元から目元辺りまでを白く(おお)い隠していく。……ヨシッ、これで夕の姿はボンヤリと輪郭(りんかく)くらいしか見えないぞ。緊急(きんきゅう)自主規制成功!


「あっ……ん、たすかる……かも。そのぉ、勢いで脱ぎ始めたはいいけど、実はすんごく恥ずかしくて、もう頭クラックラして倒れそうだったたんだぁ……」

「それなら思い直してくれよぉ……」

「あはは……」


 ほんと暴走すると色々やらかしやがる子だな! ただまぁ、気絶しそうなほど恥ずかしいのを押してでも、俺と一緒に入りたかったと……そう言われると、もちろん(うれ)しくは、あるけどさ?


「……あのぉ、この状態でも……だめぇ?」


 そうして少し冷静になった夕は、混浴許可を得るべく甘い声でお願いしてきた。ほとんど姿は見えないが、きっと上目(うわめ)(づか)いでこちらをじっと見ていることだろう。


「はぁぁ、分かったよ……(きり)でバッチリ隠れてるし、そこまで一緒に入りたいってなら……どうぞ?」

「やったぁ!」「わーい! ままぱぱとおふろなのー!」


 マッパ妖精さんも(うれ)しそうに樽から飛び出すと、夕の居る霧の中へと飛び込んで行く。


「んしょ、んしょっとぉ」


 霧の中からは衣擦(きぬず)れ音や衣類の落ちる音がするが、何も見えないのでダイジョウブ。ウン。

 霧の中には生まれたままの姿の夕が居るはずだが、何も見えないのでダイジョウブ。ウン。

 次いで夕は霧ごと(かべ)木棚(きだな)に移動し、ルナの衣類も合わせて仕舞(しま)うと、(となり)の樽のお湯を柄杓(ひしゃく)で被った。霧が消えてしまわないかと一瞬(あせ)ったが、お湯にも負けず夕を覆い隠してくれている。ありがとう霧さん!

 夕はそのまま右の樽に入るのかと思いきや、ペタペタと足音がこちらへと近付いてくる。


「こっち、入っていい?」

「……逆に聞こうか。ナゼいいと思った?」

「だよねぇ……」


 夕とならギリギリ一緒に入れる大きさだが、ちょっと動くだけで接触(せっしょく)事故が起きかねない間隔(かんかく)になるだろう。いくら姿が見えなくても、それでは大惨事(だいさんじ)というものだ。


「むぅ~、パパのけちんぼ……一応聞いてみただけだもん……」


 夕は残念そうに(つぶや)くと、ペタペタと足音が隣の樽の方へと遠ざかっていく。ご理解感謝します。


「よいしょっと………………――んあああ~~~、気持ちいいぃぃ…………はふぅ、一日動きっぱだったし、身体の(しん)まで染みるわねぇ~」

「だなぁ」


 夕は樽の横に置かれた()み台に乗ってお湯に浸かるなり、実に満足気な声を出している。それはまるで、数分前の俺を見ているかのようで……何故(なぜ)か一緒に入るという少々困った事態にはなったものの、やはり樽風呂自体は大層素晴らしいものだ。バスマスターヤスに感謝感謝。


「――んひゃあぁっ!?」


 そこで夕が急に驚きの声を上げ、さらにパシャッとお湯の()ねる音が続いた。


「こらぁ、ルナちゃん! そんなとこツンツンしちゃダメッ!」

「えへへ~」


 霧で全く様子は分からないが、どうやらお転婆(てんば)妖精さんがお湯の中で夕の身体にイタズラしたらしい。


「やらかいのー!」

「も、もぉ!」


 ルナが無邪気(むじゃき)に報告してくるが……その「そんなとこ」がどこで、どれほど「やらかい」のだろうか……――ッイヤイヤ、想像したら絶対ダメ。雑念を(はら)うんだ大地!


「……くっ」


 初っ(ぱな)からこのような調子では、果たして俺は無事に風呂場を出られるのだろうか……だぁもう、どうしてこうなった!




【304/304 (+18)】


第7章も半ばまでお読みいただきまして、誠にありがとうございます。


やったぁ混浴成功だ! よしさっさとイチャイチャしろ! などと思われましたら、ぜひとも【★評価とブックマーク】をお願いいたします。

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