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【豪華挿絵】月と金星とステラマジカ ~ヒミツの愛情魔法~  作者: 餅餅餅
第4章 月と金星と悪友参上
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冒険録25 妖精さんの初陣だぞ!

 想定外のアクシデントはあったものの、俺達は無事に(のど)(うるお)いを取り(もど)し、意気(いき)揚々(ようよう)と森の出口に向かって歩いていた。ただルナだけは、俺の(かた)をうつ()せで抱きながらぐんにゃりしており……ひたすら代わり映えのしない景色に、少々退屈(たいくつ)になってきたのかもしれない。もちろん俺と夕は、どこに野生動物や魔物が(ひそ)んでいるか分からないので、油断せずに歩みを進めている。

 するとそこで……


 ――ガンッ ガガンッ ガゴン!


 鈍器(どんき)を金属にぶつけるような音が前方から聞こえてきた。その音は断続的に(ひび)いてきていることからも、自然現象ではないように思え……この先に人間、もしくは野生動物や魔物でもいるのだろうか。


「……何の音だ?」

「気味が悪いわねぇ……進む?」

「ん。()けて回り道する手もあるが……それだけ余計な時間がかかるし、正体が全く分からないものを放置しておくのも不安が残るよなぁ」

「そうね。カレンさんは、基本的に危険な魔物は居ないって言ってたし……気を付けながらそっと様子を見てみましょ」


 夕と(うなず)き合い、念のため肩のルナを軽く突いて起こしておく。

 それで周りに注意を払い警戒(けいかい)しつつ、恐る恐るゆっくりと先へ進んでみると……二十mほど前方に二つの人影が見えてきた。まだ遠い上に暗がりで分かりにくいが、一人は短い剣と小型の盾を持った剣士風の人物、そしてもう片方は……二m近い長身で右手に骨を持つ左(うで)の無い骸骨妖怪だった。特徴(とくちょう)からして、先ほど戦ったヤツに間違いない。


(なつ)かしい(ツラ)だな」

「ふふ、表情(ツラ)はないけどねぇ」


 二㎞も離れた河原に居たヤツが進路上にジャストで現れたとなると、俺達を追ってきた可能性が高い。……ストーカーかな?


「ひいぃぃ! 何で森にこんなヤベー化けもんがいるんだよ!? 聞いてないんだけどぉ!?」


 ――ガンガンガン ゴン!


「っちょま! こんなん僕にはムリだってば!」


 どうやらその剣士は骸骨と戦闘中のようで、二m近い長身から連続で振り下ろされる骨を必死に盾で受けているが、その苛烈(かれつ)殴打(おうだ)に押されて完全に防戦一方になっている。


「パパ! 苦戦してるみたい、助けてあげよ?」

「だな。――そこの剣士さん! 助けは要りますか!?」


 素人が余計な手出しをして状況が悪化したらマズイので、念のため確認しておく。


「っえ、うそっ、こんな森に人!? あんたは神かっ!? お礼に何でもしますから、どうか助けてください!!!」


 相当に危機的状況(状況)なようで、剣士はこちらに背を向けたまま必死に助けを求めてきた。これは急がないとだ。


「ルナいくぞ! 夕、時計!」

「むふー! がいこつやっつけるのー! ぱぱのかたきなのー!」


 義憤(ぎふん)に燃えてくれるのは(うれ)しいが、俺死んでないからね?


十分(じゅっぷん)増の一時五十分の満タン! ――え、さらに五分増えた!?」

「なにっ――後だ。【瞬速インスンタント・アクセラレーション!】」


 大急ぎで速度増加魔法を()けると、すぐにルナの全身が青い光に(おお)われる。

 

「ぐぁっ! しまっ――」


 そこで(ひび)いた大きな衝撃(しょうげき)音へと顔を向ければ、剣士は盾を弾き落とされて無防備な身体を骸骨の前に(さら)していた。


「――手を(ねら)え!」

「んっ!」


 即席(そくせき)の指示を受けたルナが飛び出した時には、骸骨は剣士の頭蓋(ずがい)へと致死(ちし)の一撃を振り降ろそうとしており……もはや剣士自身では回避(かいひ)も防御も(かな)わない。


「間に合えぇ!」「頑張れぇっ!」


 俺と夕が(いの)る中、急加速したルナは青い光の尾を引いて二十m先の骸骨へと()き進む。そして……


「【ふぇありーばれっとぉぉー!!!】」


 ドップラー効果で普段より低いルナの声が届いた時には、青い流星は骸骨の右手を(とら)え、見事に手首ごと武器を弾き飛ばしていた。振り降ろされた手首の無い右腕は、剣士に触れることなく空を切る。


「っし!」「やったぁ!」


 ひとまず骸骨の無力化に成功し、ホッと胸を撫で下ろす。今のは本当に危なかったところで……後で夕と一緒(いっしょ)に、ルナの頑張りを()めちぎってあげないとだな!




【120/120 (+10)】

はて、この剣士……どこかで聞き覚えのある口調ですな?

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