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【豪華挿絵】月と金星とステラマジカ ~ヒミツの愛情魔法~  作者: 餅餅餅
第3章 月と金星と魔法講座
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冒険録19 妖精さんが弾丸になった!

 こうして夕は、間接的な方法を取る形ではあるものの、無事に魔法を使えるようになった。いずれ秘密の願いを(かな)えられると期待してか、夕は隣でウキウキオーラを(あふ)れさせており、その顔を見ているだけで俺も(うれ)しくなってくるというもの。これもお節介(せっかい)魔王様のご指導のおかげであり、本当に感謝感謝だ。


『さて。では早速ルナ嬢を魔法で強化して、対骸骨を見据(みす)えた予行練習といこうか』

「え、力はゼロになったんじゃ?」


 力を使い果たしたからこそ、俺への魔法が切れたのだから。


『確認してみたまえよ』


 言われて夕と時計の文字(もじ)(ばん)に目線を落としてみると……


「あれれ、五十分……満タンに近いですね?」

「しかもまた最大値も増えてるぞ。なんで?」


 先ほどよりさらに五分増加して、一時十分を示していた。


『キミ達は勘違(かんちが)いしていそうだが、魔法は発動した段階で必要な力が消費され、追加で願わない限りは継続的な消費はない。つまりこれは、発動後に回復したのさ』

「自然回復はんやっ!?」


 夕の詠唱(えいしょう)から現在に至るまでの(わず)か数分間でほぼ全回復したとなれば……実質使い放題なのでは?


『ふふっ。お生憎(あいにく)だが、今回は最大値増加に(ともな)った特別な回復で、常時の自然回復はこれほど早くはないよ』

「そりゃそうか……」


 五分増加で五十分回復となると、最大値増加時にその十倍程度の回復だろうか。ただ、この力の源の正体が分からないと、最大値増加や回復の仕組みも分からない。カレンは教えてくれないようだし、随時(ずいじ)針を確認してその正体を推理していこう。


「それじゃぁ今度は、ルナちゃんに元気になる魔法をかけてあげるね?」

「まってたのー!」

「うふふ。お待たせしちゃったね」


 お預けを食らっていたルナは、夕に頭を()でられながら、今か今かと(りょう)(うで)とオーロラ色の羽をせわしなくパタパタさせている。


『――いや、現状のゆーちゃんが魔法に向いていないことには変わりない。当面の間は、特別に効果が大きい大地君に対してはゆーちゃんが万能魔法を、ゆーちゃんとルナ嬢には大地君が特化魔法をかける方針が良いだろうね』

「あ、そうですよね……」


 夕は少ししょんぼりしたかと思いきや、


「――つまりあたしはパパ専用だねっ! それはそれでイイかもぉ? にへへ~」

「ア、ウン」


 すぐにいつもの調子になって、顔をでろんと(くず)した。


「……んじゃルナ、準備はいいか?」

「どーんとこいなのー!」


 ルナは俺の一mほど前の空中に静止すると、仁王(におう)立ちで胸を反らして意気込みを示す。


『あー、念のためだが、短めの効果をイメージしておく方が良いだろう。慣れないと調整は難しいだろうけれど、五分か十分ほど使うつもりで?』

「ん? 了解」


 意図は分からないが、講師のアドバイスは聞いておくべきだろう。

 それで呪文は何でも良いそうだが、先ほどの夕の格好(かっこう)良い詠唱が耳に残っているので、それに習うことにしよう。


「よーしっ!」


 俺は気合を入れて両手をかざすと、ルナが素早くなるイメージを浮かべて呪文を(とな)えた。


「【瞬速インスタント・アクセラレーション!】」


 夕のように流暢(りゅうちょう)な発音はできなかったが、魔法を使っている気分にはなれたので、きっと上手くいったはず。そう確かな手応えを感じていたところで……


「おおー!? るなぴかぴかなのー!」


 目の前のルナの身体が青色に(かがや)き始めた。


『成功だ』

「おーしっ!」「ふふ、流石(さすが)パパね♪」


 人生初魔法が上手くいき、嬉しくなって思わずガッツポーズ。


『さて、効果が切れる前に確認しよう。ルナ嬢、適当にその辺の木にでも全力でぶつかってみたまえ』

「わかったのー!」


 ルナは前方十m辺りに生えている直径三十㎝ほどの木を見据(みす)えて、空中で前傾(ぜんけい)してスタンディングスタートの構えを取る。


「いくのー!」


 ()け声と共に羽ばたいて飛び出せば、イメージ通り即座に急加速して弾丸の(ごと)く宙を突き進む。

 その動きを視認した瞬間、青い弾丸は木に到達しており――


 ズンッ!


 衝撃(しょうげき)音と共に木が激しく()れて葉を散らした。


「おおお……」「すっごぉ……」『ひゅ~』


 ルナは頭から全身を幹にめり込ませており、そのルナサイズの削孔(さっこう)からは、青く発光する足先だけがチョンと愛らしく飛び出ている。つまり硬い幹を十㎝近く穿(うが)った訳であり、これならあの超絶(ちょうぜつ)タフな骸骨にも通用しそうなものだ。


「いやぁ、こいつは大した威力(いりょく)だなぁ……まさに弾丸――『妖精弾(フェアリーバレット)』ってところか?」

「あっ、それカッコイイ!」

『うむ。魔法は気分が大切なので、技名としてルナ嬢に叫んでもらうのも良いね」

「だな!」


 エコかつ有効打となり得る戦術を編み出し、おまけに良い技名も決まったということで、俺達は満足げに(うなず)き合うのだった。




【75/75 (+5)】

恐ろしい威力ですねぇ~。

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