表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/48

僕、4歳になる


 解放の儀でステータス解放をした時、加護4つの中の『天に導かれし者』の加護を見た瞬間一気に20年分の前世の知識を思い出した。

 いつのまにか、握っていた水晶を見て、スイが今世でも側にいてくれることに安心して、意識を失った。

 幼い体で沢山の記憶を一気に受け入れたのだから、知恵熱になって倒れたようだった。


 起きた時、穏やかで冷静なお父様が泣いて安堵している姿を見て、家族関係は良さそうだとホッとした。


(……ステータス)


 目を閉じ、そう呟けば脳内にステータスが浮かんでくる。


 名前ーー有栖零

 年齢ーー4歳

 スキルーテイム(先天性) 従魔(1/8)

 ーーーー探索(先天性)

 ーーーー育ての手(血縁)

 ーーーー成長(血縁)

 加護ーー『緑に愛されし者』

 ーーーー『水に愛されし者』

 ーーーー『天に導かれし者』

 ーーーー『生物に愛されし者』


 ちょこっと神様の加護があるけど、簡単にチートさせませんよってことか。まあ、別にチート能力とかいらないから別に構わないけど。

 てか、この血縁とか先天性とか何だろう? と考えた瞬間、脳内のステータス画面が切り替わる。



血縁スキルについて。

・代々その家系に伝わるスキルのこと。このスキルを持つのは没落貴族、現貴族が持っていることが多い。

先天性スキルについて。

・家系、血筋関係なく個人の才能で生まれたスキル。個人の才能であるため、かぶることがある。

後天性スキルについて

・とある条件を満たすことによって追加されるスキルのこと。

ただし、血縁スキルと先天性スキルに分類されるスキルは追加されることはまずない。


 ふむふむ、なるほどね……。スキルの分類については理解できた。

 えっと、自分の持つスキル説明についても見れそうだな……。


テイムとは。

・ 相性の良い魔物を従え、契約出来るスキル。

・テイムの仕方は『戦い、自然とテイムが発動し、スキルが発動する』や『卵から孵化させる』、そして『魔物側から契約を持ちかけられる』などの方法がある。

・沢山愛情を注ぐことによって絆が生まれ、従魔は契約者のために強くなる。大切にしてあげよう。


探索とは?

・ある一定の範囲で誰がいるか、どこに魔物がいるか、そして採取物がどこにあるかを探索出来るスキル。

スキルレベルが上がるごとにスキル能力が解放されていく。その地域に行く、または地図を見るなどするとインプットされ、スキルに反映される。


成長とは?

・血縁スキルの一つ。植物を成長させたり、種から植物を即座に育て、操ることの出来るスキル。捕縛には向くが、基本攻撃には向かない。


育ちの手とは?

品質の高い植物を育てることが出来るスキル。テイマーなら魔物を育てやすくなり、また魔物の卵を見つけられる。

植物だけではなく、植物が関係するものなら品質を高めることの出来る


 育ちの手とかむしろ、加護に近いような気がする。血縁スキルだから特別なスキルではあるのか……。

 スキルレベルはなんとなく想像つくけど、加護の意味は知っておいて損はないだろうし、むしろ身を守る時に安心だしね。見ておこう。


スキルレベルとは?

ある一定の条件、経験値を手に入れると上がる。その報酬としてスキルで出来る範囲が広がり、スキルレベルが上がるごとに便利になる。

注意! 努力しない人間はもちろんスキルレベルは上がらない。チート能力など、過ぎた力は諸刃の剣、便利な力が欲しければレベルをあげよう!


加護とは?

特定の災難から身を守る、または神様から与えられた幸福のこと。

『緑に愛されし者』ーー植物が育ちやすい効力があります。育ちの手の能力も相まって、めちゃくちゃ早く育つ加護となっている。

『水に守られし者』ーー水難事故に遭わない加護です。貴族には有難いスキル。

『天に導かれし者』ーー転生者だと表している。死ぬくらいのピンチに遭った時、神々の都合でこちらに呼んだから助けてあげますよ、的な加護。

 あと、この世界で迷子にならない加護でもある、方向音痴には嬉しい加護。

『生物に愛されし者』ーーテイムした従魔と会話できる。テイマーにはたまらん! ってなる加護。


 転生者は特別措置として、詳細が見えているが、普通は見れないと注意書きがしてあった。

 そう脳内に表記された後、まるでチャンネルを切り替えたようにステータス画面へ戻る。

 転生者専用ステータス講座って表記されるまで、こういう風に教わるのかーって思ってたけど、転生者がこの世界に馴染めるための特別対応だったんだなぁ。


 それより、加護! 地味に便利そうな加護ばっかりだったなぁ。まあ、最強になる加護の方が目立たず、のんびりファンタジーライフを楽しみたい僕としては有難い加護だったけど!

 前世、最後の方は外出出来なかったから、趣味の水泳が出来なかったし、水難事故に遭わないなら遠泳するのも良いかもしれない。

 ファンタジー小説の生産チート、政治チートとか読むのは嫌いじゃなかったけど、いざ自分のこととなれば別だ。

 自分の生活を向上するならまだしも、本来ならなかった物をこの世に残すと言うことはイレギュラーが起こりやすくなると言うこと。

 僕はこの世界のルールに則って生活させてもらおう。


「まずは何をやろうかなぁ」


 独り言を呟いた時、脳内で携帯の着信音みたいな音が鳴ると、勝手にステータスが開いた。


『そちらで言うと4年ぶりくらいでしょうか? お久しぶりです。転生する際の担当者だった者です。

うっかり説明し忘れていたことがあり、連絡させてる頂きました。スイの件ですが、月光島に戻るだけでも生命力は戻るのですが、ゆっくり回復するので零くんの寿命が尽きてしまいます。

4属性の精霊石を探してください。本当は光属性もあると良いのですが、4属性の精霊石を吸収させれば恵みの雨の能力を使えるくらいまでには回復します。

しばらく人と接していなかったため、寿命の存在を忘れておりました。申し訳ございません』


 4属性の精霊石?

 確か、光を含めた5属性の精霊に会いに行って、気に入られて精霊の力が込められた石をもらって、悪い王様を倒したって絵本があったな。

 それから、王様ことを光帝と呼ぶようになりました、みたいな結末だった気がする。


「スイに会いたいしなぁ、精霊石を集めるしか選択肢ないんだけど……。そう簡単に精霊石をくれるのかなぁ?」


 困ったなぁ……。

 なんて、考えていると、ドアをノックする音が聞こえた。「はーい」と答えると、


「……いい子にしてたかい?」


 穏やかに笑うお父様がいた。

 博識なお父様だ、とキラキラしていた以前の自分が教えてくれたので、相談してみよう……!


「お父様、この水晶は解放の儀の時に現れたもなのですが、この子は僕にとって大切な存在のような気がするんです……。

僕が熱で倒れた時、夢でこの子を回復させるには精霊石が必要だと言われたような気がして、どうしたらいいと思いますか?」


 幼いためか、舌がうまく回らないながらも、そう言葉にする。

 お父様は優しく微笑んで、聞いてくれて。


「光と闇の精霊を見つけるのは運が良くないと無理だが、4属性の精霊ならそれぞれ担当の場所を守ってるから、会いに行く自体は難しくない。

あとは、純粋にこの水晶の子を助けたいと言う願いを真摯に伝えれば、4属性の精霊は力を貸してくれるよ」


 ああ、よかった。スイを助けられる。そう、安心したのも束の間、


「でも、ある程度自衛できるようにならないと認めてあげられないな? 他になんか、夢で思い出せることはない? 精霊石に代わる応急処置を思いつくかもしれないし」


 その言葉に僕は思い出せるだけの記憶を伝えた。


「多分、その子は精霊だね。それか精霊出身の何か。魔力ではなく、生命力って言っていたなら魔石では力を回復ができない。

けど、生命力を司る聖石なら、応急処置として使えるかもしれない。滅多にわがままを言わない零からのお願いだ、聖石はできる限り集めてあげるよ」


 うちの家系は物欲もないから貯蓄は多いから、気にせず甘えなさい。と、断る前にそう言われてお父様は部屋から去っていった。




 月に2回の投稿で始めたいと思います。

 書ける時間が少ないので、1話1話が3000文字前後となっております。

 ストックの溜まり次第では投稿回数を増やしたいと考えてはいます。

 よろしくお願いします。

 来月も投稿あります。


 次に、この作品のクロスオーバー作品を書く予定です。こちらの作品は準備中です。

 タイトルは、「このたび、妖精のお家の管理者になりました」です。書きだめができ次第、月2投稿していこうと思います。

 話の流れを、新しく組み立てていくうちに、もう一つの視点が必要だと感じたので、世界観がかぶる作品を連載します。

 準備ができましたら、この作品にて報告させていただきます。興味のある方は、連載開始しましたら読んでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ