表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【豪華挿絵】月と金星とステラマジカ ~ヒミツの愛情魔法~  作者: 餅餅餅
第6章 月と金星と豪快店主
54/89

冒険録53 主人公達の結束が高まった!

 そうして話している間にも、すっかりトリカブトの毒が抜けきったようで、気付けば足の(しび)れもなくなっていた。

 そこで酒場の入り口の(かね)が鳴り、中からヤスが出てくると、


「ふぃ~、やっと片付け終わったぜ。――ん、みんなで大地囲んで何してんの?」


 俺たちを見るなり不思議そうに首を(かし)げる。


「まぁ、ちょっと死にかけてな?」

「ふーんそっか――ってはあぁぁ!? 僕が居ない間に一体なにがっ!?」

「ま、それは後でな」


 そう言って立ち上がれば、俺の手を(にぎ)り続けていた夕も一緒(いっしょ)に立ち上がる。……というのも、(すき)を見て(はな)そうとはするのだが、すぐ(つか)まって握られてしまうのだ。それほど心配をかけたということなので、どれだけ気恥ずかしかろうと甘んじて受け入れるしかない……のもあるが、夕の手はもちもちのぽちゃぽちゃで、(あらが)(がた)いほどの(さわ)り心地なのだ。


「じゃ、今度こそまたな」


 そこでホリンが手を上げて再度の挨拶(あいさつ)を告げる。だが、ホリンは俺と夕に視線を向けたところで、


「――おいヤッス」

「ん?」


 ヤスに(かた)を回して小声気味に話し始めた。


「でえとの意味、少し違うだろ?」

「たはは、バレたか。よく分かったな?」

「ハハハ、アレを見せ付けられたらな」

「んだよなぁ」


 そこで二人がこちらをチラ見してきたので、流石(さすが)の夕も()ずかしくなったのか手を離してそっぽを向く。


「――にしても兄妹でとは……難儀(なんぎ)なことだな」

「え……あー、そうきたかぁ」

「ん?」

「気にすんな!」

「……まぁいいか。じゃ!」


 二人が勝手に言いたいことを言ったところで、ホリンは片手を上げて歩き去っていき、バコスさんとヤスも中へ戻っていく。

 それで俺も中に戻ろうと歩き出したところ、


「――おとと。どした夕?」


 立ち止まったままの夕に手を引かれる。()り返れば、夕がゆっくりと背中に両腕(りょううで)を回し、胸に抱きついてきた。


「怖かった……本当にもうダメかと思った……」


 先ほどの状況を思い出したのか、夕の肩は小刻(こきざ)みに(ふる)えている。


「もう、こんな危ないことはやめて…………――なんて言えないのは分かってるの。大地は同じ状況になったら、また誰かを助けるために飛び込んじゃうと思う」

「そう、だな……」


 目の前で失われる命があり、それを救う手立てが俺にあるのならば、手を伸ばしてしまうだろう。そう、あの時(ほのお)の中に飛び込んでいった親父のように。


「……ごめん」

「んーん、いいの。それが私が好きになった大地だから」


 夕は胸元から顔を上げると、大人びた表情で微笑(ほほえ)みかけてくる。


「でもね……大地が傷ついた時に、誰よりも悲しむ人がここに居ることを忘れないで欲しいの」

「っ!」


 例えその誰かを守れても、自分を犠牲(ぎせい)にしてしまえば、大切な人の心を守れない。それは、親父を亡くした俺が痛いほど味わってきたことじゃないか。

 

「ああ……俺はもっと、強くならなきゃな。夕の心も身体も守れるように」

「ありがとう。大地は本当に強くて優しい人」


 俺の決意を聞いた夕は、(うれ)しそうにそう言うと、(まぶ)しい笑顔を見せてくれた。


「――ふふっ」


 だがそこで夕は、ガラリといつもの子供らしい表情に戻すと、


「でもぉ、あたしだってパパを助けられるように、もっと強くなってみせるよぉ? それこそ、死の(ふち)からでもパパを(たた)き起こせるくらいにねっ!」


 そう言ってニカッと笑う。夕の方こそ、本当に強くて優しい人……こんな素敵な夕と一緒なら、どこまでも強くなれる気がする。


「るなも、ままとぱぱをまもるのー!」


 そこでポケットから飛び出したルナが、鼻をふんすと鳴らして飛び回る。――ああ、大活躍(かつやく)したルナも忘れちゃいけないな。


「うふふ。三人で頑張ろうね」

「おうよ!」「なのー!」


 そうして、仮初(かりそ)めの父娘(おやこ)三人で見つめ合っていたところ……


「グオオオオオ!」

「「「!?」」」


 突如(とつじょ)雄叫(おたけ)びが聞こえ、夕は慌てて両手を離すと胸元から飛び退()く。

 今度は一体何ごとかと、すぐさま店の入り口へと向き直れば、そこにはなんと……バコスさんの巨体が! 


「チキショウ、泣かせる話じゃぁねぇか……オイ坊主(ぼうず)! テメェも頑張れよ! オラッ!」

「ハガッ――げほげほっ」


 隣のヤスが背中を強打されてむせている。

 続いてバコスさんは、俺たちに向けて馬鹿(ばか)でかい両腕を広げると、


「ま、オメェさんらの方は頑張り過ぎたくれぇだ。今日はこの(いこ)いの宿屋バコスでゆっくりしてってくんナ! ガッハッハ!」


 そう言って大口を開けて笑う。俺たちはそれに負けないほど元気良く応えると、仲良く三人で並び、酒場あらため宿屋の中へ意気(いき)揚々(ようよう)と入って行くのであった。



~ 第6章 月と金星と豪快店主 完 ~   



【255/255 (本章での増加量+70)】


第6章までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。


大地君が助かって良かった! 夕ちゃんヒロインしてるなぁ! などと思われましたら、ぜひとも【★評価とブックマーク】をお願いいたします。


第7章は、サービス回とも言えるイチャイチャ混浴シーンとなります。ポロリもある……かもしれません。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ