マリーさんの秘密を暴けっ!!
「あなたは、王妃様では御座いませんか?」
マリーさんがそんな事を言ってくる、お母さんに対して。
王妃様? って国の王様の奥さんって事? お母さんが?
でもそんな、私を庇うために逃げてきたって、こんな下町に……
お母さんを見る、とても苦労してきたその姿を。
王妃様って、きっと地位も高くて贅沢な暮らしも出来ていたよね?
どうして、そこまでして、私を……
「違います。私は王妃である前に、一人の母親ですっ!!」
その答えは、お母さんが示してくれた。
私をギュッてしながら、私にどこまでも愛情を注いでくれる。
どうしよう。私、お母さんが大好きで大好きで堪らないよ!!
「そう、ですか………」
マリーさんも、お母さんの答えに頷きを返した。
きっと、それは誰にも否定することは出来ないと思ったんだろう。
ねえ、お母さん…… 私、産んでくれた事を後悔させないよ。
私を産んでくれた事を、これ以上なく良かったって思わせてあげるよ!
王妃様だった頃よりも、絶対にもっと幸せな環境にしてあげるんだから!!
それから、王様とかいう奴は…… 私が、絶対にブッ飛ばしてやるんだからねっ!!
「ねえ、マリーさん? 私からも質問良いかしら?」
「はい、なんでしょうか?」
まるで秘密は漏らしませんよ、的なジェスチャーをするマリーさん。
うんうん、私とマリーさんは友達だもんね。
友達を裏切るような真似、マリーさんがするわけないよね?
「あなたの、此処に来た本当の目的を教えてください」
ほう、本当の目的…… とな?
マリーさんにそんなのあるの?
「わ、私は…… メアちゃんに言われて。ご飯の食材を一緒に買い物に行って、それでそのまま此処に来ただけです……」
うんうん、その流れで合ってるよ?
お買い物も私が頼んだし、マリーさんは付き添ってくれただけ!
「それは嘘、ですよね?」
「えっ、ええと…… すみません!!」
なんか違ったようだ…… えっ、どういう事??
一緒に買い物をした時間は、嘘だったって事?
そんなの信じられないよ、だって一緒に仲良くお手ても繋いでたし?
そして明かされる、衝撃の事実……
「私は、ギルドマスターからメアちゃんが、どんな生活をしているか、そして聖女なのかどうかを調べてくるように言われましたっ!」
な、なんだってーーっ!? あの顎髭お爺ちゃん、そんな事をマリーさんに頼んでたのか。
おのれ、マリーさんが純情なのを良いことに、上からの圧力で無理やり言い聞かせてきやがったな!?
あの顎髭お爺ちゃんも1度ブッ飛ばしといた方がいいのかな?!
「それは嘘、ですよね……?」
「す、すみません。今のは唯の建前でした……」
おおうっ!? なんだよ嘘だったのかよマリーさん。
ギルドマスターから言われた事も唯の建前である、と……
これはいよいよ、マリーさんの真の目的とやらが気になってきたぞ?!
「私は、その、本当の目的は、その……」
なぜかコチラをちらちら見ながら話をするマリーさん。
んん? なんだ、私に関係する事なのか?
私はマリーさんを信用しているから、多少の事では動じないぞ?
「……あの。本当に話さなくちゃいけないですか?」
「あなたが、これからもメアの友達でいるなら。それに、さっきのあなたの質問にも、私の方はちゃんと答えたでしょ?」
むぅ? なにやら高度な駆け引きがいつの間にか行われていた模様。
お母さんの方はちゃんと答えたんだから、マリーさんもちゃんと答えなさい、と。
なるほど、一理ある理論展開だね!?
「私、私はっ……」
がんばれマリーさん! 何やらモジモジしてるのが気になる所だけど。
「私は、メアちゃんのお家に行って、あわよくばそのままお泊まりして、あわよくばそのままメアちゃんと添い寝したいと企んでましたっ!!」
・・・・。
な、なんだってーーっ!?
・
・
・
現在、狭い布団の中で3人で川の字になっています。
マリーさん × 私 × お母さんのサンドウィッチです。
なんだかめちゃくちゃ密着してます、お布団狭いから!!
「外でメアに何かあったら、助けてほしいの。お願いできる?」
「はい、もちろんです! メアちゃんは私が守りますっ!!」
ぎゅ~、って私に横から抱き付いてくるマリーさん。
お母さん公認のお友達?!になったよ、やったね!?
「ところでさっき、メアが聖女かどうかって話あったけど……」
「ああ、あれはギルドマスターに言われただけなんで、気にしなくても」
聖女?って、なんだろ。あれか、パーフェクト・ヒールが使えるから?
でも私は、聖女じゃなくて魔法少女なんですけど……
ああでも、女神様もそんな事言ってた気がするなぁ。
「メアは聖女じゃなくて、天使よ?」
「天使っ!? た、確かに……」
おおいっ!? なんだか話がおかしな方向に行ってる!?
私は聖女でも天使でもなくて、魔法少女なのっ!!
それにどうしてマリーさんはそれを信じているの!?
あれ、でも天使って…… 天の使いって意味なのかな。
そういう意味で言えば、私は女神様から言われてこの世界に来たんだよね。
天からの使い、で天使…… と、言えなくもないのか??
でも翼が無いから駄目だよね、空は必要あらば翔べるけどさ。
ステータス更新!!
名前:メア
種族:人族?? → 天使?!