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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

異世界転生RTA Beat the World

作者: 麦村


 早速異世界転生RTA、始めていこうと思います。

 カテゴリはAny%。つまりクリア……異世界転生さえできればなんでもありということです。

 クリア自体は真人間ルートもあるのですが、普通に事故で異世界転生した方が早いのでそちらを選びます。

 トラック転生ルートは運が悪ければ地獄に落とされ、約36兆年のタイムロスが発生するので今回はマンホールルートでいく予定です。ちなみに地獄は異世界転生先という扱いはされないので普通にタイムロスになります。


 えー、主人公はニートです。無職の穀潰しです。親のすねをかじって生きています。

 本来は家を追放されるところから始まりますが、ムービースキップしたので河原に来ています。

 大雨が降れば流れてくる子供か動物を助けて異世界転生できるのですが、すぐに起こすには裏山での雨乞いが必要なのでスルーします。

 初期位置から右に7歩、前に3歩進んでここを調べると……警察ルートではお馴染みの拳銃を入手します。いっつも思うんですけどなんでこんなところに落ちてるんですかね?

 警察とのエンカウントも運次第なのでスルーしましょう。撃ってくれるとも限りませんしね。事件現場の警察は撃たずに逮捕しにきますし。


 拾った拳銃をコンビニで換金してローラースケートを入手。そして装備。

 これで倍以上のスピードで移動できるようになりました。

 ガードレールの上に乗れば勝手に移動してくれるので楽ですね。


 ガードレールを滑って事件現場へ向かいます。

 この町、ほんと物騒ですよね。毎日どこかで事件が起きてますし。あ、そうそう。通り魔ルートは彼女や後輩が同行していなければ通り魔自体が現れないので、とんでもなく時間がかかります。まず就職して数年働かなければいけませんからね。


 気を取り直して。

 警察に封鎖された中に異世界転生用のマンホールがあります。

 どうにかしてあれを開けて悪い姿勢で落っこちて死ぬ必要があります。


 そのために事件現場近くのゴミ集積所を調べます。

 お祈りポイントです。早く出てくれることを祈りましょう。

 1回目は……あー、小刀ですか。ハラキリルートいけますね。ですがあれも下手したら地獄一直線なのでスルー。

 2回目は……おっと、思い出のゲームソフト。自宅でゲーム機回収できれば寝落ちゲーム転生ルートいけますが、マンホールの方が早いのでやっぱりスルー。

 3回目は……えー、ここで来ます? 封印されし魔術書ですね。これで世界滅ぼせばセルフ異世界転生できますが、その前のランダムが多すぎて怖いのでやめておきましょう。下手したら狂気に犯されてクリーチャー化して普通に殺されるので。

 そろそろ来てもいいと思うんですけど……。4回目は魚かあ。猫を誘導して色々できるんですけどねえ。その辺に放り投げておきましょう。

 さて5回目。縞パン。うーん。引きが悪い。彼女作っての通り魔ルートは1年に短縮できるんですけど……。

 ぜんっぜん来ませんね。あ、6回目は竹筒でした。修行ルートは長いので無しです。

 7回目は……おっ、来ましたよ、なんの変哲もない木の棒!

 早速木の棒を加工して魔術杖にしてしまいましょう。


 歯か爪で加工する予定だったのですが、さっき手に入れた小刀使いましょうか。

 手を傷つけて小刀を血が滴る小刀に。

 そしてこれで木の棒に彫刻して……、勝手に血が染み込んでいきましたね。これで魔術杖の完成です。


 完成したので早速魔術を使いましょう。

 マンホールにまず解錠魔術をかけ、その後浮遊魔術を。よし、マンホールが開きましたね。なぜか解錠魔術をかけないとここのマンホールは開けられないので絶対に必要です。

 ……MP不足と負傷のデバフがかかりました。いい感じに力が入りませんね。


 事件現場近くの塀に登って、見つからないうちにマンホール近くまで移動します。

 あ、見つかってますね、これ。

 ギリギリ間に合うので無視しましょう。

 マンホールに向かって飛べば異世界転生できますが、下手したら死なずに重傷負っただけで病院送りになるので、それを回避するためにローラースケートを使います。それに、病院ルートは病以外では異世界転生できませんからね。

 ローラースケートを掴みながら前転宙返りし、開いたマンホールへ飛び込みます。

 これで確実に悪い姿勢で地面に激突した判定を得ることができ、さらにローラースケート使用中の地面激突ペナルティでオーバーキルされます。

 グッドラック!




「まっさか、あーんな変な死に方をする人間がいるなんて思ってなかったわ。近くで死んだ人間がいたから見張ってたけど、こんな面白い奴もいるものなのね」


「気に入ったし、転生させてあげる。どこでもいいし、どんなやつにでも。あんたが死んだ世界でもいいし、あんたたちが言うところのファンタジーだとかSFとか、そういう世界でもいいわ。なんなら人間自体が存在しない世界、それに……」


 異世界で。


「そう? 異世界でもこういうのがいい、とかないの?」


 異世界ならどこでも、どんなやつでもいいです。


「人間にしては欲がないのね。ますます気に入ったわ」


 とにかく早く転生させてください。


「……まあ、そう言うならいいわ。そーれっと」


 女神の掛け声で視界が白くなっていったところで……。





 タイマーストップです。

 えー、タイムは16分24秒。最速トラック転生者には敵いませんでしたね。

 女神の運は良かったんですが……。ゴミ集積所漁りの運が良ければ世界狙えたかもしれませんね。


 あ、転生先は普通に人間でした。まあ、女神はほとんど人間に転生させてきますからね。

 お疲れ様でしたー。

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