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【豪華挿絵】月と金星とステラマジカ ~ヒミツの愛情魔法~  作者: 餅餅餅
第4章 月と金星と悪友参上
30/89

冒険録29 悪友はすぐに勘違いするぞ!

 骸骨をお宝に変えたところで、俺たち四人は気を取り直して森の出口に向かって歩き始めた。他に魔物が(ひそ)んでいないか警戒(けいかい)しつつも、この世界に詳しそうなヤスと情報交換すべく、歩きながら会話を進める。


「……そっか、大地らはついさっき飛ばされてきたんだな」

「ああ、目覚めた時は(あせ)ったぜ……」


 しかも夕のフカフカお腹の上だったしな! もちろんヤスには言わんけど!


「ルナちゃんにはびっくりよねぇ」

「あーそれそれ。そのすんげぇヤンチャなチビっこは一体?」


 ヤスが俺の(かた)腰掛(こしか)けるルナを指さし、ついさっき妖精弾(弱)を被弾した眉間(みけん)(こす)っていると、


「おしとやかな()()()なのー!」

「へぶっ!」


 失礼な事を言う(のど)にはお仕置きとばかりに、即座(そくざ)にフライングヘッドバットが()()さった。……ルナよ、今回のヤスの評価に関しては割と適正だと思うぞ?


「ルナちゃん!」

「あぅっ……」


 お転婆(てんば)が過ぎて夕ママにまた(しか)られると思ったか、ルナはしゅんと身体を縮める。


「――もう少し手加減してあげてね?」

「はぁーい!」

「ちょちょ、夕さん!? そもそも僕に攻撃しないように言ってもらえませんかねぇ!? 暴力反対っ!」


 無慈悲(むじひ)な攻撃許可を聞いたヤスは、両手で目の前をチョップしつつ猛抗議(もうこうぎ)している。ルナに攻撃されるような粗相(そそう)をしなければ良いだけでは……まぁヤスだし無理か。


「うふふ。これも幼いルナちゃんなりのスキンシップだと思いますから、大目に見てあげてくださいね? ――んとまぁ、あたしも最初に二回も(もら)いましたし、お仲間ですよぉ。あはは……」

「む、むむぅ……しょうがないなぁ」


 子供のやることと思って、ヤスは渋々(しぶしぶ)ながら(あきら)めたようだ。ヤスには(とし)の離れた妹もいるし、幼子(おさなご)理不尽(りふじん)さには慣れているのかもしれない。

 

「それでこのヤン――オシトヤカなおぜうさまは、妖精……でいいの?」

「ああ。本人もそう言ってるし? ……その様子だと(めずら)しいんか?」

「んだね。ファンタジーな世界だし、どこかには居るかもしれんけど、少なくとも僕は初めて見た」

「へぇ」


 カレンは世界の(かく)と言っていたし、やはりルナは特別で例外的な存在のようだ。


「それとさ? 僕の聞き間違えかもしれないんだけど……夕ちゃんのこと、ママって呼んでなかった?」

「あ……それは、えとぉ……」

「むふー! ままとぱぱなのー!」


 言い(よど)む夕をよそに、ルナが俺と夕の周りを自慢(じまん)げにグルグル回り始めた。


「ちょ、おま、はああぁ!? パパママだとぉぉ!? 二人の愛の結晶(けっしょう)かよっ!!! おいおいおい、僕がいない間にどんだけ進んでんだっ!? んうおおお、めでてぇなぁ! 帰ったら宴会(えんかい)だなっ!!!」

「てめぇ何アホな勘違(かんちが)いしてやがんだ!? どうやったら人間から妖精が生まれんだよ! ちったぁ考えて発言しろや!」

「そうですよ! まだそんなことにはなってません! もう少し大人になってからです!」

「ちょぉ――」


 夕さん? お願いだから落ち着いてね? 自分が何言ってるか分かってるかなぁ?

 (めずら)しく夕までポンコツになってしまい、ボケ過多(かた)のカオスな状況(じょうきょう)に頭を抱えるしかない。


「はぁ……夕がめっちゃ(なつ)かれてて、ママって呼ばれてるだけだ。んでそのついでに俺もな?」

「あ、そう。――ちぇっ、なんだよ。ぬか喜びじゃんか! 僕のワクワクを返せっ!」

「んなもん知るかっ!」


 いつも通りではあるが、なんてアホで面倒くさいヤツだ。これなら記憶喪失のままの方が、まだマシだったかもしれないな。




【152/152 (+9)】

やすにはぶつかっていい。るなおぼえた。

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