回復魔法発動ッ!!!!
「ゴホッ、ゴホッ…… メア、こんな頼りないお母さんでゴメンね? 」
お母さん…… そんな事ないよ、お母さんは私にとって最高のお母さんだよ。
だからそんな顔しないでよ、もっと笑顔でいてよ。
こんなに痩せ細るまで私の事を育ててくれて……
今こそ女神様に貰ったあの能力を使う時が来たよ。
この人を救いたい、元気になってほしい、そう強く願って。
自然と魔法の使い方が頭の中に浮かんでくる。
「パーフェクト・ヒール!」
元々魔法少女とは、みんなの願いを叶えるために存在している。
そしてその願いをパワーに変えて戦うのが魔法少女だ。
でもたまには、自分自身の願いをパワーに変えてみるのもいいだろう。
お母さんの身体を虹色の光が包み込み、溶けていく。
輝きが収まった後には幾分か肌色の良くなった姿が見えた。
よかった…… これで少しは楽になったんじゃないかな?
「あ、あれ? 咳が……止まった? それに、身体が軽い……」
お母さんが不思議そうに自分の身体を確かめている。
転生特典で回復魔法を選んだのは正解だったな。
べつに錬金術やテイム能力なんて、今この事に比べたらどうでもいい能力だ。
「ねえ、メア。あなたのおかげなの……?」
お母さんが私を見詰めながら聞いてくる。
私はそれをぎゅっと抱き付くことで答えを示した。
うん、さっきより身体が柔らかく、ふわっとなった気がするよ、お母さん!
ぎゅ~~~っ!!
グゥ~~~っ・・・・
お腹の音がなってしまった、恥ずかしい。
優しさだけじゃお腹は膨れないんだね。
健康にはなっても、ご飯を食べなきゃ元気は出ない。
お母さんは小さく笑いながら、ご飯の準備をし始めた。
貧乏なのは分かってるから貧相な食事でも大丈夫だよ、お母さん。
貧しくても二人で一緒に食べれたら、きっと幸せな食卓だよ。